更新日:2016年4月28日(木)
今回のFOMC直前には、Fedウォッチの4月金利据え置き確率は100%の状態にあり、ほぼ無風通過も予想された状況で、焦点は6月に向けたフォワードガイダンスやリスク懸念への言及など。
結果的には、声明文から「海外情勢の見通しへの影響」への言及が削除され、追加利上げに向けた障壁が一つ剥がれた形となったことを好感したのがファーストインプレッション。しかし、「成長ペース鈍化の兆候」と米国内の経済見通し下方修正でマイナス材料も指摘。
それでも従来どおり「労働市場は改善」が続き、「経済情勢は緩やかな利上げを正当化する」とスローペースの金融政策正常化を支持。
そして今後も引き続き「世界情勢とインフレ動向に注視」することを明示する慎重姿勢を維持。
投票結果でも、カンザスシティ連銀ジョージ総裁一人だけが、唯一利上げを主張したのも3月FOMCと同様。
6月利上げに向けた可能性を打ち消してはいないものの、その可能性を示す訳でもなく、玉虫色の声明文で年内1回以上の利上げはとりあえず肯定か、といった状況に。
FOMC声明を受けて27日、Fedウォッチでの6月据え置き確率は前日26日の77.5%から85%へと上昇。利上げ確率は22.5%から15%へと低下しました。
1回以上の追加利上げが行われる確率は11月に初めて50%を超え、合計53.5%。2回以上の利上げ確率では2017年2月でも合計30.3%に過ぎません。
市場の思惑も、FOMCの意向からも、当面は年内1回の追加利上げしか想定されない状況にあり、これが当面の金相場のサポート材料となりそうです。
27日のNY金相場は0.56%高で3日続伸。FOMC前からやや買われる展開となり、引け後のFOMC声明文発表直後の上下動でも1240ドル付近から1250ドル台まで、上下10ドルの範囲内。6月利上げに向けては玉虫色ながらも安定推移継続でレンジブレイクのタイミングをうかがう状態。上方向なら1280ドル台へ、下方向なら1200ドル割れも辞さない展開へ。流れとしてはやや上方向優勢へと傾斜しつつある状態もイベント的には円安主導のドル高にともなう反落に警戒。
NYプラチナ相場も0.52%上昇し、3日続伸。1000ドルの大台突破から7営業日め、1010ドルから1030ドル台のレンジを形成しての安定推移を経て、そろそろ次の展開への動き出しが近づいてきた状況。流れは上方向優勢で1050ドル前後が次の目標水準となる可能性と、イベントリスクによる急反落で大台割れ、990ドル割れまでの下落余地拡大となる可能性が混在。金融政策主導相場の局面にあり、金に追随する展開へ。
ドル円は0.12%の小幅続伸。FOMC声明直後にはタカ派イメージを好感し、抵抗水準付近となる111円80銭手前まで急騰し、ハト派色への警戒感から111円割れ寸前まで急反落の乱高下。その後はターゲットを日銀へと切り替え、期待感からの円安主導の展開で今朝には一時111円80銭台まで上昇。期待以上の政策発表となれば抵抗水準を超えて113円前後までの急騰も見込まれる状況。期待はずれなら109円台半ばの下値サポート水準が意識され、ここを割り込むようなら108円付近の安値圏トライへと向かう円高リスク再燃へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/27終値とチャート
28日の国内金価格は0.36%の小幅高で4日続伸。日銀の金融政策発表前に目標水準4780円付近にしっかり到達したことで、この水準からの反落も已む無しの状態に。ただし、可能性としては円安サポートと金の小幅下落程度?で上方向優勢か。問題は、その流れが長続きしない可能性も想定され、国内価格に反映される次週には米GDP下振れの影響などを受けて反落している可能性も。
週間ベースでは+75円(1.6%)で続伸。
プラチナ価格は0.72%上昇し、3日続伸。連休前日の年初来高値更新で心置きなく急反落に備えることも?ドル高円安方向への期待感が強い状態で臨む日銀会合の結果が期待を裏切った場合の急反落リスクはかなり大きめ。しかし昨日時点で2014年2月以来、2年2カ月ぶりに200日移動平均線を突破し、長期的な流れが大きく切り替わる分岐点に差し掛かっている可能性も。
週間ベースでは+64円(1.67%)となり、3週続伸。
※参考:金プラチナ国内価格4/28とチャート
2016年4月28日(木)時点の相場
国内金:4,775 円 4/28(木) ▲17(0.36%)
国内プラチナ:3,898 円 4/28(木) ▲28(0.72%)
NY金:1,250.4 ドル 4/27(水) ▲7.0(0.56%)
NYプラチナ:1,025.4 ドル 4/27(水) ▲5.3(0.52%)
ドル円:111.44 円 4/27(水) ▲0.13(0.12%)
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