更新日:2016年4月29日(金)
予想通りの現状維持となった米FOMCから9時間後、日銀の決定は予想外の現状維持。ゴールデンウィーク前日の東京市場は日銀ショックに見舞われての円高・株安急進の展開となりました。ドル円は111円70銭台から108円70銭台まで3円もの急落、日経平均は17500円台から16600円台へと900円超もの急落、先物はその後も下げ幅を拡大する展開に。
熊本地震を受けての被災地金融機関支援オペの導入を決定した以外は、マイナス金利の効果見極めの為に現状維持とし、予想されたETF拡大などの追加緩和は先送り。ただし物価目標2%到達時期は「2017年度中」へと先送り。
これで物価目標先送りは4回め。これまでの経緯は、
初回:2013年4月:異次元緩和スタート時「2年で2%」(達成見込み時期2015年)。
先送り1回め:2015年4月:原油安の影響で「2016年度前半頃」へと「1年」先送り。
先送り2回め:2015年10月:原油安の影響で「2016年後半頃」へと「半年」先送り。
先送り3回め:2016年1月:原油安の影響で「2017年前半」へ「半年」先送り、マイナス金利導入。
先送り4回め:2016年4月【今回】:「2017年度中」へと「半年」先送り、金融政策現状維持。
当初の「2年で2%」の目標は「4年半で2%」へ。
「2017年度中」ということはリミット2018年3月。2018年4月に任期切れとなる黒田総裁にとってはリーチがかかった状態となりました。
また、一部報道で噂された金融機関向け貸し出しへのマイナス金利適用については、総裁会見で議論すらなかったことも判明。噂報道で円安へと急騰した1週間前に、否定的なコメントを流しておけば、多少なりとも落差を縮小できていたのではないか、との批判も致し方ないところです。
それとともに、日銀政策発表の時間帯を13時以降にし、NY時間の深夜へずらし、日本の昼休みの時間帯を避けることも、相場急変緩和の為には必要では?とも考えますが。
28日のNY金相場は1.28%の大幅高で4日続伸。東京市場では1240ドル割れまで値を下げた後、日銀ショックで10ドル程の急反発、欧州市場では1250ドル台の抵抗水準での攻防が続き、NY市場でようやくレンジブレイク。円高主導によるドル安の流れに加え、FOMC声明が明確なタカ派寄りではなかったこと、米1-3月期GDP速報値が予想を下回る低成長となったことなどが材料視され、終値では3月10日以来1カ月半ぶり高値水準1260ドル台後半へ。三角保ち合いを上抜けたことにより短期上昇トレンド形成へ。当面の上値目標は1280ドル台、3月11日高値1287.8ドル付近が意識される展開へ。
NYプラチナ相場も4日続伸で2.47%の大幅高。金に追随する局面でも流れが加速した時の瞬発力の強さは健在。1030ドル台の抵抗水準での揉み合い状態を抜け出すと、上値目標1050ドル前後へといきなり到達、昨年7月6日(1066.3ドル)以来9カ月半ぶりの高値水準に。もう一段の上昇余地も見込まれる金に追随する展開も想定され、次の上値目安として1060ドル台も。
ドル円は3.3円、3%の暴落。1日での下落率としては昨年8月24日、中国ショックの時と同率。日銀への期待は想像を超えるレベルだった模様。東京市場午前には一時111円80銭台まで上昇し、正午過ぎの日銀ショックで急落すると109円台半ばのサポート水準も一気に下抜けて109円割れへ。その後の反発力も弱々しく、欧州時間にかけて下値目安108円付近に早々の到達。その後も108円割れを何度か試し、NY時間には一時107円80銭台まで下落。そして今朝には年初来安値更新へと円買い圧力は衰えない様子。短期的にはいったん下げ止まりも想定可能なレベルながら、日本の連休と重なる最悪のタイミング。長めのレンジで見た場合のヘッドアンドショルダーからの下落メド106円付近が意識される展開も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/28終値とチャート
2016年4月29日(金)時点の相場
国内金:4,775 円 4/28(木) ▲17(0.36%)
国内プラチナ:3,898 円 4/28(木) ▲28(0.72%)
NY金:1,266.4 ドル 4/28(木) ▲16.0(1.28%)
NYプラチナ:1,050.7 ドル 4/28(木) ▲25.3(2.47%)
ドル円:108.10 円 4/28(木) ▼3.34(3.00%)
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