更新日:2016年6月6日(月)
金曜日には、雇用統計に続いてISM非製造業景況指数も予想を下回り、2014年2月以来最低水準となる52.9となっていました。この要因となったのが雇用指数で、2月と並ぶ49.7と節目の50割れへと反落。ISM製造業景況指数の雇用指数も5月は49.2と横ばい推移となり、こちらは6カ月連続の節目50割れ。ISMの指標では、製造業も非製造業でも労働市場の失速を示す状況となっています。
これに加えて、単月の指標ではブレの大きいADPと雇用統計の雇用者数(NFP)の前月比増減を3カ月平均で見ると、ADPは2月の+22.9万人をピークに3月は20万人、4月は19.1万人、そして5月は18.0万人と失速状態。
雇用統計のNFPは昨年12月の+28.2万人がピークとなり、今年は5カ月連続低下中。3月時点で19.6万人と20万人割れ、4月には18.1万人、そして今回の5月が11.6万人。後日の上方修正の可能性を考慮しても、失速状態は際立ちます。
ISMでもADPでも、雇用統計のNFPでも、米労働市場の失速状態は明らかな状態となってきました。
ハト派のブレイナード理事は「米労働市場は減速」の可能性に言及し、「経済好転を確認するまで利上げを待つことに有益性」があるとの見解を示しました。いっぽう、タカ派でFOMC投票権を持つ、クリーブランド連銀のメスター総裁は「全般的な経済見通しに変わりはない」との強気を維持し、1回のデータにこだわるべきではないとの趣旨の発言も。FOMC女性有権者2人の相反する発言も7月の結果次第との見方は共通の様子。
米労働市場の現状に対する見解と、利上げ時期をさらに9月以降へと先送りする可能性については、3人目のFOMC女性有権者でもあるイエレン議長の本日の発言を確認しなくてはなりません。
6日の国内金価格は3営業日ぶりの反発で1.08%の大幅高。雇用統計ショックによる円高急進をNY金が想定以上の大幅反発でカバー、短期的にはやや行き過ぎた円高水準で今朝にはわずかながら持ち直しの動きも見られ、NY金の時間外は高止まり。国内価格の下値警戒感も若干緩和された状態となり、目先は4540円台から4640円台の範囲で保ち合い形成の動きから方向感を見極める展開へ。欧州市場以降でのドル売り円買い再開、2番底を付けに行く動きに下方圧力が高まる状況への警戒感も。あらためて4540円台を割り込むようだと4500円前後までの一段安、逆に4640円超えへと反発基調継続なら4700円前後までの買い戻しも。
プラチナ価格も0.92%の反発。結果的には2月末と4月前半の安値水準に相当する3600円近辺で今回も反発。一方的な下落基調からはようやく反発したものの、値幅としてはやや限定的にとどまり、一時的に過ぎない可能性も残される。地合い改善に向けては3700円台を回復しておきたいところ。やはり目先は円買いドル売り再燃が警戒され、比較的サポートされやすいはずの3600円を割れてしまうと3500円台半ばが意識される展開も。
※参考:金プラチナ国内価格6/6とチャート
2016年6月6日(月)時点の相場
国内金:4,596 円 6/6(月) ▲49(1.08%)
国内プラチナ:3,635 円 6/6(月) ▲33(0.92%)
NY金:1,242.9 ドル 6/3(金) ▲30.3(2.50%)
NYプラチナ:981.9 ドル 6/3(金) ▲21.8(2.27%)
ドル円:106.62 円 6/3(金) ▼2.25(2.07%)
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