更新日:2016年8月29日(月)
米国の早期利上げ観測再燃を受けて、週末の為替は1ドル=100円の大台ラインで反発すると、102円付近までのドル高円安が進行しました。週明けの今朝も102円付近での攻防状態が続きます。そしてこの間、NY金相場は1320ドル付近で耐える展開。米株市場と同様、利上げへの警戒感から上値は重い状態ながら下値をどんどん切り下げるような展開とはならず、下げ渋りの様子。年内利上げの確率は高まったものの、その先の利上げ基調は従来どおり、かなりのスローペースであることを見越したような状況です。
この結果、国内金価格は4600円の重要な節目水準を一度は下抜けた状態から反発し、年初から続く三角保ち合い下放れを回避、再び保ち合い継続への可能性を示す状況となっています。
この後の展開としては、為替が1ドル=102円台を維持できるなら、さらにドル高円安方向へと反発基調が続く可能性も高まります。今週の米物価指標、製造業の景況感、そして雇用指標がそれなりの好調を示す結果となった場合には、その確率はさらに高まることとなり、ドル円は年初来の下落トレンドの抵抗線付近、103円台後半まで水準を切り上げることも想定されます。
そうなった時、NY金相場が1320ドルを維持した場合には、国内金価格は計算上、4700円台へ上昇することになります。
そして、今度は年初来の三角保ち合い上抜けをかけた攻防へと向かう可能性も高まることになります。
ただし、NY金相場が1300ドルまで水準を切り下げた場合には、三角保ち合い継続へ。さらに、ドル高円安の流れが102円近辺でとまってしまった場合には、国内金価格は再び三角保ち合い下抜けトライへと進むことになります。
当面の国内金価格の行方は、為替1ドル=102円の攻防によって大きく左右される展開となりそうです。
29日の国内金価格は1.27%の大幅高となって3営業日ぶりの反発。美し過ぎる下落基調を描き続けてきた短期チャートもようやく型崩れの兆し。7月28日以来、1カ月ぶりに9日移動平均線を上抜け、強めの下落基調を示すパーフェクトオーダーの状態はわずか1日で崩れ、7月20日の4856円からほぼ6週間続く短期下落トレンドからの脱却への可能性も示唆。今年の平均騰落率0.62%(絶対値)の倍以上の値動きでの反発となり、1週間前(8月22日:4636)の水準を突破。デッドクロスしたばかりの21日移動平均線から90日移動平均線までの水準、4685-4700円が当面の上値抵抗水準となり、本格的な下落トレンド終了に向けてはこの水準を超える必要。いったん下げ止まった4580円を下回るようだと、6月に2度つけた安値4550円近辺を割り込んでの下値模索の展開も予想される。
プラチナ価格は、年初から続くゆるやかな上昇軌道を描くチャネルライン内での上下動が続きます。
水準としては、2015年高値から今年安値までの38.2%戻しを達成後に反落、23.6%戻しラインで反発の可能性を示す状態。今後、一時的に3700円台から3600円台へと水準を切り下げるリスクも抱えながら、3800円から4000円が主要レンジとなり、ゆっくりと水準を切り上げるような展開も予想されます。
29日のプラチナ価格も3営業日ぶりの反発で1.18%高。直近の下値目安3760円台をややオーバーランして下げ止まり、落ち着きどころに戻ってきた状態。ただし8月前半から続く短期下落トレンド終了の判断はまだ時期尚早。デッドクロス目前の9日移動平均線と90日移動平均線の水準3810円付近をしっかりと上抜けることが当面の課題。さらにその上の高値、8月24日の3832円を上抜けると流れが変わる可能性も高まり、3900円トライへ。いったん下げ止まりの可能性を示した3726円の安値を下抜けた場合には短期トレンド継続で3700円割れ必至の展開も。
※参考:金プラチナ国内価格8/29とチャート
2016年8月29日(月)時点の相場
国内金:4,638 円 8/29(月) ▲58(1.27%)
国内プラチナ:3,770 円 8/29(月) ▲44(1.18%)
NY金:1,325.9 ドル 8/26(金) ▲1.3(0.10%)
NYプラチナ:1,077.7 ドル 8/26(金) ▲0.7(0.06%)
ドル円:101.79 円 8/26(金) ▲1.26(1.26%)
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