更新日:2016年9月26日(月)
NY金相場は、年初からここまで25%上昇し、為替ドル円は15%の円高となっています。この板挟みに国内金価格は5%の上昇にとどまっています。
今年、国内金価格が比較的大きく変動した時期を振り返ると、
2月:日銀マイナス金利導入後の円買いと米経済指標悪化に伴う追加利上げ観測後退→円高・ドル安、NY金急騰、で国内金価格上昇。
4月末:日銀追加緩和見送り後の円買い、米PCEインフレ鈍化など経済指標悪化で株安→円高・ドル安、NY金上昇、で国内金価格下落。
5月末:米6月利上げ観測によるドル高→円安・ドル高、NY金急落、で国内金価格下落。
6月:米5月雇用統計下振れのドル売り~英EU離脱ショックのリスク回避→円高・ドル高(ただしドル円は円高)、NY金上昇、で国内金価格上昇。
7月前半:安倍政権への経済対策期待などによる円安→円安・ドル高、NY金下落、で国内金価格上昇。
7月末:日銀追加緩和(ETFのみで期待はずれ)と米GDP下振れ後の円買い・ドル売り→円高・ドル安、NY金上昇、で国内金価格下落。
9月末:日銀金融政策枠組み変更と米利上げ見通し引き下げで円買い・ドル売り→円高・ドル安、NY金上昇、で国内金価格上昇。
※9月末現在では、流れ一服状態。
米国の追加利上げ見通しが後退するような事象があればNY金は上昇し、為替はドル安・円高となり、国内金価格は変動幅が大きいほうへついて行くことになりますが、日本国内要因などで思惑が大きく傾斜した時には、為替の方向性に大きく左右されるケースもあります。(4月末、7月前半、7月末など)
また、リスク回避の度合いが強まる時には、円高に加えて米ドルも他通貨に対して買われやすくなることもあり、NY金の上昇幅が相対的に大きくなりやすく、国内金価格も上昇しやすくなります。(6月など)
足元では、日米の金融政策の結果を受けてNY金の上昇に連れて、国内金価格は上昇傾向の兆しも見られましたが、やや失速しそうな状況ともなっています。
次のイベントとしては、予想外に支持率拮抗状態が続く米大統領選挙前のテレビ討論会が目前に迫っています。
ここでも予想外にトランプ氏が優勢となるようなことがあれば、トランプリスク台頭、トランプ円高でもリスク回避のNY金上昇で国内金価格も上昇局面を形成することになる可能性もありそうです。
26日の国内金価格は前週末からわずかに1円の上昇。21日の4608円が直近の安値となって反発へと流れが変わろうか、というところで今朝の為替がやや円高気味に推移していることで上値を押さえられた格好。下方リスクは残るものの、その勢いは徐々に緩和されつつある様子。目先は4600円台から4670円台までのレンジで方向感を模索するような展開か。リスク回避ムードが高まるようなことがあれば流れは上方向へ、上限突破できれば4700円台後半を目指すような流れも想定されるところだが。
プラチナ価格は0.22%の小幅安となり、3営業日ぶりの反落。先週の大幅反発の反動安も限定的となり、反発の流れ継続への期待も高まるところだが、NYプラチナも今朝の時間外で1050ドル割れを試しそうな動きも見られ、底堅さには欠ける状況。値を下げながらもなんとか9日移動平均線は上抜け、次は3739円でゆるやかに下落する21日移動平均線を早期上抜けできるかどうか。失速状態継続で3600円台を割れた場合には3500円半ば辺りまで水準を切り下げる展開も。
※参考:金プラチナ国内価格9/26とチャート
2016年9月26日(月)時点の相場
国内金:4,643 円 9/26(月) ▲1(0.02%)
国内プラチナ:3,677 円 9/26(月) ▼8(0.22%)
NY金:1,341.7 ドル 9/23(金) ▼3.0(0.22%)
NYプラチナ:1,057.0 ドル 9/23(金) ▼5.8(0.55%)
ドル円:101.03 円 9/23(金) ▲0.28(0.28%)
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