更新日:2016年9月22日(木)
FF金利引き上げに向けての論拠は強まっているとしながらも、さらなる証拠を待ち続けることを選択したFOMC。大方の予想どおりでもあり、1週間ほど前に予想した票読みどおり3名の連銀総裁が利上げ支持、9月利上げに意欲を見せていた主要メンバー3名は案の定、寝返って浮動層2名と明確な反対派2名とともに据え置き支持で結果7対3での現状維持。
この結果、12月には8対2、もしくは6対4(この確率は低い!)で追加利上げを決定する可能性が高まりそうです。
これには、さらなる証拠が必要とはなりますが、そうなる可能性のほうが高いと考えるメンバーのほうが多いことはドットチャートでも示されています。
2016年末のFF金利予想の中央値は、前回6月の0.875%からさらに低下して0.625%となりましたが、1回の利上げ予想ということになります。また、6月予想では中央値よりも平均値のほうが低かったのに対し、今回の平均値は0.654%で中央値を上回ります。
しかし、来年以降の利上げペース予想は一段と低下傾向となっています。2017年末予想中央値は1.125%で年2回、そのとおりなら実際のFF金利は1.25%へ。2018年末は1.875%で年3回、このとおりならFF金利は2.00%へ。2019年も同じペースで、長期見通しの2.875%(3.00%付近)に到達するのは4年後、東京オリンピック開催の年まで待つことになります。
わずか半年前、3月時点ではFF金利が3.00%に到達するのは2018年となっていました。わずか6カ月で2年の先送りです。さらに1年前の2015年3月時点では、FF金利が3.00%に到達するのは2017年と予想されていました。この間は1年で1年の先送りとなっていましたから、先送りペースも急速に拡大していることになります。
今後、先送りペースは多少鈍化したとしても、東京オリンピックの年にFF金利は3.00%に達していない可能性も十分考えられそうです。
むしろ、逆に利下げ見通しに転換している可能性も否定できません。
21日のNY金相場は1%の大幅高で3日続伸。日銀後のドル売りの流れを受けて1330ドル台へ、FOMC後には9日以来となる1340ドル台まで上昇。日米ともに現状維持となった政策発表直後には乱高下の反応も、いずれも緩和的な見通しに堅調推移の展開。結局この日も強めのサポートライン1310ドルまで下げて反発に転じた格好。上昇基調を維持する90日移動平均線にも支えられて反発した勢いで下落基調が続く21日までの短期移動平均線をまとめてゴールデンクロス。1310ドルから1360ドルまでの広めのレンジ内で地合い好転へ、いずれ上限との攻防が予想され、突破できれば今年高値更新へ。
NYプラチナ相場は1.65%の大幅高となって3日続伸。金に追随する流れで値幅は金を上回る急騰となり、FOMC前に勢い余って予想どおりの1060ドル(寸前)まで上昇。しかしゆるやかに下落し始める90日移動平均線に上値を押さえられ、1060ドル付近はちょっとした抵抗水準。流れは上向きつつあり、1050-60ドルの水準を抜けると次は1100ドルの攻防ラインへ。
ドル円は1.39%の大幅ドル安円高となって3日続落、8月23日(100.24)以来1カ月ぶりの円高水準に。日銀のマイナス金利深掘り回避を好感した株高に連れて102円70銭台まで上昇も、持ち合い上限付近で頭打ち。やや説得力に欠ける黒田日銀総裁会見スタートとともに反落すると、予想どおりの現状維持となったFOMCをスルーして前日の下抜けの兆しどおりの展開で目安水準100円付近に到達。そして祝日の今朝には100円割れを試しそうな状況に。6月安値と8月安値に続き、3番底をつけに行きそうな展開も。今後、12月利上げに向けてさらなる証拠が出現するならトリプルボトム形成への可能性を残し、証拠が見つからない状態が長引くようなら新たに安値更新(円高水準更新)へと向かう可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/21終値とチャート
2016年9月22日(木)時点の相場
国内金:4,608 円 9/21(水) ▼6(0.13%)
国内プラチナ:3,628 円 9/21(水) ▲22(0.61%)
NY金:1,331.4 ドル 9/21(水) ▲13.2(1.00%)
NYプラチナ:1,047.9 ドル 9/21(水) ▲17.0(1.65%)
ドル円:100.30 円 9/21(水) ▼1.41(1.39%)
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