更新日:2016年12月13日(火)
NY連銀が発表した11月の1年期待インフレ中央値は、2.54%となり、10月の2.59%からは低下しました。2013年の3%台から低下傾向が続き、今年1月には2.42%まで低下、以降、若干の反発も概ね横ばい推移傾向が続く状況となり、9月には2.50%まで再び急落、11月はそれ以来の低水準となり、近年最低レベルの水準にとどまる状態です。
先日発表されたミシガン大1年期待インフレも低迷が続いています。12月速報値では2.3%まで低下し、2010年9月の2.2%以来、6年3カ月ぶりの低水準となっています。
なお、ミシガン大の数値では、11月の米大統領選後に発表された11月速報値では2.7%へと急反発の兆しも見られましたが、後日2.4%へと大幅下方修正されたことにより、今年夏場以降の低下傾向が鮮明となっています。
なお、昨年同時期、11月のNY連銀一年期待インフレは2.55%、ミシガン大の1年期待インフレは11月が2.7%、12月は2.6%。
トランプ期待によって株高・ドル高の勢いは続きますが、インフレ期待は高まることなく、むしろ低下傾向が目立ち始めています。
FOMCでのインフレ見通しにも影響を与える可能性もあり、来年の利上げ見通し上昇、とはならない可能性のほうが高そうに見えます。
12日のNY金相場は0.34%の小幅高となり、3営業日ぶりの反発。米10年債利回り上昇とドル高の流れが続いた欧州市場序盤までは売り継続、一時2月5日(1145.5)以来10カ月ぶり安値水準となる1152ドルまで下落。FOMC直前ということもあり、金利上昇一服でドル高も失速、調整の動きとなったNY市場にかけて金は買い戻し。結果的に下値目安1140ドル付近の少し手前で下げ渋り。価格下落に対してRSIは底値反転のダイバージェンス状態は続き、流れはいつ好転してもおかしくはない状況も、上値も重い。当面の抵抗水準1180ドルラインを突破できればそれなりの上昇幅も見込めそうな展開にも。しかし、目先は1140ドル近辺までの下値再トライも想定される。
NYプラチナ相場は2.04%の大幅反発。しかし、先週末の大幅下落分を取り戻せず、上昇トレンド腰折れからの巻き戻しまでには至らず。流れはわずかに上方向優勢の状況も、950ドルラインが強めの抵抗線として存在し、下方向は900ドル付近までの広めのレンジで保ち合い状態に。上方ブレイクできれば980ドル付近が次の上値目標に、下方ブレイクなら870ドル近辺まで下値余地拡大へ。
ドル円は0.25%の小幅調整で3日ぶりの反落。しかし、東京市場朝には株高の流れとともに目標水準115円半ばに早々と到達すると、夕方までの揉み合い状態を経て欧州市場序盤には一段高となり、一時2月8日(117.52)以来10カ月ぶりとなる116円台にタッチ。その後は米10年債利回り低下にも連れて失速。RSIはピークを過ぎて低下傾向となる逆行状態が続き、普通なら調整局面入り必至の状況ながら、FOMCを通過するまでは異常なドル高の流れはそう簡単には変わらない状況か。再度上値トライの流れが加速すると116円台半ばまでの上昇余地も。調整局面進行の場合には113円半ばがサポートラインに。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/12終値とチャート
13日の国内金価格は0.07%の小幅続伸。FOMC前となり、保ち合いレンジ内での膠着状態はさらに継続、時間調整によって下方リスクも徐々に緩和され、目先は4620円と4580円が上下の節目に。あらためて下限を割り込めば4510円前後が下値目安となり、上方ブレイクの場合には大きな流れが発生する可能性もあり、当面の上値余地は4700円台後半へと大幅拡大も。
プラチナ価格は1.38%の大幅反発。9日移動平均線がサポートラインとなった形で11月半ば以降の上昇トレンドを維持。下方向へと傾斜中の90日移動平均線も再度上抜け、中期トレンド持ち直しへの可能性もつないだ状態。目先、3700円の節目を上抜けできれば次の上値目安は3740円台辺りまで、3630円台を割り込んだ場合には3570円台辺りまで調整余地拡大へ。
※参考:金プラチナ国内価格12/13とチャート
2016年12月13日(火)時点の相場
国内金:4,595 円 12/13(火) ▲3(0.07%)
国内プラチナ:3,685 円 12/13(火) ▲50(1.38%)
NY金:1,165.8 ドル 12/12(月) ▲3.9(0.34%)
NYプラチナ:933.7 ドル 12/12(月) ▲18.7(2.04%)
ドル円:115.02 円 12/12(月) ▼0.29(0.25%)
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