更新日:2017年1月4日(水)
3日に発表された財新の中国12月の製造業PMIが2013年1月以来、3年11カ月ぶりの高水準と予想を大幅に上振れ、その他主要国の製造業PMIでも好調な結果が目立ち、英国は2年半ぶり、ユーロ圏は5年8カ月ぶり、ロシアは5年9カ月ぶり高水準。インドやブラジル、トルコ(47.7)など新興国勢の低迷がやや気になるものの、やや警戒された年初の波乱はなく、米国の12月ISM製造業景況指数も2年ぶりの高水準。新規受注と生産、価格指数などは60ポイント超の高水準となり、雇用指数も53.1と1年半ぶりの高水準となり、今週末の雇用統計に向けても好材料に。
2017年の金融市場はリスク選好の流れ優勢となってスタート。
年末に失速していたNYダウも2万ドル再トライに向けて一時19930ドル台まで上昇し、英FTSEは年末からの過去最高値更新が継続するなど株高基調。
やはり年末には調整気味となっていた米10年債利回りも一時2.51%台まで上昇し、ドル高基調をサポート。
ドルインデックスは一時2002年12月以来14年ぶり高値水準となる103.79まで上昇、これに伴いユーロドルは2003年1月以来、14年ぶりの安値水準となる1.0340ドル台へ。
NY原油相場も2015年7月6日(56.8)以来1年半ぶりとなる55ドル台の高値水準まで上昇するリスクオン状態。
この流れを受けてNY金相場は軟調推移の滑り出しとなったものの、NY市場ではリスク選好の巻き戻しの流れが強まったこともあって急反発。
結果的にドル円などでもドル高を維持した形となり、同時に金も調整幅を上回る反発となって金高を維持して2017年のスタートを切った形。トランプ相場再開とも思われたリスクオンの流れもそれほど勢いは続かず、波乱もなく適度なご祝儀相場に。
過去3年間の1月相場は、ドル円は2勝1敗(2016年は+0.6%で勝ち)、NY金は3連勝(2016年は+5.3%)、NYプラチナは2勝1敗(2016年は-2.0%で敗け)。
この結果、国内金価格は3連勝(2016年は+2.6%)、プラチナ価格は3連敗(2016年は-4.3%)中。
昨年1月の月間騰落状況でも、ドル高円安でも金高となっていました。2017年1月もこの傾向を示唆するような展開でスタートし、やや分が悪いプラチナは、このところの売られ過ぎ状態からの大幅反発で国内価格の連敗脱出をかけてのスタートダッシュとなっています。
3日のNY金相場は0.89%高、2017年は反発スタート。年初の中国他主要国の製造業景況指数が好結果となったことなどもあり、リスク選好優勢の流れで3日の欧州市場からドル買いの勢いが強まると金は1140ドル台半ばへと軟調推移。しかし、2年ぶり高水準となった米12月ISM製造業景況指数の確認後はドル買いの流れが急速に巻き戻されたことで金は1160ドル台へと急反発、昨年末の上値目安1170ドル近辺に迫る1166ドルまで上昇したところで失速。目先は1150ドルをサポートラインとして1180ドル近辺までもう一段の上値余地も。ただしサポートライン割れの場合には1130ドル前後まで反落の可能性も。
NYプラチナ相場は42.6ドル、4.72%の急騰で続伸。上昇幅としては2016年3月4日の43.6ドル(4.63%)に次ぐ水準、上昇率では2012年以降では最大となり、昨年11月17日(945.1)以来、1カ月半ぶりの水準に到達。年末の三角保ち合い上抜けの兆しに伴い年初から上値トライの流れでスタート。2日のドイツDAX急騰とともに時間外で910ドル台、3日のNY市場朝には948.8ドルまで急騰、やや行き過ぎの展開から今朝の時間外では上値目安930ドル付近に収束。それでも当面の主要レンジ上限を930ドルから940ドル台へと押し上げた形となり、下限890ドルまでの間で方向性を模索する展開へ。
ドル円は0.66%のドル高円安で続伸。年初の経済指標に波乱なく、年末のドル高調整の流れから一転、トランプ相場再開の兆しを思わせる堅調推移となったドル円は欧州市場で118円台を回復すると、米12月ISM製造業景況指数の上振れに伴い、12月15日高値118円60銭台まで急騰。しかし、トランプ相場のこれまでの高値でもあるこの水準で上値を押さえられた形となり、米長期金利の失速、ドルインデックスの反落、原油相場の急反落などとともに失速。ただし117円台前半では再びドル買いの流れが強まると、今朝の東京市場では再び118円台を回復。上値トライへの抵抗水準となりつつある118円60銭台を超えることができれば119円台半ばまでは上値を切り上げる展開も。円高方向へは116円半ばが重要な節目水準となり、下抜けた場合には大幅調整も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/3終値とチャート
4日の国内金価格は0.88%の大幅高となり昨年末から4日続伸。NY金の堅調推移と円安同時進行という年初のレアケースで9月12日(4694)以来ほぼ4カ月弱ぶりの高値水準に。1カ月半に渡る保ち合い上方ブレイクに伴う上値トライの勢いはもう少し残されている可能性があり、4720円台が当面の上値目安。
プラチナ価格は3.52%の大幅反発。NYプラチナの急騰に円安が加わり、若干の下値余地を残していた状態は一気に巻き戻され、反発方向への節目3670円台を大きく上抜け、9月9日(3826)以来4カ月ぶりの高値水準。反発の上値目安3730円台辺りを大きくオーバーランした形となり、若干の調整も。
※参考:金プラチナ国内価格1/4とチャート
2017年1月4日(水)時点の相場
国内金:4,690 円 1/4(水) ▲41(0.88%)
国内プラチナ:3,768 円 1/4(水) ▲128(3.52%)
NY金:1,162.0 ドル 1/3(火) ▲10.3(0.89%)
NYプラチナ:944.2 ドル 1/3(火) ▲42.6(4.72%)
ドル円:117.74 円 1/3(火) ▲0.77(0.66%)
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