更新日:2017年2月7日(火)
FRBが発表した1月の労働市場情勢指数(LMCI)は+1.3。12月の+0.6(-0.3から上方修正)から小幅に改善。9-11月までは合計-1.3ポイントの下方修正、2-8月は合計+4.1ポイントの上方修正。雇用統計の年次改訂の影響もあってかここ数年分には比較的大幅修正が加えられています。
それでも基本的な基調は変わらず、2014年前半をピークに低下傾向が続き、2016年半ばのマイナス圏をボトムに反発基調も右肩下がりの抵抗線は抜け切れない状態。
失業率は既に5%を下回り、完全雇用の状態と言われるなかでも労働参加率は低く、完全失業率(U6失業率)には低下余地が残され、賃金上昇率も勢いを欠く状態にあり、労働市場の回復基調は続くなかでも、たるみが残る状態も続きます。
雇用者数の伸びも前月比+10万人台でOKとも言われ始めていた状態から、トランプ政権ではさらなる増加を目指す方針が示されたことで、現状では低下傾向が続くNFP3カ月平均の推移も、徐々に上向くことが求められます。
オバマ時代終了月となった1月時点では、低迷状態脱出をかけて抵抗線との攻防状態にあるLMCIは、トランプ時代に入ってこれを上抜け、平均的に+5ポイント付近まで水準を切り上げるかどうかがひとつの目安となりそうです。
合わせてNFPの3カ月平均も+20万人を超え、20万人台半ば以上へと水準を切り上げられるかどうかもトランプ政権の成否の目安になります。
6日のNY金相場は1.12%の大幅高で3営業日続伸となり11月10日(1266.4)以来、3カ月ぶりの高値水準に到達。先週末時点で9月末以来4カ月ぶりに90日移動平均線を上抜け、年初来の抵抗水準となっていた1220ドルラインも超えたことにより、ようやく上方視界も開けて来た形。目先の上値余地は1250ドル近辺まで。上方向への勢いは徐々に強まる状況ながら、90日移動平均線は右肩下がりの状態が続き、中期トレンドが上向くまでにはもう少しの時間かもしくは大きなきっかけが必要。
NYプラチナ相場は0.74%の続伸。週明け時間外からの堅調推移が続き、1010ドルの抵抗水準上抜けトライに成功、終値ベースでは9月30日(1028.6)以来4カ月ぶりの高値水準。200日移動平均線上抜けも10月3日以来の4カ月ぶり。目先の上値目標は1040ドル近辺まで。960ドル付近でようやく下げ止まりつつある90日移動平均線が水平状態の200日移動平均線を上抜けるまで現状水準以上を維持出来れば中長期的な流れが大きく変わることにも。
ドル円は0.78%のドル安円高となって3営業日続落。明確な材料が新たに発生した訳ではないものの、トランプ政策不安や為替牽制への警戒感、欧州政局不安などが続きリスク回避ムードが払拭できない状況。1月後半から米10年債利回りは低下、日本の10年債利回りは上昇傾向が続き、日米金利差縮小とともにドル安円高基調も継続。10月初旬以来4カ月ぶりとなる90日移動平均線割れも目前の水準となり、引き続き111円前後までの円高進行は見込まれる状態。ただし、新たな材料がなければ右肩上がりの90日移動平均線にサポートされる可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/6終値とチャート
7日の国内金価格は0.3%の小幅続伸。ゆっくりと短期上昇局面を形成し始め、年初来高値更新と4790円付近までの上昇も見込まれる状態。短期的にはNY金との連動状態が強い状態ながら、そのNY金の勢いはそれほど強くなく、円高基調がさらにこれを緩和する状態にあり、中長期期抵抗線上抜けと中期トレンド転換をかけた攻防もまだしばらく続きそうな状況。
プラチナ価格は0.41%の続伸で近年の主要レンジ上限3900円ラインを再び上抜け。しかし、2日の3906円は超えられず、この近辺での抵抗感は根強く残る状態。下値はさらに切り上げ、フラッグの三角保ち合い先端部分を形成しつつあり、急騰か急反落かという局面を迎えそうな状況に。3910円突破なら4000円台を目指す上昇局面形成へ、3870円台を割り込んだ場合には12月高値水準3750円近辺を下値目安に反落局面形成の可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格2/7とチャート
2017年2月7日(火)時点の相場
国内金:4,747 円 2/7(火) ▲14(0.30%)
国内プラチナ:3,904 円 2/7(火) ▲16(0.41%)
NY金:1,232.1 ドル 2/6(月) ▲13.6(1.12%)
NYプラチナ:1,014.1 ドル 2/6(月) ▲7.4(0.74%)
ドル円:111.74 円 2/6(月) ▼0.88(0.78%)
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