更新日:2017年2月28日(火)
米商務省が発表した1月の耐久財受注関連で、GDPの設備投資算出に使用されるコア資本財(非国防資本財から航空機を除いた数値)の出荷は前月比-0.6%となりました。1年5カ月ぶりの高水準となった12月の+1.6%(+1.0%から上方修正)からは急失速、半年ぶりの低水準となっています。3カ月平均では12カ月連続のマイナス推移後のプラス圏回復を4カ月連続維持も12月の+0.7%から+0.6%へと失速。
耐久財受注は前月比+1.8%と3カ月ぶりのプラス圏を回復しましたが、変動の大きい輸送機器を除く耐久財受注は-0.2%となり、12月の+0.9%から7カ月ぶりのマイナス圏へと急失速。民間設備投資の先行指標となるコア資本財(非国防資本財から航空機を除いた数値)の受注も12月の+1.1%から1月は-0.4%となり、4カ月ぶりにマイナス圏へと失速。
いずれも回復基調は維持するものの、1月には急失速する形となっています。
また、この日発表されたダラス連銀の2月製造業活動指数は+24.5となり、2006年4月(24.7)以来10年10カ月ぶりの高水準となりました。2年近く続いたマイナス圏での低迷状態から6カ月続伸の急回復基調が鮮明となっています。そのダラス連銀のカプラン総裁からは、早期利上げを支持するタカ派発言も聞かれます。
なお、製造業関連の1月の全米指数は先日のシカゴ連銀全米活動指数に続く失速状態を示したことになり、2月の主要地区連銀の景況感は軒並み数年ぶりの高水準へと好調を維持する状況と、ややチグハグな状況が続きます。
そんな状況下で、トランプ政策期待で12連騰となったNYダウに対し、期待感も高まらず膠着状態が続くドル円と、こちらもチグハグな状況が続きます。
27日のNY金相場は0.04%の小幅高で3日続伸。トランプ演説への期待と不安が交錯するなかでの膠着状態から、ややドル売り優勢となったNY序盤には1260ドル台半ばまで上昇し、わずかに高値更新。しかし、トランプ大統領のインフラ投資に関する発表予告発言やカプラン米ダラス連銀総の早期利上げ支持発言などもあり、米10年債利回り上昇とドル買い戻しに伴い、今朝にかけては1250ドル台前半まで反落。上値目安1270ドル近辺にあとわずかのところまで上昇したことによる一服感も。好感と失望が交錯することも予想されるトランプ演説には乱高下の反応も予想され、再度1270ドル近辺、あるいは一時的には突き抜けるような展開もあり得るか。ただし、失望感がそれほど大きくなければ調整局面拡大も。目先しばらくは1230ドルまでが比較的堅めのサポート水準に。
NYプラチナ相場は0.99%の大幅高で3日続伸。NY市場午前の上昇局面では1030ドル近辺から1047.8ドルまで急騰し、上値目標1050ドル近辺にほぼ到達。終値ベースでも9月26日(1042.9)以来5カ月ぶりの高値更新も、今朝にかけての反落局面では1030ドル前後と元の水準へ。一服感もありながら、ダブルトップも警戒された1032ドルの水準を一度大きく上抜けたことで、この水準での抵抗感はなくなり、上値トライ再開への可能性も。調整局面入りの場合には1000ドルラインがサポート水準に。
ドル円は0.49%のドル高円安となり、4日ぶりの反発。先週末安値となった111円90銭台を何度か試して割れなかったことがNY市場での長期金利上昇に伴う反発局面を後押し。4カ月半ぶりに割り込んだ90日移動平均線にもサポートされる形に。不透明感漂うなかでも若干の期待感も伴うトランプ演説と、週末に予定されるブラックアウト期間前最後のイエレンFRB議長発言への期待感もあり、112円割れでのドル売りはやや厳しい状況に。ドル高方向には113円台後半まででは上値を押さえられやすく、突破できれば115円台も。改めて112円割れへとドル売り加速なら年初来安値更新で111円近辺までの下押しも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/27終値とチャート
28日の国内金価格は0.27%の反発で7月20日(4856)以来、7カ月ぶりの高値水準。今年高値圏での保ち合い状態からようやく上方ブレイクした形となり、上昇トレンドがもう一段進行する可能性が高まる状況に。目先、波乱要素を抱えるイベントではポジティブ・サプライズの可能性は低いと思われ、どちらかと言えば期待感剥落も。ただし、期待感からのドル高とはなっていなかったことから、大幅なドル安円高とはなり難く、不透明感から底堅く推移してきたNY金の一段高は想定されやすい状況か。そうなれば当面の上値目標4910円近辺にも比較的早期到達の可能性も。逆の展開なら重要なサポート水準4790円が意識される。
月間ベースでは+173円(3.7%)。昨年2月(+227円、4.98%)以来1年ぶりの大幅高となり、2015年1月まで以来2年ぶりの3カ月続伸。
プラチナ価格も0.53%高となり3日続伸。8月12日(4014)以来6カ月半ぶりの高値水準を更新。レンジ幅拡大傾向の保ち合い状態のなかでのレンジ幅拡大局面から、本格的に上昇基調再開へと向かい始めた可能性が高まり、当面の上値目標は昨年7月高値4072円超え。今朝のNYプラチナの失速や不安定なドル円の動向には一抹の不安も憶えるものの、3900円台を維持する限りは上値トライのチャンスはしばらく継続か。ただし3870円の節目は割れてはならない重要水準。
月間では+110円(2.84%)。急落直前の2014年7月以来、2年7カ月ぶりとなる4カ月続伸。
※参考:金プラチナ国内価格2/28とチャート
2017年2月28日(火)時点の相場
国内金:4,850 円 2/28(火) ▲13(0.27%)
国内プラチナ:3,980 円 2/28(火) ▲21(0.53%)
NY金:1,258.8 ドル 2/27(月) ▲0.5(0.04%)
NYプラチナ:1,038.9 ドル 2/27(月) ▲10.2(0.99%)
ドル円:112.69 円 2/27(月) ▲0.55(0.49%)
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