更新日:2017年9月4日(月)
9月9日の建国記念日が警戒されていた北朝鮮の核実験が前倒しされ、日曜昼間に強行されたことで再び地政学リスクが高まる週明けを迎えています。NY市場がレイバーデーの祝日で3連休となる中日、先日の早朝時間帯でのミサイル発射といい、マーケットのクローズ時間や空白の時間帯を狙って相場急変をもたらす、意図的な匂いも感じざるを得ません。
北朝鮮側が「大陸間弾道弾(ICBM)の核弾頭用の水爆実験に成功」と表明したことで、レッドライン超えへの警戒感も高まるところとなり、地政学的リスクへの警戒感も高止まりの様相です。これに伴い、安全資産の金買い意欲も高止まり、NY金は2011年来の長期下落トレンドのレジスタンスラインを超え、さらに堅調推移が続く状態となり、長期トレンド転換への流れが続きます。
NY金のレジスタンスライン超えは構いませんが、北朝鮮のレッドライン超え(の疑い)は非常に憂慮される事態であり、これを巡っての軍事行動への発展は、それこそ本当に超えてはならないレッドラインとも言えます。
核弾頭搭載のICBMはまだ完成の段階には至らず、との見方もあり、レッドラインもまだ超えてはいないと見るべき状況かもしれませんが、様々な予想外の展開、事態を想定し、備えておくべき状況となってきているのかもしれません。
4日の国内金価格は0.86%の大幅高となり7日続伸、2015年6月22日(5070)以来、2年2カ月半ぶりの高値水準に到達。7日続伸は2月の8日続伸以来半年ぶりで今年2回め。7日続伸以上が年2回となるのは2013年以来4年ぶり。先週末1330ドルのNY金は週明け時間外に1340ドル台へと急騰スタートで高止まり。為替は円高でオセアニア市場では109円前半の急落スタート、東京市場では一時109円90銭台まで戻す場面も。この値動きの違いによって国内金価格は大きく押し上げられ、それぞれ現状のトレンドを象徴している様子も。散発的な地政学的リスクではない、との思惑からNY金は買われやすく売り難い状況となって堅調推移を維持。これに対して米長期金利もドルインデックスも、ドル円も中長期的な節目水準で下げ渋る状態にあり、トレンド転換後の流れが北朝鮮リスクによって抑制される状況。
短中期的には次なる高値目安として2015年6月高値5101円も意識されるところだが、この近辺は月足チャートで見る中期上昇チャネル上限となり、上値を押さえられやすいところ。また、ここまでの急騰局面からの調整では大幅反落も生じやすく、7月以降の上昇幅に対する23.6%戻しでも4977円。5000円割れから4980円程度までの調整は見込まれやすい状況か。
プラチナ価格も1.03%の大幅高となって5日続伸、3月7日(3845)以来半年ぶりの高値水準。NYプラチナが先週末の1010ドル付近での揉み合いから1010ドル台後半へと水準を切り上げて国内価格上昇をサポート。到達確率は極めて低いと思われた短期上値目標3830円台に急接近する予想外の展開に。目標水準到達への可能性もにわかに高まる状況となってきたものの、3800円台半ばは中長期的に上値を押さえられやすい水準でもあり、やはり大幅調整も。今年安値となった6月安値3529円からの上昇幅に対する23.6%戻しは3751円。
月足チャートでは2015年秋のVWショックによる急落以降、大きな三角保ち合いを形成中。今後、3800円台半ばを上抜けるようなら長期トレンド転換の可能性も。さらに2016年7月高値を超える展開となった場合にはダブルボトム完成で長期的な上値最大目標は4700円台も。
※参考:金プラチナ国内価格9/4とチャート
2017年9月4日(月)時点の相場
国内金:5,045 円 9/4(月) ▲43(0.86%)
国内プラチナ:3,819 円 9/4(月) ▲39(1.03%)
NY金:1,330.4 ドル 9/1(金) ▲8.2(0.62%)
NYプラチナ:1,009.0 ドル 9/1(金) ▲10.5(1.05%)
ドル円:110.26 円 9/1(金) ▲0.30(0.27%)
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