更新日:2017年9月2日(土)
米労働省発表の8月雇用統計では、平均時給は26.39ドルとなり、7月の26.36ドルからは0.11%の増加。前月比での賃金上昇率は3月の0.11%以来5カ月ぶりの低調な伸び率。
前年比では+2.53%で7月から変わらず。5月に1年2カ月ぶり低水準となる前年比+2.46%となって以降は+2.5%台での低迷が続きます。賃金上昇率が前月比でも前年比でも市場予想を下回る低調な結果となり、非農業部門雇用者数(NFP)の伸びも下振れ、失業率も悪化したことも合わせてネガティブ・サプライズとなりました。
この結果を受けて米長期金利の急低下、ドル売りの流れが強まり、NY金はほぼ1年ぶりとなる1330ドル台へと水準を切り上げました。
なお、雇用統計で発表されるNFPは速報値の為、後日修正されることにはなりますが、8月のNFPが市場予想を下回るのはこれで少なくとも5年連続となります。
今年2017年8月は+18万人程度の予想に対して結果は+15.6万人。
2016年8月は+18万人の予想に対して+15.1万人。
2015年8月は市場予想+22万人に対して+17.3万人。
2014年8月は前月比+23万人の予想を大幅に下回る+14.2万人。
2013年8月も+18万人の予想に対して結果は+16.9万人。
2011年から2016年までの平均値を月別に比較すると、8月は+18.5万人となり、全体平均の+20.1万人を下回ります。(※後日修正を含む最新確定値で計算)
夏休みシーズンということもあり、季節要因も想定されますが、7月は+18.0万人、5月は+17.5万人と8月を下回る月もあり、1月と12月も19万人台とそれほど変わらないレベル。
来年も8月の雇用統計はネガティブ・サプライズに要注意?かもしれません。
1日のNY金相場は0.62%の続伸で今年高値を更新。2016年9月27日(1330.4)以来11カ月ぶりに1330ドル台へと水準を切り上げ、低調となった8月雇用統計直後の急騰局面では一時1330ドル台半ばまで上昇、11月9日米大統領選の日に急騰してつけた高値1338.3ドルに次ぐ水準。その後発表された8月のISM製造業景況指数が6年4カ月ぶりの高水準となるなどして1320ドル付近まで急反落する場面もあったものの結果的には1330ドル台に戻して終了。短期的には上値目標1330ドル近辺に完全に到達し、米長期金利低下とドル安の流れに反発の兆しも見られることからも一服感も生じやすいところ。ただ、中長期的には最近の上限となり続けた1300ドルラインをしっかりと上抜けた形となり、上昇トレンドが再開した可能性も。2016年高値1370ドル台が次の中期的な節目水準となり、これを超えると1400ドル台半ば辺りを目指す展開となる可能性も。
週間ベースでは+32.5ドル(2.5%)で続伸。1月30日からの週(+30.1ドル、2.53%)以来7カ月ぶりの大幅上昇。
NYプラチナ相場は1.05%の大幅続伸。1000ドルの大台ラインを挟んでの揉み合い状態となった時間外から、NY市場朝に1010ドルまで急騰すると、その後の乱高下局面でも大台を割れることなく今度は1010ドルをはさんでの揉み合い状態となって週末に。1000ドル前後の節目を上抜けた形となり、短期的には1020ドル台へともう一段上値を切り上げる可能性も。990ドル台が目先のサポートラインとなり、反落の展開で下抜けた場合には970ドル前後が次のサポート水準。
週間ベースでは+29.9ドル(3.05%)と大幅反発。
ドル円は0.27%のドル高円安で110円台へと小幅反発。雇用統計下振れで109円50銭台、ISM製造業景況指数上振れでは110円40銭台までの乱高下。保ち合い状態となってきた週後半のレンジ上下限を試す形となって双方ともに抜け切れず。8月29日安値108円20銭台を底値に反発局面入りした流れは、110円半ばでしっかりと上値を押さえられてしまった状態に。12月利上げ織り込み度合いが40%弱にとどまる状況となっては反発力も限定的に。目先、110円台後半へと抜け出すことができれば111円前半までが次の上値目安に。109円台後半から半ばへと反落なら108円台後半が次の下値目安に。
週間ベースでは+0.94円(0.86%)となって3週続伸。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/1終値とチャート
2017年9月2日(土)時点の相場
国内金:5,002 円 9/1(金) ▲40(0.81%)
国内プラチナ:3,780 円 9/1(金) ▲15(0.40%)
NY金:1,330.4 ドル 9/1(金) ▲8.2(0.62%)
NYプラチナ:1,009.0 ドル 9/1(金) ▲10.5(1.05%)
ドル円:110.26 円 9/1(金) ▲0.30(0.27%)
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