更新日:2017年9月14日(木)
米労働省が発表した8月の生産者物価指数(PPI)は前年同月比で+2.4%。急低下した7月の+1.9%から反発して2%台を回復、5月(+2.4%)以来3カ月ぶりの高水準となりました。ハリケーン「ハービー」の影響によるガソリン価格の値上がりが貢献したようですが、市場予想の+2.5%には届かず、市場にはやや期待はずれ感もあった様子です。
食品とエネルギーを除いたコアPPIは前年同月比+2.0%となり、これも+1.8%まで落ち込んだ7月から反発して2%を回復、5月(+2.1%)以来3カ月ぶりの水準に。
ただし、コアPPIからさらに貿易サービスも除いたコア指数(コアPPI2)では前年比+1.9%にとどまり、7月から横ばい推移となっています。5月の+2.1%がピークとなって反落した流れがまだ続く状況です。
ドル安が価格上昇につながる貿易サービスを除くと、8月の生産者物価上昇率は加速していないことになります。
市場の注目は今晩の消費者物価指数(CPI)へと移りますが、最近ではPPIとCPIとの連動性が弱まるなかでも、PPIが8月に一応下げ止まったことで、減速状態が続くCPIにも下げ止まりの兆しが見られるかどうか、が注目されます。
8月CPIの市場予想としては、7月から0.1ポイントの上昇に対して、コアCPIは0.1ポイント低下でさらなる減速が予想されています。
コアCPIが市場予想どおり、前年比+1.6%となった場合、2015年1月(+1.6%)以来、2年8カ月ぶりの低水準となります。
市場予想どおりとなった場合でも、市場反応としては、かなりネガティブな受け止め方をする可能性もありそうです。
13日のNY金相場は0.35%安となって3日続落。時間外での下げ渋りもNY市場朝から米長期金利上昇とドル高の流れが加速し始めると失速、8月31日以来2週間ぶりの1330ドル割れ。調整局面入りした流れは続き、これまでの上昇トレンドをサポートしてきた20日移動平均(1316.1)付近まで、もう少しの下げ余地も。週末にかけての米経済指標結果によっては上下に振られる展開も。ポジティブ・サプライズな指標が飛び出すようなら、少し行き過ぎて38.2%戻しとなる1300ドル付近が次のサポートに。
NYプラチナ相場は0.33%安で4日続落となり、8月25日(979.1)以来ほぼ3週間ぶりの安値水準に。短期的な下値目安としては8月後半の保ち合い下限となる970ドル近辺。ただし、週足では4月のピーク水準でも出現していた十字線の後の陰線を形成中。ある程度の下落幅も見込まれ、半値戻しと52週移動平均線が重なる960ドル付近が次のサポート水準候補に。
ドル円は0.29%のドル高円安となって3日続伸。ライアン米下院議長の「税制改革の概要を25日の週に公表」発言への期待感もあり、NY時間にはドル高の流れが急進。米10年債利回りが3週間ぶりの水準へと急反発の流れが続いたことで、ドル円は8月15日(110.67)以来ほぼ1カ月ぶりのドル高円安水準となる110円半ばを回復。短期上値目安110円台前半に完全に到達し、今朝の東京市場では110円台後半へと堅調推移。今晩の米CPIが好結果となるようなら、この夏の下落幅の半値戻しとなる110円90銭台が目先の節目となり、これを超えると61.8%戻しとなる111円70銭台が次の上値目標にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/13終値とチャート
14日の国内金価格は3日ぶりの反落で0.4%安。NY金の調整とドル高円安の流れで方向感喪失気味となり、前日の急騰は一時的な上振れに過ぎなかった可能性が高まり、高値圏での保ち合いを形成し始めた様子。あらためて今年高値5045円を上抜けるようなら、上値トライ再開の流れとなって5090円近辺までが上値目安に。4980円のサポート水準を割れると下落基調加速で4900円前後までが下値目安に。
プラチナ価格は0.32%の反落。調整局面からの反発も続かず、調整進行も限定的、しかし流れとしては既に調整局面が進行中と見るべき状態か。直近安値3736円を下回れば、一段安の流れとなって8月の保ち合い水準3690円前後までの下落は見込まれそうな状況。上方向には3800円台が当面の抵抗水準に。
※参考:金プラチナ国内価格9/14とチャート
2017年9月14日(木)時点の相場
国内金:5,021 円 9/14(木) ▼20(0.40%)
国内プラチナ:3,745 円 9/14(木) ▼12(0.32%)
NY金:1,328.0 ドル 9/13(水) ▼4.7(0.35%)
NYプラチナ:983.2 ドル 9/13(水) ▼3.3(0.33%)
ドル円:110.49 円 9/13(水) ▲0.32(0.29%)
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