更新日:2017年9月23日(土)
マークイットが発表した9月のユーロ圏製造業PMI速報値は58.2。8月の57.4からさらに上昇し、6年7カ月ぶり高水準となっています。
生産は59.5となって6年5カ月ぶりの高水準。新規受注も過去2カ月の伸びが鈍化していたこともあり、これも6年5カ月ぶりの伸び。
ユーロ高の影響で輸出の伸びはやや低下したものの、今後に向けては拡大の兆候も見られるようです。(※コンスタンシオECB副総裁の「最近のユーロ高による影響は限定的となる可能性」発言とも整合)
製造業の好業績は、雇用の記録的な上昇が支えとなっているようで、サービス業の雇用の伸び率が近年の高水準に近づいているのに対し、製造業では過去20年間で最大となった5月をはるかに上回る状態となっています。
また、今後の見通しは8月に8カ月ぶり低水準に落ち込んだ後、9月は3カ月ぶりに最高水準まで再上昇。
ドイツの製造業PMI速報値は60.6、生産は61.8、フランスの製造業PMI速報値は56.0、生産は57.5となり、いずれも6年5カ月ぶりの高水準。この2カ国がユーロ圏の好調を牽引する状態も続いています。
これに対し、米国のマークイット製造業PMIは9月速報値で53.0となり、8月の52.8からは小幅に上昇。しかし、金融危機後の平均的水準53.9を下回る水準での推移が継続。仕入れ価格のインフレ率は2012年12月以来となり、原材料価格上昇とハリケーンによる輸送コスト高騰なども供給面での混乱を招く結果となっているようです。
年初からの米欧格差の拡大傾向も継続し、今年のドル安傾向が続く一因となっている様子です。
なお、この日ムーディーズが英国の格付けを「Aa2」へと引き下げており、今後は英欧格差拡大も懸念されそうです。
22日のNY金相場は0.21%の小幅反発。東京市場朝の北朝鮮の金委員長声明報道を受け、米朝トップの罵倒合戦ヒートアップと次なる核実験などへの警戒感からリスク回避の流れとなって1300ドルへと反発。ロンドン、NY市場にかけては材料不足から1300ドルをはさんでの小幅保ち合い推移。1290ドルが下限となって反発した形も、現時点ではここまでの調整局面一服という状態。目先は保ち合い傾向からやや軟調優勢の展開が予想され、下方向には1280ドル近辺まで下振れの可能性も、上方向には1320ドルが当面の抵抗水準に。
週間ベースでは-27.7ドル(2.09%)の続落。2カ月半ぶりの大幅下落。
NYプラチナ相場は0.83%の大幅安で11日続落。長期的な安値2016年1月の811.4ドルに向けて流れが加速した2015年11月の12日続落に次ぐ一方的な下落局面を形成し、7月27日(926.4)以来2カ月ぶりの安値水準。東京時間での金の反発に連れて940ドル半ばへと反発もこれを維持できず、NY市場では930ドル台前半へと反落。救いとしては前日安値を下回らなかったことで、わずかながらも下げ止まりへの可能性を示したこと。RSIは10%と異常値を示す過熱状態にあり、自立反発も想定される状況に。上方向には90日移動平均線(951.6)までが反発の目安となり、下方向へは7月末安値圏920ドル近辺までが次の目安水準に。
週間ベースでは-39.7ドル(4.09%)と半年ぶりの大幅下落。2週連続4%の続落、4%以上の下落は今年4回目。
ドル円は0.43%のドル安円高となって6日ぶりの反落。東京市場午前の北朝鮮リスク再燃で112円半ばから111円60銭台まで1円弱の大幅下落となった後は、欧州市場にかけて112円台を回復し、その後は112円をはさんでの小幅揉み合い状態に。9月8日までの下落幅の61.8%戻しライン111円70銭台付近までの下押しとなり、格好の押し目もその勢いは限定的となった格好。9月8日以降はやや一方的な反発が続いていたことからも、もう一段の調整が入ってもおかしくはない状況か。目先、111円半ばのサポート水準までの再調整は入りやすく、112円半ばが抵抗水準となりつつある状態。ここを突破できれば113円半ば辺りまでの上値余地も。
週間ベースでは+1.15円(1.04%)で続伸。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/22終値とチャート
2017年9月23日(土)時点の相場
国内金:4,998 円 9/22(金) ▼24(0.48%)
国内プラチナ:3,650 円 9/22(金) ▼4(0.11%)
NY金:1,297.5 ドル 9/22(金) ▲2.7(0.21%)
NYプラチナ:932.1 ドル 9/22(金) ▼7.8(0.83%)
ドル円:112.01 円 9/22(金) ▼0.48(0.43%)
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