更新日:2017年10月13日(金)
米労働省が発表した9月の生産者物価指数(PPI)は前年同月比+2.6%となり、2012年2月(2.8%)以来5年7カ月ぶりの高水準へと加速しました。ただ、ガソリン価格が前年比+10%超の大幅上昇となっており、ハリケーンによる被害が大きく影響した模様。一時的な上昇との見方も強く、次月以降の動向を見極める必要もありそうです。
そのガソリンなどエネルギー関連と食品を除いたコアPPIでは、前年比+2.2%とこちらも2012年5月(2.2%)以来5年4カ月ぶりの高水準へとインフレ加速の兆しを示す結果となっています。
コアPPIは今年2月には前年比+1.3%と低調な伸びにとどまっていましたが、徐々に加速傾向となってきています。その要因の一つとして、輸入品の価格上昇につながるドル安傾向が挙げられます。ドルインデックスは今年、年初の103ポイント台からコンスタントに下落傾向が続き、9月には91.3ポイント台まで低下していました。
食品とエネルギー関連、さらに貿易サービスを除いたコアPPI2では、年初の前年比+1.8%程度から9月の+2.1%までとその加速度合いは限定的。ドル安による物価上昇の影響をあまり受けないコアPPI2は4カ月ぶりの高水準にとどまっています。
足下のドルインデックスは、9月上旬の91ポイント台から10月初旬の94ポイント手前まで反発して失速した状態ですが、年初からのドル安基調が緩和されたことにより、10月のPPI、コアPPIの押し上げ要因の一つが剥落することにもなりそうです。
インフレ上昇なら利上げ観測が強まってドル高傾向へ、しかしドル高はインフレ失速要因の一つともなり、PPIはインフレ上昇とドル安とのジレンマに陥ることになります。
12日のNY金相場は0.59%の反発で9月26日(1301.7)以来、半月ぶりの高値水準。ただし、24時間前からはほぼ変わらずの1290ドル台半ばでの横ばい推移。前日引け後のFOMC議事要旨を受けて水準を切り上げた勢いで時間外には一時1300ドル寸前まで上昇も、この大台ラインが抵抗水準となって上値を押さえられた格好に。それでもほぼ1カ月ぶりに20日移動平均線(1293.5)を上抜けて短期トレンド好転の兆し。この日の値幅は8ドルほどの小動きとなり、2日連続の10ドル未満とボラティリティは低下傾向にあり、トレンドが大きく変わる可能性が低下している状態。目先1300ドルラインが抵抗水準となり、今晩の米9月消費者物価指数が予想以上の好結果とならなければ、上方向優勢の流れ継続へ。いずれ1310ドル台の節目を突破するようなら1330ドル台が次の上値目標水準に。
NYプラチナ相場は0.92%の大幅反発となり、9月20日(945.4)以来3週間ぶりの水準を回復。24時間前の930ドル台後半からはわずかに水準を切り上げて、NY市場にかけても940ドルの抵抗水準との攻防。ここをしっかりと超えることができれば9月の下落局面の半値戻し(966.5)付近が次の上値目標に。なお、この日パリ市が2030年までに全てのガソリン車とディーゼル車を市内から追放する計画を表明。フランスとしては既に2040年までに化石燃料車の販売禁止目標を掲げており、EVへの流れを加速させる動きとなり、ディーゼル触媒需要低下見通しにつながり、プラチナ相場にとってのボディブローに。
ドル円は0.19%のドル安円高で小反落。112円台での小動きが続くなか、この日もわずかに上値を切り下げて東京朝方につけた112円50銭台が高値となり、米10年債利回り低下にも連れての軟調推移。米失業保険申請件数や生産者物価指数の好結果を受けての反発も限定的となり、北朝鮮での地震発生に関して米地質学研究所(USGS)が「自然か人工的か確認できず」と伝えられたことなども警戒感につながった様子。112円台前半の小幅保ち合い下抜けの兆しとなり、112円ラインを割り込む可能性もやや高まる状態に。今晩の米CPIの結果がそれほど好結果とならなければ調整局面加速の展開も、その場合の下値目安は111円近辺まで。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/12終値とチャート
13日の国内金価格は0.3%安となって4日ぶりの反落。反発の目安水準5020円近辺にあと一歩のところで失速し、短期トレンド好転に向けた流れも後退。目先、4980円前後までの水準で軟調気味の保ち合い傾向の展開も予想される状況に。切り返して5010円台が抵抗水準となる前に上抜けできるようなら、今年高値更新トライへと向う可能性もあり、その場合の目標水準は5050円台。
週間ベースでは+62円(1.26%)となって4週間ぶりの反発。
プラチナ価格は0.14%の小幅高となって5日続伸。21日から90日までの移動平均線が集中する3630円手前の水準をわずかながらも上抜けて反発基調継続の様相に。9月22日(3650)以来、3週間ぶりの水準となり、金との価格差も9月22日(1348)以来3週間ぶりの水準となる1367円まで縮小。過去最大となった10日の1415円からは急縮小傾向となり、価格差縮小とプラチナ価格反発の連動性が戻ってきた様子。9月の下落局面の38.2%戻し(3653)付近が次の上方向への節目に。
週間ベースでは+69円(1.94%)となり、5週間ぶりの反発。
※参考:金プラチナ国内価格10/13とチャート
2017年10月13日(金)時点の相場
国内金:4,998 円 10/13(金) ▼15(0.30%)
国内プラチナ:3,631 円 10/13(金) ▲5(0.14%)
NY金:1,296.5 ドル 10/12(木) ▲7.6(0.59%)
NYプラチナ:941.8 ドル 10/12(木) ▲8.6(0.92%)
ドル円:112.27 円 10/12(木) ▼0.22(0.19%)
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