更新日:2017年10月14日(土)
米労働省が発表した9月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比+2.2%。市場予想の+2.3%には届かずも8月の+1.9%からは上昇し、3カ月続伸となり年前半のインフレ低下からの反発基調が続きます。ガソリン価格が8月の前年比+10.4%に続き+10.6%と大幅上昇していることが上昇要因となり、ハリケーンの影響剥落後の動向が注視されるところです。
より重要視される、食品とエネルギー関連を除いたコアCPIは前年比+1.7%。市場予想の+1.8%を下回り、横ばい推移の状態が5カ月間続きます。こちらは年前半の低下傾向こそ止まったものの、反発の兆しは見られない状態が続きます。前年比+1.7%という水準は2011年6月以降の約6年間での最低+1.6%をわずかに0.1%上回る水準であり、近年最低水準の低インフレが半年程度続いている状態、ということになります。
内訳では、携帯電話サービスが8月の前年比-13.2%から9月には-11.7%と下げ幅縮小も依然大幅下落の状態。中古車の前年比-3.7%、航空運賃-3.1%なども物価下落状態が続きます。
なお、同時に米商務省が発表した9月の小売売上高も市場予想の前月比+1.7%を下回る+1.6%となったこともあり、米長期金利急低下、ドル売り急進の市場反応となりました。
ただし、小売売上高の+1.6%は2015年3月(+1.9)以来、2年半ぶりの高水準。自動車を除く小売売上高の9月も前月比+1.0%で市場予想の+0.9%を上回り、8カ月ぶりの高水準。
さらに、この後発表された10月のミシガン大消費者信頼感指数の速報値は101.1となり、市場予想の95.0を大幅に上回り、2004年1月(103.8)以来13年9カ月ぶりの高水準となりました。好調な消費センチメントを示す結果が続いたこともあり、ドル売りの流れは大きく買い戻され、ドル円も急落幅の半値戻しの展開となりました。
しかし、金価格は急騰後の水準を維持し、米10年債利回りも急低下した水準からの反発は極めて限定的となりました。
ミシガン大の1年期待インフレが9月の2.7%から10月は2.3%、10カ月ぶりの低水準へと急落したことも影響したようです。
好調な消費を好感する形で12月利上げ確率も80%台の高値圏を維持し、ドル売りの流れはある程度巻き戻された状態ですが、低インフレ継続を示唆する状況からは、来年に向けても利上げペース加速にはもう少し時間が必要、との思惑からか、米10年債利回りは2.4%手前での失速状態、NY金は1300ドル前後での堅調推移が続きそうな状況となっています。
13日のNY金相場は0.62%の続伸、9月25日(1,311.5)以来約3週間ぶりに1300ドル台へと上昇。時間外に一度1300ドルにワンタッチして元の水準1290ドル台半ばへと反落後、NY市場朝の米9月CPIが予想外に低調となったことを受けて1305ドル近辺まで10ドルほどの急騰。その後発表された10月ミシガン大消費者信頼感指数の好結果にも1300ドル台を割れることなく、堅調推移で終了。9月の下落幅の38.2%戻し(1300.8)を達成して短期トレンドも好転、目先は50%戻し(1312.6)前後が次の抵抗水準に。これを超えることができれば今年高値圏1330ドル台を目指す展開にも。
週間ベースでは+29.7ドル(2.33%)で5週間ぶりの反発。水平状態の52週移動平均線(1245.2)を大きく上回る水準で調整を終えて反発の兆し。
NYプラチナ相場は0.65%の続伸となり、9月19日(951.2)以来の水準。940ドルの抵抗水準を完全には抜け切れなかった状態から、NY朝には940ドル台後半へと小幅に急騰。節目を突破し、ほぼ水平状態の90日移動平均線(947.7)も約1カ月ぶりにわずかながら上抜け。もう一段の反発基調継続への可能性も高まり、当面の上値目標は9月の下落局面の半値戻し(966.5)付近まで。
週間ベースでは+31.2ドル(3.4%)で続伸。ゆるやかな下落基調が続く52週移動平均線(954.7)まであと少しの水準となり、中期トレンド好転をかけた攻防へ。
ドル円は0.36%のドル安円高となって続落。終値ベースでは9月25日(111.72)以来、ほぼ3週間ぶりの112円割れ。前日から既にスタートの兆しもあった下値トライへの流れが本格化し始めた可能性。東京市場から112円台前半での軟調推移が続き、国内総選挙絡みでは内閣支持率低下報道などもマイナス材料となって112円割れを試す場面もあり、NY市場では低調なインフレ指標を受けて112円20銭台から111円60銭台まで50銭超の急落。消費センチメント好調を示唆したミシガン大の指標を受けての反発でも112円には届かず、111円80銭台での揉み合い状態に。200日移動平均線(111.81)に支えられた状態ながら、112円ラインが抵抗水準となる可能性もあり、調整局面継続優勢の状況に。目先の下値目標水準は9月の上昇局面の38.2%戻し(111.10)近辺まで。
週間ベースでは-0.76円(0.68%)となり、5週間ぶりの反落。上昇基調の52週移動平均線(111.70)に支えられ、中期的な反発局面継続か、失速かの攻防に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/13終値とチャート
2017年10月14日(土)時点の相場
国内金:4,998 円 10/13(金) ▼15(0.30%)
国内プラチナ:3,631 円 10/13(金) ▲5(0.14%)
NY金:1,304.6 ドル 10/13(金) ▲8.1(0.62%)
NYプラチナ:947.9 ドル 10/13(金) ▲6.1(0.65%)
ドル円:111.87 円 10/13(金) ▼0.41(0.36%)
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