更新日:2017年11月30日(木)
米国を上回る勢いの好結果を示す経済指標が続出しているユーロ圏やドイツ。欧州委員会が発表した11月の景況感指数も歴史的高水準となっています。
11月のユーロ圏景況感指数は114.6となり、6カ月連続上昇で2000年10月(116.4)以来、17年1カ月ぶりの高水準となりました。1985年以降の平均値100.8を大幅に上回る水準での推移が続き、過去最高となった2000年5月の119.0にも迫る勢いでの加速基調が続きます。
EUの景況感指数も114.3となり、これも2007年6月(114.4)以来10年5カ月ぶりの高水準。
国別では、ドイツは114.4と10月から0.1ポイント低下しましたが、10月の114.5は2011年4月(114.9)以来、6年7カ月ぶりの高水準となっていました。
また、ドイツの景況感指数は2010年以降はほぼ常にユーロ圏とEUの指数を上回る水準での推移が続き、ユーロ圏とEUの経済を牽引し続けてきたことを示します。足下では他の国の景況感も上昇してきたことにより、その差は縮小しています。
フランスの11月は112.0でユーロ圏の数値を若干下回りますが、2007年11月(113.4)以来10年ぶりの高水準。
ユーロ圏の114.6を上回ったユーロ圏の国は、マルタ(122.6)、キプロス(118.8)、スロベニア(118.5)、オーストリア(116.7)、ポルトガル(115.8)、ルクセンブルク(114.7)。全19カ国中6カ国。
EU加盟国では、ハンガリー(121.2)、クロアチア(117.6)が加わり、全28カ国中8カ国。
英国は7月に113.2まで上昇し、2015年1月(113.4)以来2年半ぶりの高水準となっていましたが、それ以降はやや低調となり、11月の108.8は5月(108.3)以来半年ぶりの低水準。2012年からEUの水準を大きく上回り、EU経済を牽引してきた英国は2016年にかけて急低下、今年後半はEUの数値を下回る水準へと低迷しています。
もはや英国はEU経済を牽引する立場ではなくなってしまっているようです。
なお、英国の108.8を下回ったユーロ圏の国は、エストニア(108.2)、ラトビア(107.6)、ベルギー(107.5)、スロバキア(102.0)、ギリシャ(98.4)。
EU加盟国では、チェコ(108.6)、ポーランド(106.1)、ルーマニア(103.8)。
29日のNY金相場は0.99%安となって3日ぶりの反落。前日から続いていた1290ドル半ばでの揉み合い状態は1300ドルの大台を試すことなく、NY市場に入って下方向へと押し下げられる展開に。イエレンFRB議長最後の議会証言では、米国経済の力強さとこれに伴う利上げフェーズ継続の正当化などが証言原稿で示され、米長期金利急騰とともにドル高の流れが強まり、金は1290ドル割れへ。その後発表された米7-9月期GDP改訂値が前期比年率+3.3%と予想を上回ったこともイエレン発言を裏付ける形で市場反応をサポート。1300ドルの大台再トライへのチャンスがやや遠のく形となったNY金は反落警戒感が高まる状況へ。1280ドルから1270ドル台までを維持できない場合には1250ドル近辺を目安に下落基調進行の可能性。米税制改革法案成立に向けての上院本会議の動向、10月PCEコアインフレの結果などが予想外にネガティブ材料となるようなことがあれば急反発も。1300ドルの節目を突破できれば今年高値圏再トライの流れで1330ドル台辺りまでが当面の上値目標にも。
NYプラチナ相場は1.22%安となって6日ぶりの反落。前日までの5日続伸でも17日終値954.6ドルを超えられなかったことで上方向への勢いは既に枯渇した状態となり、金に追随する形での大幅安に。節目の960ドルはやや遠く、一時的には上抜けた90日移動平均線(951.1)もサポートラインとはなり得ず。方向感としてはまだ中立を維持する状況も、17日高値957.5ドルと28日高値959.2ドルとで短期ダブルトップ形成への可能性も浮上。ネックラインとなる20日安値921.8ドルを割り込めばダブルトップ完成となり、下値目標886.1ドルが点灯することに。目先しばらくは920ドルから960ドルまでのレンジ内推移が続く可能性は高そうだが。
ドル円は0.4%のドル高円安で続伸。1週間前の急落以降、上値を押さえられてきた90日移動平均線(111.54)から200日移動平均線(111.68)までの水準との攻防状態から、イエレン発言をきっかけにこれを突破して急騰。米GDP改定値の上振れ、10月の中古住宅販売成約指数(109.3、前月比+3.5%)も好結果となったことなどにもサポートされて1週間ぶりに112円10銭台まで上昇。その後の調整ではサポートラインに転じた200日移動平均線に支えられての反発、今朝の東京市場では112円ラインで足場固めの攻防状態に。強めの抵抗水準をしっかり上抜けことで、ドル高円安方向への反発基調がもう一段進行しやすくなった状態に。今晩のNY市場でインフレ指標などがネガティブ材料とならなければ112円台後半までが目先の上値余地に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/29終値とチャート
30日の国内金価格は0.46%安となって4日ぶりの反落。小幅に上昇し続けた3日分の上げ幅をほぼ帳消し、調整局面再開へと向かい始めた様子も。目先のサポート水準となる4950円の節目から90日移動平均(4944)を割り込むようなら下値余地は4900円近辺まで。反発方向には4980円を突破できれば今年高値(5045)付近再トライへと向う可能性も残される状況。
月間ベースでは-19円(0.38%)となり、小幅続落。
プラチナ価格も0.57%安となって4日ぶりの反落。NYプラチナの反落に連れて保ち合い上抜けトライに失敗。3600円から3660円までにレンジを下方縮小する形で保ち合い状態はもう少し継続しそうな状況に。NYプラチナと同様に一時的に上抜けた90日移動平均線(3650)がサポートラインとはなり切れず、方向感も中立に。あらためて90日線と3660円の節目を突破できれば9月高値圏再トライの展開も。金との価格差は1319円となり9月19日(1314)以来の水準へと縮小。
月間ベースでは+42円(1.17%)となって続伸。2カ月連続で金と逆行するのは2009年12から2010年1月まで以来、7年10カ月ぶりのレアケース。
※参考:金プラチナ国内価格11/30とチャート
2017年11月30日(木)時点の相場
国内金:4,956 円 11/30(木) ▼23(0.46%)
国内プラチナ:3,637 円 11/30(木) ▼21(0.57%)
NY金:1,282.1 ドル 11/29(水) ▼12.8(0.99%)
NYプラチナ:941.2 ドル 11/29(水) ▼11.6(1.22%)
ドル円:111.92 円 11/29(水) ▲0.45(0.40%)
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