更新日：2017年12月4日(月)
国内金価格の12月実績は、過去8年間で4勝3敗1分と五分五分。ところが年明け1月の実績としては、過去9年間で7勝2敗。2012年から今年の1月までは6連勝中。なぜか1月にはリスク回避の流れが強まる傾向にあり、NY金も今年まで4連勝中。ちなみに過去6年間でNY金が1月に下落したのは2013年のみ。しかし、この年はアベノミクス期待で急速に円安ドル高が進行した時期で、円安が原動力となって国内金価格が押し上げられました。
日々の価格推移で見れば、足下の国内金価格は軟調推移。ただ、一目均衡表の雲のなかでの推移が続き、少し長めのスパンで見れば保ち合いの範囲内。目先4940円の雲の下限を割り込んでしまうと三役逆転（価格が雲の下限、基準・転換線を下回り、遅行線が価格を下回る状態）となり、短期トレンドは下方向へと大きく加速しかねない状態となります。逆にこの水準がサポートラインとなる可能性もあり、12月後半に向けて切り上がる雲の下限とともに、反発へと転じるようなシナリオも想定されます。
米税制改革法案成立に向けて進展してはいますが、上下院の調整に時間を要するとの見方もあり、年内成立に向けては微妙な状況です。
12月FOMCでの追加利上げは織り込み済ですが、来年の見通しについては不透明感が漂います。ドットチャートの示す結果次第では年末にかけてドル売り金買いがスタートする可能性も想定されます。地政学リスクの動向も気になるところです。
一目均衡表上では、年末年始にかけて雲のねじれが発生します。日柄的にも価格変動が大きくなりやすい時期に相当し、これまでもそうなってきました。
年末にかけて保ち合いもしくは軟調推移が継続した場合、国内金価格は年明けにかけて、上昇トレンドを形成するパターンが今年も繰り返されるかもしれません。
週明け東京市場朝は先週末NY市場でのフラッシュ・クラッシュからの巻き戻しが一段と進行する形でのスタート。ロシアゲート疑惑を伝えた米ABCテレビが内容の誤りを訂正し、2日には米上院本会議で税制改革法案が可決。金利、株価上昇とともに為替も大幅ドル高となってドル円は112円70-80銭台の攻防へ、これに呼応する形で時間外のNY金は1270ドル台半ばへと反落スタート。
4日の国内金価格は3営業日ぶりの反発で0.18％の小幅高。11月9日の5028円からコンスタントに上値が切り下がる短期下落トレンドの抵抗線を超えられず、上値の重い状態は継続。4948円まで水準を切り上げてきた90日移動平均線にサポートされて下げ止まるかどうかが目先のポイントに。4カ月ぶりにデッドクロスなら中期トレンドも徐々に軟調方向へ。4950円から4980円までのレンジ下限と90日移動平均線を下抜けるようだと7-9月上昇波の半値戻しとなる4900近辺までが下値目標水準に。90日移動平均線にサポートされて小幅保ち合い継続、そして上限突破へと短期トレンドが持ち直すようなら年末に向けては今年高値更新トライへ。
国内プラチナ価格も一目均衡表では雲の中での推移が続く保ち合い状態。価格ラインは転換線・基準線との攻防が続き、遅行線も価格ラインとの攻防が続く状態ながら、いずれも足下では強気状態（価格＞転換線＞基準線、遅行線＞価格ライン）。まだ少し距離はありますが3685円でしばらく水平状態が続く雲の上限を超えると三役好転へ。逆に3600円台前半での推移が続く雲の下限を割り込むようだと三役逆転へと流れが変わるリスクも抱えます。
プラチナ価格の一目均衡表上、次回の雲のねじれは1月第2週。金価格が上方向へと動き出すようなら、プラチナ価格も追随する形で上昇トレンドがスタートすることになりそうです。
4日のプラチナ価格は0.52％の反落。時間外のNYプラチナが930ドル台半ばへと反落スタートとなっていることに伴い、先週末の上昇トレンド形成への兆しはいったん巻き戻し。金価格を含めて明確なトレンドが生じていないことから、単独でのトレンド形成は難しい状況。大幅高への可能性が高まることになる長期保ち合い上方ブレイクに向けては、NY金とプラチナの保ち合い上抜けが必要となり、目先3770円までが抵抗水準に。昨年まで4年連続で上昇している12月は過去8年間でも6勝2敗の高勝率。過去実績から見れば確率的には年内に保ち合い上抜けのシナリオが圧倒的に優勢・・・？
※参考：金プラチナ国内価格12/4とチャート
2017年12月4日(月)時点の相場
国内金：4,961 円 12/4(月) ▲9(0.18％)
国内プラチナ：3,642 円 12/4(月) ▼19(0.52％)
NY金：1,278.8 ﾄﾞﾙ 12/1(金) ▲5.6(0.44％)
NYプラチナ：940.6 ﾄﾞﾙ 12/1(金) ▼1.9(0.20％)
ドル円：112.17 円 12/1(金) ▼0.36(0.32％)