更新日:2017年12月16日(土)
米12月のNY連銀製造業景況指数は18.0となり、市場予想を若干下回って10月の30.2、11月の19.4からも低下しました。ただし、6カ月平均で見ると12月は21.17。11月の21.47からは小幅低下、その11月は2007年11月(23.28)以来10年ぶり高水準となっていました。依然として高水準を維持している状態と言えます。
構成指数では、向こう半年の見通しを示す期待指数は46.6となって11月の49.9からはやや低下しましたが、これも11月の数値は2012年1月(51.3)以来5年10カ月ぶりの高水準となっていました。
また、仕入れ価格と販売価格の見通しはいずれも今年1月以来、11カ月ぶりの高水準へと上昇し、雇用見通しは29.0となって2015年1月(31.6)以来2年11カ月ぶり、設備投資は34.1で2011年1月(34.7)以来6年11カ月ぶりの高水準となっています。
今回のNY連銀製造業景況指数では、高水準を維持する現状でも、来年に向けての見通しはなお明るい、との強気見通しとなっています。
FOMCでの2018年GDP成長率見通しが前回9月の+2.1%から+2.5%へと引き上げられたことにも同調する結果となっています。
そして、イエレン議長もこれを支援することになるだろうと指摘した税制改革法案も年内成立に向けて一段と進展を見せているようです。
15日のNY金相場はわずかに0.03%の小幅高で3日続伸。1250ドル台半ばから後半へと反発の流れがゆっくりと進行し、NY朝には一時前日高値を超えて1260ドル台半ばまで上昇。しかし、米税制改革法案に反対していた共和党上院議員が賛成の意向を表明したことで市場の期待感が再燃、株高ドル高の流れが強まると1250ドル台半ばへと急反落。それまでの上昇分を消して前日終値付近に収束する横ばい状態に。上下院のすり合わせによって2018年から法人税を21%へ引き下げる大型減税法案がまとまったことで週明けにも上下院それぞれ採決へ、トランプ大統領署名で法案成立という運びにメドが立ち、リスク・オンの流れがもう一段進行する可能性も。上ヒゲを残した金は引き続き1260ドル台が抵抗水準となりやすく、1240ドルのサポート水準を維持できるかが目先の焦点に。できない場合には1220ドル近辺まで一段安の展開も。
週間ベースでは+9.1ドル(0.73%)となり、4週間ぶりの反発。
NYプラチナ相場は0.93%の大幅続伸。NY朝の金の反落に連れての下落は限定的となって反発すると、NY引け後にかけて890ドル台へと上昇。南アフリカでの与党・アフリカ民族会議(ANC)の次期党首選でズマ現大統領の元妻に対して現副大統領ラマポーザ氏優勢が伝えられており、悪名高いズマ氏の影響力の及ばない新政権誕生への期待感から南アランドが急騰していることもサポート要因に。890ドル台の節目を突破できれば反発の流れがもう一段進行、急落前の保ち合い下限付近920ドル近辺までが次の上値目標に。ただし反落で安値再更新となった場合には850ドル割れも想定される展開となるリスクも。
週間ベースでは+5.7ドル(0.65%)で4週ぶりの反発。
ドル円は0.19%の小幅ドル高円安となって4日ぶりの反発。112円台前半での揉み合いが続くなか、戻り売り優勢の展開で一時10日ぶり安値となる112円00銭台まで下落。しかし、112円を割れない底堅さを見せるとNY市場でにわかに強まった税制改革法案成立期待を材料に112円70銭台まで反発。ただし、米10年債利回りの反応は限定的となり、横ばい推移が続く状態にあることでドル円も明確な方向感が出難い状態。次週、法案成立というトランプ大統領からのクリスマスプレンゼントがあれば金利も上昇し、株高ドル高の流れが加速する可能性も。113円半ばまでが当面の抵抗水準となり、ここを超えるようなら年末年始にかけて115円トライの可能性も。逆に強めのサポート水準となってきた112円ラインを割り込むようなことがあれば今年も年末年始の軟調相場がスタートすることになり、110円近辺までが当面の下値目標水準にも。
週間ベースでは-0.89円(0.78%)で3週ぶりの反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/15終値とチャート
2017年12月16日(土)時点の相場
国内金:4,858 円 12/15(金) ▼19(0.39%)
国内プラチナ:3,421 円 12/15(金) ▼39(1.13%)
NY金:1,257.5 ドル 12/15(金) ▲0.4(0.03%)
NYプラチナ:889.4 ドル 12/15(金) ▲8.2(0.93%)
ドル円:112.61 円 12/15(金) ▲0.22(0.19%)
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