更新日:2017年12月30日(土)
2017年のNY金相場は前年末比+157.6ドルとなり、年間騰落率では+13.68%。2年続伸で2010年(+321.1ドル、29.3%)以来、7年ぶりの大幅上昇となりました。
ゴルディロックスで世界同時株高となった主要株式指数と比較すると、米株(NYダウ:+25.08%など)には遠く及ばず、日経平均(+19.1%)にも届かないものの、ドイツDAXの12.51%を上回る水準。ドル安傾向となった為替市場では最も買われたユーロドルの+14.03%に次ぐレベル。また、2年半ぶりの高値水準となる60ドル台を回復したNY原油の+12.47%も上回っています。
月足チャートで見るNY金は今年、過去最高値となった2011年9月を頂点とする長期下落トレンドの抵抗線を上抜け、2015年12月安値1045.4ドルが長期レンジでの当面の大底となった可能性が高まり、長期下落トレンドの終焉を確認した年となるかもしれません。
今後の長期トレンドが反発基調となるのか、もしくは保ち合い相場へと移行するのかはまだ判断し切れないところですが、2006年の500ドル台から続く上昇トレンドのサポートラインとで構成する長期三角保ち合いも上抜けた形となっています。
なお、2017年高値は9月の1362.4ドル。2016年高値1377.5ドルを上抜けることはできませんでした。その2016年高値は、2011年高値から2015年安値までの下落幅の38.2%戻しとなる1380.9ドルにわずかに届いていません。長期的には下落トレンドの戻り局面形成中、との見方もできそうです。
2018年以降の目標水準として、横ばい推移から反発基調へと転じる為には1380ドルの水準を完全に上回ることが必要となります。また、長期的な横ばい推移もしくは反発基調への可能性を維持する為には、一目均衡表の雲の下限と長期サポートラインが重なる1200ドル前後の水準を下回らないことが重要となります。
1300ドル台に到達して迎える2018年の金市場にとっては、1380ドルと1200ドルが上下の重要な攻防ラインとなります。
29日のNY金相場は0.93%の大幅高で7日続伸。2016年6月以来1年半ぶりの続伸となり、9月25日(1311.5)以来3カ月ぶりの高値水準。ジリ高推移の展開からNY市場朝には米長期金利の低下、対ユーロなどでのドル売りが強まったことで1300ドルの大台ラインを突破。一時1310ドル寸前まで急騰し、時間外にかけて1305ドルまで戻して越年。短期上値目標1300ドル台に到達したことで上昇一服となりやすい状況も、年明けもドル安基調が続き、1300ドル台を維持するようなら一段高の展開にも。9月高値から12月安値の半値戻し(1300.4)を達成しており、61.8%戻し(1315.0)から76.4%戻し(1333.1)辺りまでが次の上値目安にも。
週間ベースでは+30.5ドル(2.39%)、4カ月ぶりの大幅高となって3週続伸。月間では+36.1ドル(2.84%)で続伸。
NYプラチナの2017年は前年末比+32.6ドル、+3.62%。小幅ながらも2年連続上昇となり、上昇幅は2012年(+139.0ドル、9.9%)以来5年ぶり。
月足チャートで見ると、2016年1月安値811.4ドルが長期下落トレンドの大底となった可能性はあるものの、これを起点にゆるやかに下値を切り上げてきたサポートラインを12月に一時的に下抜けてしまいました。年末にかけての急反発でこのライン上へと回復してはいますが、2018年には900ドルから900ドル後半へと水準を切り上げるこのラインを維持できるかどうかが重要なポイントになりそうです。なお、このサポートラインを割り込んでしまった場合には、800ドル台半ばの水準が長期サポートラインとなる可能性も残されます。
上方向には、2013年高値1744.5ドルと2014年高値1523.8ドル、そして2016年高値1199.5ドルを結ぶ上値抵抗線に2017年も上値を押さえられた形となっています。2018年早々に1000ドルから900ドル台後半へと切り下がるこのラインが長期下落トレンドからの脱却に向けての第1関門、ということになりそうです。その先にも、2018年には1200ドル付近から2019年にかけて1000ドル近辺へと切り下がる長期抵抗線が存在します。
2018年序盤から、プラチナは900ドル台から1000ドルまでの狭いレンジで重要な攻防局面を迎えることになりそうです。
29日のNYプラチナ相場は0.79%高となって5日続伸。12月だけで2度めの5日続伸となって反発局面を形成し、12月1日(940.6)以来4週間ぶりの水準を回復。金に牽引される形でNY市場朝に小幅急騰局面を形成、9月高値から12月安値までの38.2%戻し(931.3)を達成し、水準的には下落トレンドからの転換点を超えた可能性も高まるところ。目先、930ドル台を維持し、90日移動平均線(938.7)を超えることができれば半値戻し(949.5)が次の目安に。
週間ベースでは+11.2ドル(1.21%)で3週続伸。月間では-8.3ドル(0.88%)の反落。
ドル円は0.14%の小幅続落となり、ほぼ2週間ぶりのドル安円高水準。東京市場朝は株高にも連れる形で112円90銭台まで上昇も、113円ライン手前では売り圧力に押されて112円60銭台へと急落。欧州市場にかけても米長期金利のゆるやかな低下基調に連れて112円40銭台まで下落。NY市場では若干の買い戻しも日足レベルでは11月安値から下値を切り上げてきたサポートラインを完全に割り込み、三角保ち合い下方ブレイクの状態での越年。90日移動平均線(112.27)を割り込むようだと年初の円高ドル安基調が加速する展開にも。11月高値114円70銭台から11月安値110円80銭台までの値幅が3円90銭。12月高値113円70銭台を起点に3円90銭分下落すると109円80銭、下値目安は最大で110円前後まで。
週間ベースでは-0.61円(0.54%)の反落。月間では+0.18円(0.16%)と小反発。年間では-4.26円(3.6%)となって2年続落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/29終値とチャート
2017年12月30日(土)時点の相場
国内金:5,028 円 12/29(金) ▲14(0.28%)
国内プラチナ:3,584 円 12/29(金) ▲8(0.22%)
NY金:1,309.3 ドル 12/29(金) ▲12.1(0.93%)
NYプラチナ:934.2 ドル 12/29(金) ▲7.3(0.79%)
ドル円:112.71 円 12/29(金) ▼0.15(0.14%)
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