更新日:2018年1月30日(火)
米商務省が発表した12月の個人消費支出は前月比+0.4%となり、11月の前月比+0.6%は+0.8%へと上方修正され、第4四半期では年率換算で+3.8%となって3年ぶりの高水準。個人消費はモノとサービスともに堅調に推移しています。
ただし、個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)は12月に前年比+1.7%となって11月の+1.8%からは鈍化、コアPCEも前年比+1.5%で横ばい推移。市場予想どおりで12月FOMCでの年末予想中央値(PCE+1.7、コアPCE+1.5)とも一致する水準ながら、PCEインフレの伸び悩みの状態は続きます。
引き続き、2018年末予想中央値PCE+1.9%、コアPCE+1.9%に向けて、そしてインフレ目標+2.0%へと加速するのかどうか、今後のFRBの利上げペース決定を左右する重要な指標として、その動向が注目されます。
PCEインフレ動向の内訳としては、商品とサービスに大別すると、2017年に商品は前年比+-0%前後から+1%近辺までの低水準での推移が続き、サービス価格は前年比+2%超での推移が続きました。サービス価格のインフレ率は高く、モノの低インフレをカバーする構図となっています。
商品のなかでは、耐久財は前年比-2%前後とデフレ状態が続き、耐久財以外が+1%から+2%の水準で牽引役。また、食品は-1%台から+1%近辺へとゆるやかに上昇し、エネルギー関連サービスは+17%の高水準から年央の+2%まで激しく上下動し、12月には+7.4%とやや減速。
全体的には商品が2月の+1.2%から12月には0.4%と鈍化傾向となり、高インフレのサービス価格も年初の+2.6%からはゆるやかに減速し、年末3カ月は+2.3%での横ばい推移となっています。
個人消費支出はモノとサービスともに堅調な推移が続きますが、個人消費支出物価指数のインフレ動向としては、モノとサービスともに低調な状態が続いています。
29日のNY金相場は0.87%の続落。週明け時間外に1350ドルを割り込んだ状態から調整局面はさらに、ゆっくりと進行。ドルインデックスが3年1カ月ぶり安値となる88ポイント台から反発し、米10年債利回りも2014年4月以来3年9カ月ぶり高水準となる2.70%台へと上昇したことでNY市場では一時1330ドル台半ばまで下落。この1カ月余りの上昇幅の23.6%戻し(1335.4)をほぼ達成し、最低レベルの調整幅はこなした状態。目先はトランプ米大統領の一般教書演説やFOMC、ISM製造業景況指数や雇用統計などドル安の巻き戻し加速へのトリガとなりやすいイベントも控えていることから、上値の重い展開が予想され、もう一段の調整進行も。20日移動平均線(1330.8)近辺から1320ドル台半ばがサポート水準となり、ここを割れると半値戻しとなる1300ドル近辺までの大幅調整となる可能性も。
NYプラチナ相場も0.56%の続落。NY市場でつけた安値は1005ドルまでにとどまり、4日連続で安値でも1000ドルの大台を維持。しかし、流れは調整方向へと傾いており、金の調整がもう一段進行すればこれに追随する展開へ。そうなれば1000ドルの大台維持は難しく、これまでの上昇幅の23.6%戻しとなる995ドル近辺が比較的重要なサポートライン。ここを維持できなければ38.2%戻しとなる970ドル近辺までの一段安が想定される。
ドル円は0.29%のドル高円安へと反発。日米金利差拡大に追随できず逆相関が続く異例の状態となっていたこの1月、この日は米長期金利が3年9カ月ぶりの水準まで一段高となった流れにようやく呼応し始めた兆しも見られ、一時109円20銭台まで反発。これまではECBや日銀の出口警戒感などが高まり過ぎたことにより、ドル高の勢いが打ち消されてしまった可能性もあり、徐々に従来の流れに回帰して行く可能性も。また、先週末安値となった108円30銭近辺は、昨年4月安値108円10銭台、9月安値107円30銭台と合わせて逆三尊を形成する可能性もあり、月末月初の重要イベントのいずれかがドル安巻き戻しへのきっかけとなる可能性も。現状のドル安円高の流れ転換に向けては最低でも109円台後半へと戻す必要があり、戻し切れなければ短期トレンド継続、突破できれば次の上値目標は110円後半へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/29終値とチャート
30日の国内金価格は0.49%安となって3日続落。高値圏での三角保ち合いを下方ブレイクしたことに伴う調整局面が進行中。NY金の調整がゆっくりと進行するのに対し、ドル安円高の戻りはまだ鈍く、引き続き下値目標4980円台辺りまでは調整継続見込み。12月から1月高値までの半値戻し4994円が水平状態となりつつある90日移動平均とも一致し、中期的な中立水準となってサポートされる可能性も。
プラチナ価格は0.24%の小幅続落。調整局面進行の兆しも今のところは限定的に。下向き始めた9日移動平均線(3793)近辺が目先の主要レンジ上限候補となり、3710円の節目が下限となって保ち合い推移の展開にも。NYプラチナの調整局面がさらに進行し、3710円近辺で下げ止まらないようなら下げ幅拡大で3650円近辺が次に下値目安に。
※参考:金プラチナ国内価格1/30とチャート
2018年1月30日(火)時点の相場
国内金:5,028 円 1/30(火) ▼25(0.49%)
国内プラチナ:3,753 円 1/30(火) ▼9(0.24%)
NY金:1,340.3 ドル 1/29(月) ▼11.8(0.87%)
NYプラチナ:1,012.7 ドル 1/29(月) ▼5.7(0.56%)
ドル円:108.95 円 1/29(月) ▲0.32(0.29%)
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