更新日:2018年3月30日(金)
米商務省が発表した2月の個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)は前年比+1.8%、コアPCEは前年比+1.6%。いずれも1月からは0.1%上昇し、PCEは市場予想の+1.7%も上回り昨年3月以来11カ月ぶりの高水準。今月のFOMCでの年末予想中央値1.9%にあと0.1%と迫りました。
コアPCEの+1.6%も昨年4月以来10カ月ぶりの水準となり、PCEに追随する形で上昇軌道を描きつつあります。
なお、PCEの1990年以降の平均値は前年比+2.01%。2006年以降の平均値は+1.7%、2011年以降では+1.5%。
PCEは12カ月連続で2%未達の状態は続きますが、近年の平均値を今回上回っています。
コアPCEのPCEの1990年以降の平均値は前年比+1.95%。2006年以降の平均値では+1.7%、2011年以降は+1.6%。
コアPCEは2012年4月(+2.0)以来、5年10カ月間目標水準未達の状態が続きますが、2011年以降の平均水準まで戻してきました。
PCEインフレ内訳では、商品価格が2カ月連続で前年比+0.1%の低迷が続くのに対し、サービス価格は2カ月連続上昇で+2.5%となり、昨年2月(2.6%)以来1年ぶり高水準。「サー高商低」状態は続きます。
商品のなかでは耐久財がマイナス圏での推移が続き、3カ月連続の低下で2月は-2.6%。耐久財以外は+1.6%で3カ月ぶりの水準へと上昇も5カ月連続の2%割れ。
インフレ加速への牽引役となるエネルギー関連サービス価格は1月の+5.9%から2月は+7.2%へと加速。2017年2月に+17.3%の高水準を記録した後、急減速した状態からは抜け出せてはいませんが、それから1年経過したことで、携帯電話サービス料金の値下げの影響は次月から剥落していくことになります。
29日のNY金相場は0.2%の小幅安となって3日続落。イースターの連休前でドル高一服、新規失業保険申請件数が45年ぶり低水準、2月PCEデフレーター上昇などの好結果にもNY金の下げ幅は限定的となり、1320ドル台後半での揉み合いに終始。この日の値幅は上下7.2ドル、今年3番目の小動きで年間平均14.9ドル、1.12%の半分以下。高値更新トライ失敗後の反落の流れも20日移動平均線(1326.9)にサポートされていったん下げ止まりの兆しで3月を終了。次週、好調が予想される月初の米経済指標を受けてドル高の流れが再加速することになれば金は軟調な展開に。目先は1310ドルから1300ドルが比較的強めのサポート水準、ここを割り込んだ場合には1260ドル前後まで水準を切り下げる展開にも。
週間ベースでは-22.6ドル(1.67%)の反落、月間では+9.4ドル(0.71%)の反発。年初来では+18.0ドル(1.37%)。
NYプラチナ相場も0.87%安で3日続落。12月28日(926.9)以来3カ月ぶりの安値水準。時間外では940ドル台維持もNY市場では930ドル台へと水準を切り下げ、下落基調再開の流れに。短期的な下値目安はそれほど拡大せず、920ドル台までにとどまる可能性も。反発方向には950ドルが抵抗水準に。
週間ベースでは-15.8ドル(1.67%)、2015年11月以来2年4カ月ぶりとなる6週続落。月間では-55.5ドル(5.62%)で続落。年初来では-1.6ドル(0.17%)の小幅安。
ドル円は反発基調一服となり0.31%のドル安円高。東京市場午前に106円90銭台まで上昇したのがこの日の高値となり、前日の107円に届かず調整的な流れに。強弱の米指標にも反応は限定的となり、米10年債利回りの低下に連れるようにNY市場では一時106円20銭台まで下落。その後は米株の大幅反発にも下支えされた格好に。もう一段のドル高円安への流れは107円手前の水準が抵抗帯となっていったん押さえられた形に。目先は106円台での保ち合いから、次週のISM製造業景況指数や雇用統計などの好結果がきっかけとなれば107円台後半へと一段高の展開にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/29終値とチャート
30日の国内金価格は0.37%安となって3日続落。反発基調は腰折れ状態も21日移動平均線(4849)をゴールデンクロスした9日移動平均線(4854)にサポートされる可能性も。方向感としては依然上向き優勢の状態で次週に向けては円高の巻き戻しの流れにもサポートされる可能性も。ただし米経済指標が強すぎてドル高の勢いが強まり過ぎるとNY金の下げ幅拡大で相殺されることに。4910円台の節目を上抜けると4950円台までの上値余地、下値は4820円までではサポートされやすい状況か。
週間ベースでは+42円(0.87%)で続伸。月間では-16円(0.33%)の小幅安、2013年6月以来4年9カ月ぶりとなる3カ月続落。年初来では-165円(3.28%)の下落。
プラチナ価格は0.67%の反落となり、安値圏での三角保ち合い下方ブレイク。週初の3428円を下回ってはいない為、この水準でサポートされる可能性も残されるものの、流れは下方向へと再加速の可能性が強まる状況に。NYプラチナの下落余地がそれほど大きくないことから国内価格の下落幅も限定的にとどまる可能性もありながら、想定される下値目安は最大で3360円台まで。
週間では-10円(0.29%)となり、2015年12月以来2年3カ月ぶりの5週続落。月間では-212円(5.82%)の大幅続落、昨年3月(-7.86%)以来1年ぶりの大幅安。年初来では-155円(4.32%)安。
※参考:金プラチナ国内価格3/30とチャート
2018年3月30日(金)時点の相場
国内金:4,863 円 3/30(金) ▼18(0.37%)
国内プラチナ:3,429 円 3/30(金) ▼23(0.67%)
NY金:1,327.3 ドル 3/29(木) ▼2.7(0.20%)
NYプラチナ:932.6 ドル 3/29(木) ▼8.2(0.87%)
ドル円:106.53 円 3/29(木) ▼0.33(0.31%)
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