更新日:2018年4月17日(火)
米4月のNY連銀製造業景気指数は15.8。景況感の拡大、縮小の境目となる0ポイントを大きく上回る水準にあり、拡大傾向を維持する状況にあります。
ただし市場予想の+18.4程度を下回り、3月の+22.5からも大きく低下。構成指数のなかでは平均労働時間が16.9となって2011年5月(20.2)以来6年11カ月ぶり高水準となった以外、新規受注や出荷、雇用などが軒並み低調となり、期待指数も18.3となって2016年2月(15.8)以来2年2カ月ぶりの低水準。
米中貿易摩擦などへの懸念が反映された可能性も。
また、総合指数の方向性を示す6カ月平均は+18.27となり、3月の+20.32から急低下。10年ぶり高水準となった1月の+22.38がピークとなり、2月から3カ月連続の低下となっています。
NY連銀製造業景気指数が6カ月平均で3カ月続落となった場合、その後も低下基調が継続し、いずれマイナス圏へと突入することになる可能性が極めて高くなります。
過去の推移ではほぼこの傾向が見られ、2014年、2012年、2007年にピークアウトした後はマイナス圏まで低下基調が続きました。
2010年には、2月(20.2)をピークに翌3月から5月(17.67)まで3カ月続落後、6月には20.12へといったん反発しましたが、その後は2011年のマイナス圏にかけて下落基調が継続しました。
現状からは、景況感が一方的に縮小傾向となってマイナス圏まで急降下するような状況にはないものと思われますが、ゆっくりと減速傾向が続く可能性はありそうです。
6カ月平均の低下傾向が今後も続くことになれば、いずれマイナス圏へと向かい、景気縮小局面を迎える可能性は高まり続けます。
16日のNY金相場は0.21%の続伸。米英仏のシリア攻撃が限定的に留められたことで週明けの市場では混乱もなく、リスク回避ムードが強まらなかったことで買いが集まることもなかった週明けの金市場は下げも限定的となって1340ドル台前半まで。欧州・NY市場では対ユーロなどでドル安が進行したことで1350ドルまで買われる展開に。中東情勢リスクや米ロ対立への警戒感などは続く状況にあり、比較的底堅く推移しやすい局面はまだ続きそう。引き続き1340ドルから1360ドルまでのレンジで抜け出した方向へは大きく水準が切り替わる可能性を維持しながらも目先はレンジ内推移継続へ。
NYプラチナ相場は0.14%の小幅続落。3日連続で変動値幅1桁の小動きとなり、930ドル台での小康状態は6日め。ただし微妙に水準を切り下げて4月6日(917.5)以来10日ぶりの安値水準。流れは反発方向優勢の状況は変わらず20日移動平均(937.2)と940ドルの節目を超えると960ドル台辺りまで一段高の可能性。一方で930ドル台を維持できなくなるようだと910ドルの今年安値が意識される反落の展開にも。
ドル円は0.26%のドル安円高となって3日ぶりの反落。東京市場朝の107円50銭台がこの日の高値となって軟調な展開に。日米首脳会談への警戒感などが意識され、東京午後には107円10銭台まで下落。米3月小売売上高が4カ月ぶりに前月比プラス圏となったことなどが好感されての反発も限定的となり、米10年債利回りも反落に転じたNY市場では107円00銭台まで軟調に推移。今朝の東京市場では107円ラインとの攻防状態に。結果的に107円半ばのレンジ上限トライに失敗して反落した形となり、107円ラインを割れてしまうと106円後半のレンジ下限との攻防へ。106円70-80銭を下回ると流れ逆転で下値再トライ、105円近辺を目指す展開にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/16終値とチャート
17日の国内金価格は0.08%の小幅反落。2カ月ぶりの高値水準を維持できず、しかし90日移動平均線(4947)を下限に小幅保ち合いを形成。9-21日移動平均線も上昇基調を強めて90日線ゴールデンクロスをうかがう展開となって短期上昇トレンド継続をサポート。あらためて4970円台後半以上へと小幅保ち合い上抜けできれば2月初旬以来となる5000円の大台回復への可能性も急拡大。一方で日米首脳会談での円安指摘発言なども警戒され、90日線を完全に割り込んでしまうと短期トレンド反転の可能性も浮上。
プラチナ価格は0.2%の小幅続落。小康状態が続くNYプラチナに連れて3440円台をはさんでの小幅揉み合い状態は6日め、若干の円高にも上値を押さえられて1週間ぶり安値へとジリ安の展開。金との価格差は6日の1535円をわずかに上回る1536円へと過去最大を更新。ゆるやかな上昇に転じた9日移動平均線(3421)にサポートされなくなるようだと反発基調腰折れで再び3400円割れがチラつく展開にも。3450円の小幅保ち合い上限を突破できれば上昇基調再加速で大きく水準を切り上げる可能性も。その場合の上値目標は12月末の揉み合い水準3560円台辺りまで。
※参考:金プラチナ国内価格4/17とチャート
2018年4月17日(火)時点の相場
国内金:4,970 円 4/17(火) ▼4(0.08%)
国内プラチナ:3,434 円 4/17(火) ▼7(0.20%)
NY金:1,350.7 ドル 4/16(月) ▲2.8(0.21%)
NYプラチナ:931.8 ドル 4/16(月) ▼1.3(0.14%)
ドル円:107.13 円 4/16(月) ▼0.28(0.26%)
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