更新日:2018年5月30日(水)
5月のダラス連銀製造業活動指数は26.8となり、12年2カ月ぶり高水準となった2月(38.4)以来の水準へと反発。6カ月平均では29.1となり、3月と並び2006年4月以来、12年ぶりの高水準となっています。
5月の米地区連銀の製造業景況感指数では、NY連銀やフィラデルフィア連銀、リッチモンド連銀の他、先週発表されたカンザスシティ連銀の指数でも過去最高となるなど、いずれも好調を維持する結果となっており、ISM製造業景況感指数の好結果を予想させる状況となっています。市場予想の58.1程度の妥当性を裏付けるものでもあり、多少の上振れがあってもおかしくはない状況とも言えそうです。
その一方で、同じ日に発表される雇用統計では、平均時給の上昇率予想は前年比+2.6%程度となっており、4月からは横ばい推移との予想が優勢のようです。
ダラス連銀の賃金指数では、今年2月に33.4となって11年1カ月ぶりの高水準を記録し、4月には29.3で11年余りで2番めの高水準。5月は24.3へと若干低下しましたが、6カ月連続で20以上の高水準を維持する状況です。リッチモンド連銀の賃金指数は4月の27.0、5月は28.0と2カ月連続での過去最高更新となっています。
上下動はあるものの、ダラス連銀とリッチモンド連銀の賃金指数は2017年後半から着実に上昇軌道を描いています。
これに対して、雇用統計の賃金上昇率は2016年以降、前年比2.6%をはさんでの上下動が続く状態となっています。その結果、今年に入ってダラス・リッチモンド連銀の賃金指数の推移との乖離が拡大しています。
全12地区連銀中の2地区連銀のみの指数動向に過ぎない為、全米の賃金動向を推測するには不十分ですが、そろそろ賃金上昇率も加速し始めてもおかしくない時期に来ているのかもしれません。
29日のNY金相場は0.36%の続落。3連休明けとなったロンドン・NY市場でイタリア政局不安があらためて意識された形。イタリア暫定首相に指名されたコッタレッリ氏の組閣も進まず、早期解散で7月29日にも再選挙実施との見方も浮上。イタリア10年債利回りは2.6%台から3.1%台へと急騰し、ドイツ債が買われて利回りは0.34%台から0.26%台へと急落、米10年債利回りも2.9%台から2.7%台へと急落。NYダウも一時前週末比500ドル超の下落となるなど日米欧株も全面安の展開。ユーロ安の流れも止まらずユーロドルは昨年7月以来10カ月ぶりのユーロ安水準となり、ドルインデックスはほぼ7カ月ぶり高値水準となるドル高。リスク回避が意識されてNY金は時間外には一時1306ドルまで買われ、NY市場朝にはドル高に押されて1291ドルまで売られる場面も。やや方向感喪失気味の展開となり、1280ドル台から1300ドル台までの小幅レンジを形成。抵抗線となっている20日移動平均線(1304.2)をしっかり上抜けできれば1330ドル近辺までの上値余地拡大も、堅めのサポート水準1280ドル台を割れると1270ドル近辺までの下落余地も。
NYプラチナ相場は0.51%の反発。リスク回避地合いとドル高の流れとの板挟みで上下に乱高下状態となったNY金の動きに追随しきれず、ほぼ900ドル台の小幅レンジでもみ合いとなって底堅く推移。900ドルラインにサポートされて目先は910ドル台が抵抗水準、20日移動平均線(905.3)とのもみ合い状態も継続。上限突破となれば3月以降の下落基調の抵抗ラインを上抜ける形にもなり、相応の上昇局面形成となる可能性は高まり、目標水準は960ドル近辺まで。逆に900ドルのサポート割れなら年初来下落基調継続で一段安の展開となり、下値目安は860ドル近辺まで。
ドル円は0.75%のドル安円高となって3日ぶりの反落、ユーロ安主導の円全面高の展開に。109円ラインの攻防が続いた東京市場を終えると欧州序盤には108円40銭台まで下落、NY市場では109円10銭台まで反発。米5月消費者信頼感指数は128.0と市場予想どおりの高水準を維持したものの4月分が128.7から125.6へと下方修正され、米株の一段安にも連れて108円10銭台まで下落。109円ラインをしっかり割り込んだことで調整局面拡大の流れが進行し、当面の下値目安107円台半ばまでもう一段の下落余地も。その一方で3月安値から5月高値までの半値戻し(108.03)をほぼ達成して反発した形にもなっており、週後半の米経済指標でポジティブな結果があれば下げ渋る展開にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/29終値とチャート
30日の国内金価格は0.61%安となり3日続落。リスク回避で円が最も買われ、2番めにドルが買われてNY金の上値も押さえられて下落局面が進行。下値目安4850円台まで若干の下げ余地も残す状況。ただし、NY・ロンドン市場の3連休明けでリスク回避の流れが増幅された感もあること、水準的にも3月安値から4月高値の61.8%戻し(4868)を達成していることから、さらなる大幅安は想定し難い状況も。
プラチナ価格は0.44%の下落。5月に2度つけた安値3388円、今年安値3370円も意識される水準まで下落してきたものの、NYプラチナの底堅さに支えられる状態。NYプラチナが900ドルを維持できなくなれば安値更新となる可能性が高まり、短期下値目安3350円台トライの展開にも。
※参考:金プラチナ国内価格5/30とチャート
2018年5月30日(水)時点の相場
国内金:4,864 円 5/30(水) ▼30(0.61%)
国内プラチナ:3,396 円 5/30(水) ▼15(0.44%)
NY金:1,299.0 ドル 5/29(火) ▼4.7(0.36%)
NYプラチナ:905.9 ドル 5/29(火) ▲4.6(0.51%)
ドル円:108.59 円 5/29(火) ▼0.82(0.75%)
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