更新日:2018年7月19日(木)
米商務省が発表した6月の住宅着工件数は117.3万件。昨年9月(115.8)以来、9カ月ぶりの低水準となりました。なお、5月は135万件から133.7万件へと下方修正も2007年7月(135.4)以来、10年10カ月ぶり高水準は変わらず。その5月との比較では-12.27%となり、2016年11月(前月比-13.26%)以来1年7カ月ぶりの大幅減となっています。
着工件数の先行指標となる着工許可件数の6月は127.3万件となり、3カ月連続の減少で昨年9月(125.4)以来、これも9カ月ぶりの低水準となっています。
米10年債利回りは5月の月間平均2.98%から6月には2.91%へと低下しており、住宅市場の需要増に向けては追い風となったにもかかわらず、相変わらずの木材価格上昇と用地・労働力不足によって住宅建設の伸び悩みが続きます。
また、在庫不足に伴う価格上昇も続き、賃金上昇率を大きく上回る住宅価格上昇率もマイナス材料となっています。
前日に全米住宅建設業者協会が発表した7月のNAHB住宅市場指数は68となって6月からは横ばい推移。この水準は4月と昨年10月とも並び、直近10カ月で最低水準。
住宅市場の景況感も昨年12月に18年ぶり高水準となる74がピークとなり、その後は伸び悩みの状態が続き、ピークアウト警戒感もくすぶり続けます。
構成指数では、現況指数が74となって横ばい推移も、これも直近9カ月間での最低水準。
購買見込み客足指数は8カ月間で最低となっていた6月の50から7月は52へと小幅に上昇も、向こう6カ月の販売見通しは73となり、2カ月連続の低下で昨年9月(73)以来10カ月ぶりの低水準。
労働市場の引き締まりと適度なインフレも進行し、ベージュブックでも「緩やかなペースで拡大基調が続く」との認識が示された米経済にあって、住宅市場には翳りも見られる状況となっています。
18日のNY金相場はわずかに+0.6ドル、0.05%の小幅高となって4日ぶりの反発。ドルインデックスが最近の高値攻防水準95ポイントに向けて上昇基調を強めた東京午後の時間帯には、1220ドル台後半から1220ドルまで下落。昨年7月14日(1214.0)以来、1年ぶりの安値水準まで下げて下値目安1220ドル付近にしっかり到達。ドルインデックスが95ポイントを超えるとまたも反落の展開となり、NY市場での金は小反発。下方向への行って来いとなって下ヒゲ陽線を残し、4月11日を起点に3カ月経過した下落トレンドに一服の兆しも。その3カ月の下落幅に対する23.6%戻し(1255.9)が当面の抵抗水準となり、目先しばらくはこれを上限に保ち合い推移の展開にも。予想に反して一段安の展開となれば1200ドルの大台ラインが次なる下値目安に。
NYプラチナ相場は-2.1ドル、0.26%の小幅安で4日続落。金とともに下落局面となった時間外には807ドルまで水準を切り下げ、7月3日につけた9年7カ月ぶり安値800.7ドルに次ぐ安値となり、二番底形成となってもおかしくはない水準に。NY引け後にかけては820ドルを回復し、下ヒゲ十字線を形成して金とともに下落基調一服への可能性も示唆。下値目安790ドル台には若干距離を残し、一段安への警戒感も残しながらも1月末から半年近く続いた下落基調の23.6%戻し(855.6)が当面の抵抗水準となり、保ち合い形成への可能性も。なお、いずれ23.6%戻しを突破した暁には38.2%戻し(899.6)が次の目安となり、900ドルの大台回復トライも視野に、とはかなりのポジティブ・シナリオ。
ドル円は0.05%のドル安円高となって小幅反落。堅調推移がつづいた東京市場では大引け後に113円10銭台まで上昇し、1月9日(113.18)以来半年ぶりのドル高円安水準となったところで円安一服。中国商務省が米鉄鋼・アルミ関税への対抗措置についての見解を示したことなども嫌気され、欧州時間にはドルインデックスのピークアウトとともに112円70銭台までの一段安。米6月住宅着工件数なども冴えない結果となり、NY時間も上値の重い展開となり、今朝の東京市場では円高圧力がやや強まって112円70銭割れの場面も。3月後半からほぼ4カ月続いたドル高円安基調も一服となる可能性もあり、調整目安としてはその4カ月の上昇幅の23.6%戻し(111.14)となる111円台前半も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/18終値とチャート
19日の国内金価格は-7円、0.15%の小幅安となって3日続落。短期的な流れは反発基調が完全に崩れた訳ではないものの、失速状態が続いて徐々に下方圧力再燃となりつつあり、下値目安4730円近辺に向けてゆっくりと接近していく可能性も。その一方でNY金の下げ止まりにサポートされる可能性も少しづつ高まる状況に。6月29日につけた今年安値4749円割れを回避できれば、4月高値4990円からの下落幅に対する38.2%戻し(4841)が上方向への節目となり、これを上限に保ち合い推移へと移行する可能性も。
プラチナ価格は+8円で3日ぶりの小反発。乱高下状態で形成した保ち合い水準までは戻し切れず、二番底をつけに行く可能性と多少の行き過ぎで3090円程度までの一段安への可能性も継続。NYプラチナの下げ渋りが続き、多少の反発局面形成となれば国内価格の下方リスクも大きく後退することにもなるが。
※参考:金プラチナ国内価格7/19とチャート
2018年7月19日(木)時点の相場
国内金:4,769 円 7/19(木) ▼7(0.15%)
国内プラチナ:3,186 円 7/19(木) ▲8(0.25%)
NY金:1,227.9 ドル 7/18(水) ▲0.6(0.05%)
NYプラチナ:817.8 ドル 7/18(水) ▼2.1(0.26%)
ドル円:112.87 円 7/18(水) ▼0.06(0.05%)
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