更新日:2018年7月23日(月)
トランプ米大統領による自国中央銀行、FRBへの政策批判とも取れる利上げへの懸念、他国の為替政策を批判してのドル高懸念を表明し、ドル安圧力がにわかに強まっています。今月末には日米通商協議も予定され、日米貿易不均衡是正に向けた協議に加え、日本の円安政策批判も警戒され、さらなるドル安円高圧力も警戒されるところです。
国内では月末の日銀金融政策決定会合で、「物価2%目標の実現に向けて金融緩和策の持続可能性を高める方策の検討」に入ったことが伝えられ、円高警戒感も強まり始めます。
ドル安圧力に円高圧力も加わり、ドル円相場への下押し圧力が強まり、急速に水準を切り下げる展開となってきました。
その一方でNY金は1年ぶり安値圏から、NYプラチナはおよそ10年ぶり安値をつけての反発基調がスタートしている可能性も見受けられる状況となりつつあります。
ただし、NY市場の反発力でドル安円高圧力をカバーし切れずに国内金価格は安値更新、ドル建て価格の反発力が上回ってプラチナ価格は9年5カ月ぶり安値からの反発局面形成への可能性を示す状態と、明暗分かれる状況にもなっています。
国内金価格の月足チャートでは、2011年以降の下値サポートラインをわずかに下抜け、長期上昇トレンドに黄色信号。今年の下落局面では、昨年12月安値から続く下降チャネル下限が攻防ラインとなり、いったん反発へと向かう可能性と本格的にこれを下抜けて下落局面急加速への警戒感とのせめぎ合い、という状態となってきました。
猛暑が続く日本列島、この夏は国内金価格も耐える時期を迎えています。
週明け23日の国内金価格は先週末から-24円、0.51%安となって5日続落。5日続落となるのは2月と5月初旬以来で今年3回め。水準としては昨年2月3日(4715)以来、1年5カ月半ぶりの安値水準となり、短期的な下値目安4730円近辺にもしっかり到達。先週末から今朝の東京市場にかけてもドル安円高の流れが続いて111円割れとなったドル円の軟調推移に対し、1230ドル台半ばで堅調に推移する時間外のNY金ではフォローし切れなかった状態。この状態が続くようだと目先の反落基調一服への可能性低下も警戒される状況に。6月高値4957円から6月安値4749円までの下落幅208円を、7月高値4837円を起点とする下落基調の下げ幅とした場合、想定可能な安値水準は4629円。行き過ぎの展開が続いた場合には4700円割れにも警戒。
年初から続く国内プラチナ価格の下落トレンドは、2016年以降の下値サポート水準を突き抜けての急落局面を形成し、足下では大底をつけた可能性も残し、二番底をつけての反発局面入り?に向けた動きにもなっています。
目先、3250円から3200円台前半へと切り下がる急落トレンドの上値抵抗線が、この夏の重要な攻防ラインともなりそうです。
23日のプラチナ価格は+43円、1.37%の大幅反発。乱高下状態で形成した保ち合いからの大幅安、そして大幅反発と乱高下状態はまだ継続し、不安定な値動きに。それでも二番底をつけた形での反発の様相も呈し、NYプラチナが830ドル台へと反発基調を維持していることもにもサポートされる状態に。目先は3130円台を下限に3270円の抵抗水準までが主要レンジとなって反発優勢の展開にも。下限割れの場合にはあらためて3090円程度までの一段安は警戒され、上限突破の場合には100円超の大幅上昇局面形成へと向かう可能性も。
7月3日には過去最大となる1635円まで拡大していた金との価格差はその前日、7月2日(1520)以来3週間ぶりの水準となる1539円まで急縮小。
※参考:金プラチナ国内価格7/23とチャート
2018年7月23日(月)時点の相場
国内金:4,720 円 7/23(月) ▼24(0.51%)
国内プラチナ:3,181 円 7/23(月) ▲43(1.37%)
NY金:1,231.1 ドル 7/20(金) ▲7.1(0.58%)
NYプラチナ:829.5 ドル 7/20(金) ▲23.2(2.88%)
ドル円:111.47 円 7/20(金) ▼0.97(0.86%)
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