更新日:2018年8月15日(水)
8月のZEWドイツ景況感指数は、期待指数が-13.7。6年ぶり低水準となった7月の-24.7から大幅上昇し、3カ月ぶりの水準を回復。現況指数は8月に72.6となり、1年7カ月ぶり低水準となった7月の72.4からはわずかに0.2ポイントながらも上昇。いずれも2月から7月まで6カ月連続低下していた状態から、7カ月ぶりに反発した状態です。
現況指数が85以上の歴史的高水準でピークアウトすると、期待指数もピークアウトし、ともに急落局面を迎えて期待指数はマイナス圏へ、現況指数も大きく水準を切り下げる展開が繰り返されてきました。今回も期待指数はマイナス圏へと急落しましたが、現況指数はそれほど急落せずに下げ渋る状態となってきた可能性を示しています。
調査開始の1991年以降の長期平均は、期待指数が23.0、現況指数が-6.3となっています。現況指数は2000年代に入ってその水準を大きく切り上げており、長期的に見たドイツ経済の好調ぶりを示しているようで、今年の低迷局面でもレベル的には高水準を維持する範囲内での変動にとどまっている状況です。この影響で逆に期待指数は近年その水準が上昇し難くなっていた可能性もあり、今年は低めの水準からの下振れでマイナス圏入りとなったものの、下方向への振れ幅も過去に比べて限定的にとどまる可能性も示す状況となってきました。
今回は、自動車を除く工業製品に対する関税撤廃に向けての取り組みなどで合意した7月25日の米EU首脳会談が期待値改善に大きく影響した可能性もありそうです。
ただし、この日ドイツ経済省が発表した月報では、「活発な内需と投資の拡大により、ドイツ経済は引き続き上向く見通しだが、米国との貿易摩擦が成長見通しに影を落としている」と引き続き懸念材料であることも指摘しています。
また、8月10日のトルコリラ急落のきっかけにもなった、スペインなど欧州各国銀行のトルコ資産へのエクスポージャー懸念による悪影響は、今のところは反映されていないか、影響自体が限定的となった可能性もありそうです。
14日のNY金相場は+1.8ドル、0.15%の小幅高となって4日ぶりの反発。NY午前には1205ドルまで反発も、米長期金利上昇とユーロ安ドル高の流れが強まったNY午後には再び1200ドル割れ。上下7ドル弱の小動きにとどまり、前日の大幅下落からの自律反発というよりは、下落基調一服という状態。ユーロドルは1年1カ月ぶり安値水準となる1.13ドル台半ば、ドルインデックスは1年2カ月ぶり高水準となる96ポイント台後半まで上昇するなどドル高地合いも続く状況。価格水準下落に対してRSIなどのボトムが切り上がる逆行も見られ、反発への可能性も示唆する兆候も見られるものの、引き続きもう一段の下落余地も。週後半の米経済指標などをきっかけにドル高の勢いが後退するようなら反発も、強まれば下値目安1180ドル付近に向けて売り圧力が強まる展開へ。
NYプラチナ相場は+2.2ドル、0.28%の小幅高で3日ぶりの反発。NY金との90日相関係数は近年最大となる0.976台と連動性が最大限に強まる状態にあり、NY朝には809ドルまで反発も午後にかけての反落局面では800ドルの大台ラインと前日安値も下回り790ドル台半ばまで下落。逆三尊形成への可能性を残したまま800ドル台回復も上値も重く、引け後の時間外には大台ラインでの攻防に。NY金が一段安へと向かえばプラチナも安値更新へ、下値目安770ドル台を目指す展開にも。
ドル円は50銭弱のドル高円安となって3日ぶりの反発。トルコリラ急落一服となり、リスク回避局面でのドル高円高からドル高円安へ。トルコのエルドアン大統領が「米国の電気製品不買運動」を宣言し、トランプ米大統領はトルコが米国人牧師を解放しなければさらなる経済制裁の可能性に言及するなど、引き続き対立の構図は続いてリスク要因に。ドル円の下値トライの動きは110円を割れずに反発に転じたことで、再び保ち合いの様相に。20日移動平均線(111.38)から111円半ばまでが上限となりやすく、下方向は110円半ばまででサポートされやすい状況に。111円後半を上抜けることができれば113円台前半を目指す展開へ、110円半ばを完全に割り込むようなら109円割れを試すような展開にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/14終値とチャート
15日の国内金価格は+23円、0.5%高で3日ぶりの反発。前日のオーバーランから値を戻す展開となって元々の短期下値目安4590円台付近へ。RSIが3日の17.4から14日の23.2へとボトムを切り上げて下げ渋りの可能性を示唆していたこともあり、急落局面一服状態に。反発継続に向けては4月高値からの下落幅に対する23.6%戻し(4661)付近の水準回復が重要な分岐点となり、突破できれば38.2%戻し(4724)付近に向けて一段高の展開にも。しかし、NY金が一段安への警戒感を抱えていることから、下げ止まらない可能性も。安値再更新となれば次の下値目安は2016年11月安値4512円近辺へ。
プラチナ価格は+20円、0.66%高で3日ぶりの反発。大幅下落からの自律反発でいったん下げ止まった形で下値目安3020円台には少し届かず折返し。しかし、流れは下方向へと逆転したばかりのタイミングであり、NYプラチナも金も下方リスクを抱える状態。改めて安値更新へと向かえば、3000円の大台ラインが視野に。
※参考:金プラチナ国内価格8/15とチャート
2018年8月15日(水)時点の相場
国内金:4,582 円 8/15(水) ▲23(0.50%)
国内プラチナ:3,073 円 8/15(水) ▲20(0.66%)
NY金:1,200.7 ドル 8/14(火) ▲1.8(0.15%)
NYプラチナ:801.7 ドル 8/14(火) ▲2.2(0.28%)
ドル円:111.20 円 8/14(火) ▲0.47(0.42%)
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