更新日:2018年8月28日(火)
8月のドイツIFO企業景況感指数は103.8。市場予想の101.8を上回り、7月の101.7からも大幅上昇。前月から上昇するのは昨年11月以来9カ月ぶり。
ドイツ企業の景況感は2月(104.3)以来、半年ぶりの高水準へと急回復し、ユーロの反発基調もサポートする形となりました。
現況指数も7月の105.4から8月は106.4へと上昇、3月(107.1)以来5カ月ぶりの水準を回復。
期待指数は、4カ月連続の節目100割れで2年4カ月ぶり低水準となった7月の98.2から8月は101.2へと急上昇。9カ月ぶりの反発となって節目の100ポイントを回復、1月(101.4)以来、7カ月ぶりの高水準となって景況感指数を押し上げました。
堅調な国内経済情勢に加え、米国との貿易紛争の停滞がビジネスの信頼向上にも寄与したようです。
業種別では、製造業の指数は7月まで6カ月連続低下となった後、8月には7カ月ぶりに上昇。自動車業界の楽観期待が強まった模様。
サービス業では現況指数が好調を維持し、期待指数の上昇幅は2009年6月以来、9年2カ月ぶり。貿易も下げ止まりの兆しとなり、期待指数はやや反発。
小売と卸売業では現況指数はやや低下も期待指数は反発。
好調が続く建設業は過去最高水準へとさらに急騰、現況は2カ月連続で過去最高を更新、期待指数も10カ月ぶりで過去2番めの高水準。
期待指数がピークアウトすると間もなく現況指数もピークアウトし、景況感指数も含めて低下局面へと移行した流れは、期待指数こそ節目の100を割り込んだものの、現況指数の低下が控えめにとどまったことで景況感指数も100ポイント割れを回避して反発に転じた形です。
この結果を示唆するように、8月後半から反発基調に転じたユーロドルの流れが、ドル安とともに金の反発もサポートしています。
27日のNY金相場は+2.7ドル、0.22%の続伸。時間外では一時的に1210ドルを割れる場面もありながら、ほぼ1210ドル台前半での膠着状態からNY市場では1220ドル手前まで上昇。ドイツ8月のIFO企業景況感指数の上振れを好感し、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉で米国とメキシコが2国間協議で合意に達したことで株高の流れとともにユーロ高ドル安が進行。ユーロドルは1カ月ぶりのユーロ高水準となり、ドルインデックスもほぼ1カ月ぶり安値となって節目の95ポイント割れ。ドル安にサポートされたNY金は下げ止まりつつある20日移動平均線(1208.7)もレジスタンスからサポートに切り替わった形で堅調推移。トルコショックに巻き込まれて急落する前の保ち合い高値圏、1230ドル近辺を目指してもう一伸びも。
NYプラチナ相場は+14.8ドル、1.87%の大幅続伸。8月10日(829.6)以来、半月ぶりの水準を回復。株高ユーロ高に追随する形で790ドル付近から800ドル台半ばへと15ドル弱の急騰。抵抗水準となりつつあった790ドル台を飛び越えて800ドルの大台を回復したことにより、地合い好転で反発基調がもう一段進行する可能性。上値目標は急落前の保ち合い水準、8月10日の830ドル付近まで。目前にはだかる20日移動平均線(808.3)が抵抗線となる前に、早めに上抜けておきたいところだが。
ドル円は前日から20銭のドル安円高となって続落。NAFTA再交渉の進展などを好感して米株高の流れも続き、S&P500とナスダックは過去最高値更新、ナスダックは初の8000ポイント台、ダウもほぼ7カ月ぶり高値へとリスク選好の流れ。リスク選好のドル安円安ではドル安のほうが若干優勢となった形も、ほぼ111円を挟んでの保ち合い推移の展開に。ドル高円安方向へと動き出したかにも見えた流れは巻き戻され、方向感もやや喪失気味に。目先は111円台半ばまでで上値は押さえられやすく、突破できれば112円台前半も視野に。円高方向には110円台半ばまでではサポートされやすく、110円ラインが下方向への節目となり、これを下回るようだとトレンド発生の可能性も高まり、5月安値108円近辺を目指す流れにも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/27終値とチャート
28日の国内金価格は+15円、0.32%の続伸。NY金が急騰後の水準を維持したことにサポートされて8月10日(4641)以来、半月ぶりの水準を回復。その8月10日の水準、4640円台を短期上値目標として堅調に推移してきた流れにも、そろそろ一服感も。水平状態へと移行しつつある21日移動平均線(4599)、4600円台がサポート水準となれば、いずれ4700円台回復を目指すような流れに発展する可能性も。目先は小幅高か調整も。
プラチナ価格は+63円、2.08%の大幅続伸。上昇率では7月13日(+70円、+2.19%)以来、1か月半ぶりの大幅高。堅調地合いとなって急騰のNYプラチナに押し上げられた国内プラチナ価格もトレンド好転、とともに上値目標3090-3100円近辺にも到達。1カ月ぶりに21日移動平均線(3094)の水準にも到達したこともあり、一服感も生じやすいところ。しばしば行き過ぎの展開となるプラチナの次の上値目標は急落前の保ち合い水準下限となる3150円近辺。
※参考:金プラチナ国内価格8/28とチャート
2018年8月28日(火)時点の相場
国内金:4,634 円 8/28(火) ▲15(0.32%)
国内プラチナ:3,096 円 8/28(火) ▲63(2.08%)
NY金:1,216.0 ドル 8/27(月) ▲2.7(0.22%)
NYプラチナ:804.2 ドル 8/27(月) ▲14.8(1.87%)
ドル円:111.07 円 8/27(月) ▼0.20(0.18%)
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