更新日:2018年9月25日(火)
9月のドイツIFO企業景況感指数は103.7。半年ぶり高水準へと急反発した8月の103.9からはやや低下したものの、市場予想の103.2程度を上回って高水準を維持したことが好感され、ユーロ買いドル売りの流れを誘発し、間接的にNY金のサポート材料にもなったようです。
現況指数も5カ月ぶり高水準へと急反発した8月の106.5から9月は106.4へと0.1ポイントの低下にとどまり、期待指数は7カ月ぶり高水準となった8月の101.3から9月は101.0と小幅低下にとどまり、節目の100ポイント割れから100ポイント超へと持ち直した状態を維持。いずれも7月までの低下局面から抜け出した流れ継続か、という状態となっています。
セクター別では小売、貿易、サービス業などが上昇し、建設業は3カ月連続の急騰で過去最高を更新。製造業は小幅に低下も依然として長期的には高水準を維持し、見通しは2月以来の高水準へと上昇。先週末に発表された9月のドイツ製造業PMI速報値でも年初からの低下基調が止まらず、しかし水準的には拡大基調を維持しており、悲観ムードはない状況と一致しています。
IFOでも「ドイツ経済は米中貿易摩擦の悪化や不透明な英国のEU離脱交渉の行方の影響」を受けているとの見方を示しているものの、それでも「ドイツ経済は依然として強固」であるとのコメントも。
景況感指数と現況指数の水準の高さがそれを裏付け、期待指数は低下局面を終えた可能性も示し、今後も期待指数が100超の水準を維持できれば景況感の堅調推移を支え、いずれ製造業PMIの下げ止まりにもつながるのではないか、とも予想されます。
24日のNY金相場は3.1ドルの小幅反発。ロンドン時間にはドイツの9月IFO企業景況感指数が予想を上回ったことも好感されてユーロ買いドル売りの流れとなり、ドラギECB総裁の「基調的なインフレは比較的力強い」ことで「賃金上昇も加速し続ける」との強気発言を受けてユーロドルは60ポイントの急騰で3カ月ぶり高値となる1.1810ドル台へ、金も1200ドル台前半から1210ドル手前まで小幅に連れ高。しかし、ユーロドルの戻り売り圧力が強まり、米10年債利回り上昇と米ドルの買い戻しによってユーロドルとNY金は元の水準へと行って来いの展開。20日移動平均線(1205.7)と揉み合いながらの保ち合い推移が継続。4月高値1369.4ドルから8月安値1167.1ドルまでの23.6%戻し(1214.8)付近を突破できれば上昇トレンド形成で50%戻し(1268.3)、1260ドル台が上値目標にも。1190ドル台半ばのサポート水準を割り込めば下値再トライへ、1150ドル台辺りまでが意識される展開にも。
NYプラチナ相場は0.3ドルの小幅安で続落。金の上昇局面にも連れて買われたNY朝には835ドル台まで上昇。先週後半にかけて上値を押さえられた830ドル台半ばが抵抗水準となっての反落で830ドル割れ、ただし下値も820ドル台前半では少しづつ底堅さも。抵抗水準突破で上値再トライとなれば850ドル台までが次の上値目安に、下値は今年1月高値から8月安値までの23.6%戻し(821.2)となる820ドル近辺がサポート水準候補にも。
ドル円は20銭ほど水準を切り上げて小幅に3日続伸、7月18日(112.87)以来のドル高円安水準に。ユーロ主導でドル売りが強まった欧州時間には一時112円40銭台まで下押し。しかし先週末安値近辺では底堅く、米10年債利回りの上昇とともにドルの買い戻しと円安の流れで反発、今朝の東京市場にかけて112円80銭台へ。米10年債利回りは今年高値となった5月17日の3.10%台以来4カ月ぶりの高水準に達しており、反落か上限突破でさらに上昇かという分岐点に。FOMCの金利見通し動向に左右され、タカ派見通しなら金利上昇に連れてドル高円安の流れはもう一段進行で113円台へ。米中貿易戦争、日米貿易協議の動向もリスク要因でもあり、巻き戻し要因にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/24終値とチャート
3連休明け、25日の国内金価格は-29円、0.62%安となって4営業日ぶりの反落。短期上値目標4680円台到達後の調整局面を形成し、若干の買われ過ぎ状態も解消。堅調推移の状態を維持しており、4680円超へと直近高値更新となれば一段高の展開で4月高値4990円から8月安値4458円までの半値戻し(4724)から90日移動平均線(4733)辺りまでが次の上値目標に。下値は9日移動平均線(4632)にサポートされ、21日移動平均線(4609)を割り込んでしまうと流れは逆転、4550円台辺りまでが下値目安にも。NY金が下方ブレイクの場合にはこの展開にも。
プラチナ価格は-28円、0.71%安となり、4日ぶりの反落。ややオーバーラン気味の行き過ぎた流れからの巻き戻しも控えめにとどまり、RSIは70台を維持して若干の過熱感解消も進まず。しかし、NYプラチナが一段高の展開となれば過熱感を振り切って上値トライ再開へ、3230円台を上抜けると7月高値(3265)と今年の下げ幅の38.2%戻し(3267)突破が次の目標に。下値サポート候補としては今年の下げ幅の23.6%戻し(3131)から9日移動平均線(3113)付近まで。
※参考:金プラチナ国内価格9/25とチャート
2018年9月25日(火)時点の相場
国内金:4,651 円 9/25(火) ▼29(0.62%)
国内プラチナ:3,208 円 9/25(火) ▼23(0.71%)
NY金:1,204.4 ドル 9/24(月) ▲3.1(0.26%)
NYプラチナ:829.3 ドル 9/24(月) ▼0.3(0.04%)
ドル円:112.83 円 9/24(月) ▲0.23(0.20%)
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