更新日:2018年11月9日(金)
会見が行われない最後のFOMC声明文では、9月FOMC(9月末)以降の入手情報を基に雇用の伸びは数カ月に渡って堅調であることが示され、「失業率は低いまま」とした9月から「失業率は低下した」へと変更され、失業率のさらなる低下を強調。
実際に失業率は8月の3.9%から9月には3.7%へと低下し、48年9カ月ぶり低水準となって10月もこの水準を維持しました。
しかしこの間、9月末から10月末までの6週間連続で、新規失業保険申請件数のトレンドを示す4週移動平均は増加し続けていました。
この日発表された11月3日までの週の新規失業保険申請件数の4週移動平均は、前の週の21.40万件から21.38万件へとわずかに減少。前週比で減少するのは7週間ぶりとなり、7週続伸をギリギリで回避したことになります。
もし、7週続伸となっていれば、2009年1月から3月にかけて(11週続伸)以来、9年7カ月ぶり。実は前週までの6週続伸でも同様であり、9年7カ月ぶりの増加トレンドを形成していたことになり、新規失業保険申請件数の長期減少トレンドの中では最長記録。
ただし、過去の実績から見ると6週続伸か7週続伸では大きな違いもあります。
過去に4週移動平均が7週続伸以上となったのは、申請件数の増加トレンド形成期か、もしくは減少トレンド末期。
今回、もし7週続伸となっていれば、申請件数の長期減少トレンド末期を示唆するサインとなった可能性もあります。
現在の長期減少トレンド中の4週移動平均の最小記録は7週前、9月15日までの週の20.6万件。1969年12月6日(20.45万件)以来、48年9カ月ぶりの低水準となっていました。
今後、これをさらに更新する長期減少トレンドへと回帰していくことになるのかどうか。もしそうなったとしても、いずれそう遠くはないタイミングで長期減少トレンド末期を示唆するサインが出現する可能性も高まる水準、時期に来ているのかもしれません。
8日のNY金相場は-3.6ドル、0.29%の反落。前日の上ヒゲ陽線が示唆したとおりの流れで1220ドル台後半から半ばへと、小幅ながらも軟調な展開に。欧州委員会が発表した経済見通しで来年のユーロ圏成長率が下方修正され、イタリア財政赤字拡大を予想したこともユーロ売り材料となってドル高をサポートし、金の重石に。FOMCでは予定どおりの現状維持も12月利上げを示唆し、ドル高急進で一時1220ドル手前まで下落。しかし、1220ドル付近では意外と底堅さも見られる状態。
日足レベルでは足下5日間でジリジリと下値を切り下げる形にはなっているものの、11月1日の大陽線の範囲内に収まっており、買い支え圧力の強さもうかがえ、売り疲れからの買い戻しを示唆するパターンのようにも。目先、ドル高一服の可能性もあり、1210ドル台までを維持できれば反発の動きにも。ただし1240ドルが当面の抵抗水準に。確率的にはまだ低そうだが、1210ドル台を維持できなくなれば今年安値圏1180ドル近辺再トライへと向かう可能性も。
NYプラチナ相場は-8.5ドル、0.97%安で3日ぶりの反落。時間外には870ドル台後半を維持して揉み合う展開で堅調ぶりも維持、しかしNY市場では徐々に上値が重くなり、引け後のFOMCを経て870ドル割れ。高値保ち合い下限となる860ドル台半ばではサポートされた状態ながら、堅調推移の展開にはやや翳りも。860ドル台前半から860ドル割れへと向かうようなら調整局面入りで下値目安は840ドル台辺りまで。切り返して880ドルの抵抗水準を突破するようなら上昇トレンド再開で上値目標は900ドルの大台回復へ。
ドル円は50銭超のドル高円安となって3日続伸。今年高値となった10月3日(114.48)以来、1カ月ぶりのドル高円安水準となり、短期上値目標114円近辺にもしっかり到達。FOMCを控えて様子見状態となった欧州時間までは前日高値113円80銭近辺までで上値を押さえられる展開。この水準は今年高値から10月末安値までの76.4%戻しにも相当し、抵抗水準にもなりやすかった水準。しかし米株高の流れとともにドル高の勢いが強まったNY市場でこの水準を突破すると一段高の展開となり、FOMC後には114円手前の揉み合いも上抜けて114円台へ。さらに上値を目指す展開となれば今年高値114円台半ばが意識されることになるものの、12月利上げ示唆への批判やドル高を牽制する声も聞かれそうな状況でもあり、一服感も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/8終値とチャート
9日の国内金価格は+3円の小幅高で4日ぶりの反発。節目となる4800円の大台ラインとの攻防が続く状態ながら失速感も強まり、上昇トレンド一服の様相も。10月末高値保ち合い水準4750-60円辺りまでが目先のサポート候補に。11月安値4725円は下方向への重要な節目となり、割れると一段安の展開で4600円台前半を目指すような流れにも。逆に200日移動平均線と4810円台の抵抗水準を突破するようなら上値トライ再開で4850円台辺りまでが上値目標にも。
週間ベースでは+9円(0.19%)の小幅高で6週続伸。6週続伸となるのは昨年9月以来、1年2カ月ぶり。
プラチナ価格は-17円、0.5%安となって3日ぶりの反落。1週間前の急騰から徐々に失速感も漂う状態となり、3400円の大台ラインが抵抗水準としての存在感を強める様子も。3350円台までのレンジで高値保ち合い形成の様相ともなり、このレンジを維持できればいずれ上値再トライの展開にも。下限割れの場合には3300円近辺までが下値目安となり、上限突破できれば6月高値3450円近辺を目指すような展開にも。
週間ベースでは+29円(0.87%)で続伸。
※参考:金プラチナ国内価格11/9とチャート
2018年11月9日(金)時点の相場
国内金:4,799 円 11/9(金) ▲3(0.06%)
国内プラチナ:3,380 円 11/9(金) ▼17(0.50%)
NY金:1,225.1 ドル 11/8(木) ▼3.6(0.29%)
NYプラチナ:870.3 ドル 11/8(木) ▼8.5(0.97%)
ドル円:114.06 円 11/8(木) ▲0.54(0.48%)
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