更新日:2018年11月13日(火)
イタリアの2019年予算修正期限13日の前日、12日の東京市場大引け後、欧州市場スタート前で市場が閑散となる時間帯を見計らったようにユーロドルが急落しました。
8月安値と10月安値1.13ドルでダブルボトムを形成する可能性を残して11月に入ってからは反発の兆しもありましたが、この日の急落で一気にこの重要水準1.13ドルを割り込むと、昨年6月26日(1.1180ドル)以来、1年4カ月ぶりの安値水準となる1.1220ドル近辺まで水準を切り下げることになりました。
ユーロドルが節目の1.13ドルを大きく割り込んだことにより、ドルインデックスも昨年6月以来、1年4カ月ぶり高水準へと上昇。ドル高基調で上値の重い状態が続いていたNY金も一段安となり、1200ドルの大台割れをかけた攻防状態となってきた様子です。
ユーロドルは2016年12月安値1.0350ドル台から、今年2月高値で1.2550ドル台まで上昇し、61.8%戻しとなる1.1190ドルまであとわずかの水準まで下落してきました。
イタリア予算を巡ってのEUとの対立の構図が解消されず、英国のEU離脱を巡る合意が進展しないようだと、ユーロ売り圧力は一段と強まることも予想されます。
ユーロドルは61.8%戻しラインも割り込んで76.4%戻しとなる1.0870ドル台まで下落するような展開も予想されそうです。
同様にドル高に伴う下押し圧力が強まりやすいNY金の場合、2016年12月安値1124.3ドルから今年4月高値1369.4ドルまでの61.8%戻し、1217.9ドルを既に割り込み、76.4%戻しなら1182.1ドル。8月の急落局面での終値ベースでの安値が1184ドル。安値では一時1167.1ドルまで下落していました。
ユーロドルが1.12ドルの節目を割り込んで1.0870ドル台へと向かうような展開となった場合、ユーロドルに連れ安となりやすいNY金は、1200ドルの節目を割り込む可能性は高まりますが、1180ドル付近ではサポートされる展開も予想できそうです。
12日のNY金相場は-5.1ドル、0.42%安となって3日続落。東京市場引け後の時間帯から仕掛け的な売りも入った様子でユーロが急落、ドル高の勢いが強まってNY金は1210ドルを割り込んでの軟調推移。債券市場が休場となったNY市場ではアップル株急落などで米株急落、ダウは600ドル超、ナスダックは200ポイント超、いずれも2%超の大幅下落となり、原油も11日続落となって9カ月ぶり安値となる60ドル割れ。大荒れ模様となったなかでも安全資産としての金買いは入らず、1200ドル割れを回避するのがやっと、という状態に。サポート水準となりうる1200ドルの大台ライン付近でいったんは下げ止まった状態でもあるものの、流れとしては売り優勢の展開がもう一段進行する可能性もあり、大台を割り込めば今年安値圏1180ドル近辺までが意識される展開へ。
NYプラチナ相場は-10.7ドル、1.25%の下落で3日続落。NY朝までは850ドル台半ばでの揉み合いで下げ渋る展開も、米株の急落に追随するように840ドル台半ばへと10ドルほどの急落。2週間ぶりの水準となり、高値保ち合い崩れからの調整目安840ドル台に到達。調整一服となりやすい状態も、金が一段安へと向かうようだとこれに追随しがちで90日移動平均線(823.3)近辺までが次のサポート水準にも。
ドル円は先週末からほぼ変わらずの横ばい推移。ユーロ売りに連れてポンドも売られ、欧州通貨安が牽引する形でのドル全面高となり、東京午後の時間帯には114円20銭近辺まで上昇。今年高値となった10月4日以来、1カ月ぶりのドル高円安水準がピークとなり、欧州時間にかけてはリスク回避的な流れとなってドル高円高、ドル円は114円割れへと巻き戻しの展開に。株安の流れもあってNY時間にかけても円高優勢の流れで一時113円60銭台まで下落。行って来いの展開となって上ヒゲ十字線を形成し、反落への警戒感も。ただし今朝の東京市場では日経平均の700円安などにも下値は113円50銭台では下げ渋る状態に。目先、114円台では抵抗感が強く、113円台での保ち合い推移の展開にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/12終値とチャート
13日の国内金価格は-46円、0.97%の続落。10月11日(4616)以来、1カ月ぶりの安値水準となり、サポートされる可能性もあった直近安値4720円台をスルーしてしまったことで一段安への可能性が拡大。当面の下値目標としては10月安値も意識され、4630円台辺りまで。NY金が下げ渋る展開となれば下げ幅は限定的となり、90日移動平均線(4680)辺りでサポートされる可能性も。
プラチナ価格は-63円、1.88%の大幅安となって3日続落。高値保ち合い崩れからの急落で下値目安3300円近辺に到達、勢い余って若干のオーバーランという状態に。NYプラチナも適度な水準まで下げた状態となり、水準的にはいったん落ち着いても良さそうな状態ながら、金の下落余地と株安など不安定な市場動向の余波も。
※参考:金プラチナ国内価格11/13とチャート
2018年11月13日(火)時点の相場
国内金:4,708 円 11/13(火) ▼46(0.97%)
国内プラチナ:3,289 円 11/13(火) ▼63(1.88%)
NY金:1,203.5 ドル 11/12(月) ▼5.1(0.42%)
NYプラチナ:845.3 ドル 11/12(月) ▼10.7(1.25%)
ドル円:113.84 円 11/12(月) ▲0.02(0.01%)
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