更新日:2018年12月21日(金)
ムニューシン米財務長官が「市場の反応は度が過ぎる」と発言した後も、株安の流れは止まらずNYダウもナスダックも連日の大幅安となって昨年10月以来、1年2カ月ぶりの安値水準に。ドイツDAXは2016年12月以来、2年ぶりの安値水準へと一段安、英FTSEも2日前につけた2年1カ月ぶり安値圏へと反落、1年3カ月ぶり安値となった日経平均は21日前引けで20000円割れ目前という状況に。
VIX指数も2月のVIXショック以来の水準となる28.38へと急騰し、早期利上げ打ち止めを催促するようなリスク回避相場となっています。
その反面、利上げペース減速もあってドル売りの流れも強まり、FOMC直後には消化不良状態にあった金は急騰の展開に。
この日発表された12月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数も2年4カ月ぶり低水準となり、米景気減速懸念によるリスク回避を増幅させる要因の一つにもなったようです。
総合指数は2016年8月(6.2)以来の低水準となり、6カ月平均では1年8カ月続いた20超の高水準から下落し始めた11月の19.3から12月は17.5へと一段と低下。1年11カ月ぶり低水準となってピークアウトが鮮明に。
出荷は2016年9月以来2年3カ月ぶり低水準、雇用は前月から小幅に上昇も平均労働時間は2016年10月以来、2年2カ月ぶりの低水準。
その一方で期待指数は2年9カ月ぶり低水準となった11月の27.2から31.7へと上昇し、雇用用見通しも7カ月ぶりの高水準へと上昇。
全面的に悲観するような内容ではないようです。
ただし、NY連銀製造業景況指数の1年7カ月ぶり低水準に続く主要地区連銀の景況感下振れにより、年明け1月3日に発表されるISM製造業景況指数の低調も予想され、景気減速懸念が助長されて2019年も新年はリスク回避ムードが強まる可能性も高まってきました。
20日のNY金相場は+11.5ドル、0.92%高となって4日続伸。6月25日(1268.9)以来、半年ぶりの高値水準。FOMC直後に1240ドル台半ばまで下押し後、東京時間午後からドル安の流れが強まり始め、反発に転じた金は欧州時間には節目となっていた1250ドル半ばを回復。NY市場では米株の一段安でリスクオフムードも強まり、半年ぶりの200日移動平均線(1257.6)上抜け再トライに成功すると一段高、短期上値目標1270ドル台にもワンタッチ。年初来安値更新が続く欧米主要株にもクリスマス前のポジション調整も入りやすく、金も上昇一服となりやすい局面に。現状水準は4月高値から8月安値までの半値戻し(1268.3)にも到達しており、多少の調整をはさんで堅調推移再開となれば、年明けに向けて次の上値目安となりやすいのは61.8%戻し(1292.1)から1300ドルの大台も視野に。
NYプラチナ相場は-0.2ドル、0.03%の小反落。FOMC後に780ドル台半ばまで下落した後、下げ渋って反発に転じた流れは金に追随する展開。しかし欧州株安の流れが重石にもなった様子で伸び悩み、NY午後につけた高値はまたも800ドル手前まで。金との価格差は10日に記録した467.3ドルを超え、472.1ドルへと過去最大を更新。780ドルから810ドルまでのレンジでの保ち合い推移が続き、800ドルラインにも抵抗感が強まる状態。ただし、方向感も金に追随しやすい状態も回復しつつあり、年末年始に向けては上方ブレイクをトライしに行く可能性も。
ドル円は120銭弱の大幅ドル安円高となって5日続落。東京時間には日経平均の下落とともに下値を切り下げ、欧州時間にはドル安急進、NY時間には米株の大幅続落でリスク回避の円高となって一時111円割れ、9月12日(111.23)以来、3カ月ぶりのドル安円高水準に。
今年、1日で1%以上の下落となったのは3日しかなく、日銀テーパリング疑惑で下げた1月10日(-1.21円、1.08%)に次いで11カ月ぶり、今年2番めの大幅下落。ちなみに3番目はVIXショックとなった2月5日(-1.12円、1.02%)、1%以上の上昇は1日しかなく、今年安値からの反発局面となった3月28日の+1.48円(1.4%)。
今朝の東京市場では日経平均の大幅安で4日続落にもかかわらず111円20銭近辺で下げ渋る状態。下値目安112円前後を大きく下回る水準となり、短期的にはある程度の戻りを試す展開も想定されるものの、株安とボラティリティ拡大状態が続くようだと一段安への警戒感も。今年安値から高値までの38.2%戻し(110円70銭台)をほぼ達成した状態にあり、50%戻し(109円60銭台)が次の警戒水準にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/20終値とチャート
21日の国内金価格は+16円、0.33%高で3日ぶりの反発。前日下落分を取り戻してFOMC前の水準を回復も、円高の勢いが強まり過ぎたことでNY金の上昇分を相殺してしまい、またも9日移動平均線(4837)を超えられず。8月以降の反発基調は維持する状態も足下ではやや上値が重くなり、4810円から4860円までのレンジで年末の攻防へ。4810円を割れると4750円程度まで調整幅拡大へ、4860円を超えると4900円の大台トライへ。
週間ベースでは-28円(0.58%)となり、5週ぶりの反落。
プラチナ価格も3日ぶりの反発も+3円、0.03%の小幅高。一段安へと向かいそうな状況でなんとか持ち堪える状態となり、耐え続けることができれば徐々に地合い回復も。3055円まで下げた11日のRSIは15.8、3050円まで下げた20日のRSIは29.0と逆行状態で反発の可能性も示唆。そうなればまずは9日移動平均線(3083)上抜けトライへ。そうならなければ年末に向けては3000円の大台付近を目指す流れへ。
週間ベースでは-70円(2.24%)で反落。
※参考:金プラチナ国内価格12/21とチャート
2018年12月21日(金)時点の相場
国内金:4,829 円 12/21(金) ▲16(0.33%)
国内プラチナ:3,053 円 12/21(金) ▲3(0.10%)
NY金:1,267.9 ドル 12/20(木) ▲11.5(0.92%)
NYプラチナ:795.8 ドル 12/20(木) ▼0.2(0.03%)
ドル円:111.27 円 12/20(木) ▼1.18(1.05%)
Copyright(C) Let's GOLD