更新日:2018年12月22日(土)
欧州委員会が発表した12月のユーロ圏消費者信頼感指数の速報値は-6.2。市場予想の-4.3を下回り、昨年2月(-6.4)以来、1年10カ月ぶりの低水準。11月の-3.9からは-2.3ポイントとなり、低下幅としては2016年2月(-2.5)以来、2年10カ月ぶりの急低下となりました。
なお、EUとしては-5.9となり、2016年11月(-5.9)以来2年1カ月ぶり低水準となっています。
EUとユーロ圏の数値は今年後半にはほぼ同水準で同じような推移で低下しています。
今年1月にユーロ圏は1.4、EUは0.4といずれも17年5カ月ぶりの高水準となった後、減速基調が1年間続いたことになります。
英国のEU離脱合意に向けての迷走状態による不透明感と警戒感も高まりつつあり、貿易摩擦の問題も影響し、自動車販売の低迷も続き、ユーロ圏の消費者マインドの減速基調はなかなか収束しません。
ユーロ圏の景気全体への押し下げ要因となるとともに、通貨ユーロの押し下げ要因となる状態も続きます。
しかし、相対的に買われやすくなっていたドルもFOMC後には売り圧力が強まり、その前から軟調推移が続いている株式市場の一段安の展開とも相まってリスク回避ムードが強まりつつあります。
米国の景気減速懸念もクローズアップされ始め、足下では米政府機関シャットダウンの可能性やマティス米国防長官の抗議の辞任によって米政局不安への波及も警戒され、米中冷戦状態も継続し、波乱要因があちこに点在する状況となってきました。
この日、VIX指数は30.11と2月8日(33.46)以来となる30ポイント台の高水準へと一段高となり、年末に向けての警戒ムードもさらに押し上げます。
21日のNY金相場は-9.8ドル、0.77%安となって5日ぶりの反落。短期上値目標1270ドル台到達に伴う一服感もあり、クリスマス休暇前のポジション調整の動きでNY午後には1260ドル割れ。前日上抜けた200日移動平均線(1257.3)には支えられた状態となり、ここから1250ドル辺りまではサポート候補。さらに1240ドルの節目が次のサポートにも。1270ドルの高値更新へと動き出せば一段高の展開となり、5月安値圏1280ドル台から4-8月の61.8%戻しとなる1290ドル近辺までが次の上値目安に。
週間ベースでは+16.7ドル(1.35%)の反発。
NYプラチナ相場は前日から変わらず横ばい推移。10ドルほどの小幅レンジでの上下動となり、この日も上値は800ドル手前まで、NY引け後には790ドル割れ。これで6営業日連続800ドルで上値を押さえられる展開が継続。流れとしては反発方向優勢の状態も800ドルの大台回復が目先の重要ポイントに。年末に向けて閑散状態となりやすいなか、金が跳ねてプラチナもこれに追随するような展開となれば大台回復も。さらに810ドルの節目も突破できれば840ドル台までが次の上値目標に。ただし780ドルを割れると750ドル台へと安値再トライへも。
週間では+10.5ドル(1.34%)で7週ぶりの反発。
ドル円は前日からほぼ変わらず111円20銭台を維持も6日続落。前日NY終盤に110円80銭台まで売り込まれた反動もあり、日経平均の2万円割れも意識されるような軟調推移にも下げ渋って東京午後には一時111円40銭台まで反発。しかし米10年債利回りの低下基調に加え、米7-9月期GDP確定値の下方修正や11月耐久財受注の下振れなどもあり、110円90銭台まで下落。しかし、NY連銀ウィリアムズ総裁の「さらなる利上げは公約でも約束でもない、経済が減速すれば金融政策運営を見直す可能性も」など株価救済発言により米株が急反発するとドル円も反発に転じ、111円40銭台を回復する場面も。連日200日移動平均線(110.91)に下値をサポートされ、下げ止まり安い状態も、次週、閑散相場で売り圧力が強まるようだと今年安値から高値までの半値戻し(109円60銭台)をトライしに行くような展開にも。
週間ベースでは-2.12円(1.87%)の反落。下げ幅としては2月12日からの週(-2.47円、2.27%)以来、10カ月ぶりの大幅安。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/21終値とチャート
2018年12月22日(土)時点の相場
国内金:4,829 円 12/21(金) ▲16(0.33%)
国内プラチナ:3,053 円 12/21(金) ▲3(0.10%)
NY金:1,258.1 ドル 12/21(金) ▼9.8(0.77%)
NYプラチナ:795.8 ドル 12/21(金) +-0.0(0.00%)
ドル円:111.26 円 12/21(金) ▼0.01(0.01%)
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