更新日:2019年2月7日(木)
トランプ米大統領の一般教書演説では、政権発足後の2年間の成果を自画自賛し、あらためてメキシコ国境の壁建設の必要性をアピール。「壁は機能する」「壁は命を救う」「私が実現する」と強調したことで市場は株安円高の流れがやや強まる反応。民主党議員の冷めた反応が相変わらずの対立の構図を強調し、予算合意に向けた不安感を煽ります。
この日、閉鎖状態から復活した商務省から11月の貿易統計が1カ月遅れで発表されました。
米11月の貿易赤字は493.1億ドルに縮小。赤字幅は市場予想の540億ドルを大きく下回り、10月の557億ドルからも大幅縮小。10月までは5カ月連続で赤字幅が拡大し、10年ぶりの大幅赤字となっていましたが、11月は半年ぶりに赤字幅を縮小し、6月以来5カ月ぶりの水準となりました。
赤字額の前月比では-11.5%となり、3月(-15%)以来8カ月ぶりの急縮小となっています。
輸出が3カ月ぶりの水準へと減少したのに対し、輸入は5カ月ぶりの水準へと減少。輸入額は10月まで3カ月連続で過去最大を更新していましたが、11月は前月比-2.9%となり、2016年3月以来2年8カ月ぶりの急減少となっています。
なお、対中国の貿易赤字も10月までは3カ月連続で過去最大を更新していましたが、11月は4カ月ぶりの水準へと急減少しました。
米中貿易摩擦の影響から、輸出入ともに減少してはいますが、いずれも過去最大規模レベル付近を維持しており、結果的に赤字幅が縮小したことでGDP押し上げ効果も期待されることにもなりそうです。
米中貿易協議進展に伴い、今後の中国の輸入拡大も予想され、米国から見た輸出額の増加も予想されそうです。
次月もさらに赤字幅縮小となるかどうかはわかりませんが、その前に予定どおり発表されるかどうかが問題です。
もし政府機関再閉鎖となれば、3月6日予定となった12月貿易統計や、2月28日予定となった2018年第4四半期GDP速報値などの発表も危ぶまれ、重要指標発表スケジュールの大幅遅延自体がリスク要因ともなりそうです。
6日のNY金相場は-4.8ドル、0.36%安となって4日続落。オーストラリア準備銀行のロウ総裁が金融政策見通しを引き締め方向から中立へと転換すると示唆したことをきっかけに豪ドルが急落、ユーロ安なども続きドル全面高の流れとなって金の調整フェーズを後押し。時間外には1320ドルが抵抗水準となって1310ドル台後半での小幅保ち合いも、NY市場にかけて水準を切り下げると引け後には一時1310ドル割れ。目先、1330ドルを上限として保ち合い形成の様相となり、1300ドルの大台ライン付近をサポート候補にもう一段の調整も入りやすい状況に。上限突破となれば1340ドル台へと水準を切り上げる展開にも。
NYプラチナ相場は-6.1ドル、0.74%安で3日続落。820ドルをはさんでの小幅保ち合いとなった時間外から、NY朝には一時820ドル半ばまで小幅上昇後には戻り売り、810ドル台前半へと急落の展開に。NY引け後には810ドルも割り込んでおり、調整圧力が強まりつつある様子も。今年に入って830ドル超の高値を2度(3度)つけており、ダブルトップ(トリプルトップ)形成への警戒感も漂いながらの調整局面に。ネックラインとなる下方向への重要な節目は790ドル。目先、すぐにここを割り込むような展開は想定されないものの、今後さらに売り圧力が強まってこの水準を割り込んだ場合には昨年安値付近、760ドル近辺までを試しに行く可能性も。
金との価格差は1月31日の500.5ドルをわずかに上回って過去最大を更新、500.6ドルに。
ドル円はわずかに水準を切り上げて4日続伸。トランプ米大統領の一般教書演説には売り圧力が優勢となり、109円60銭台まで下押し。欧州時間には109円50銭台まで下げる場面もあったものの、この水準では底堅く推移、米貿易赤字縮小なども好感してNY時間には110円台を回復。短期的な流れとしては反発局面継続中となり、下は109円半ばで支えられ、しかし上方向は110円ラインに押さえられる状態。日足・一目均衡表の雲の上限を超えつつあり、買い圧力が若干強まる可能性も。110円台へとしっかり水準を切り上げることができれば12月末高値111円台前半までは上値を伸ばす可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/6終値とチャート
7日の国内金価格は-30円、0.6%安となって9日ぶりの反落。一方的な買われ過ぎからようやくの調整となって9日移動平均線(4929)付近まで下落。9カ月ぶりに90日移動平均線(4784)が200日移動平均線(4783)を上抜け、中期強気相場入りの様相にも。しかし、この日の価格が30円も下げたことで上向きの兆しもあった200日移動平均線はわずかに低下の兆しへ。過去、90日線が200日線を上抜けた2012年10月以降の4回のうち、数カ月の上昇基調が続いて価格が5100円超のピーク水準をつけた3回はいずれも200日移動平均線の上昇局面。残りの1回は今回と同様に水平状態。目先、4960円超へと切り返して高値更新となれば5000円の大台トライの展開も予想され、200日線押し上げにも寄与することにもなりそうだが、少し時間も必要か。
プラチナ価格は-52円、1.68%の大幅続落。短期上値目標3120円台に対しては3113円までと惜しくも届かず、急失速。9-21日移動平均線(3082-3053)をまとめて下抜け、節目の3060円も割り込んでしまったことで流れは逆転方向へ。3000円の大台ライン付近までを下値目安に一段安の展開が予想される状況に。
金との価格差は1月31日の1862円を大きく上回り、1881円へと過去最大を更新。
※参考:金プラチナ国内価格2/7とチャート
2019年2月7日(木)時点の相場
国内金:4,930 円 2/7(木) ▼30(0.60%)
国内プラチナ:3,049 円 2/7(木) ▼52(1.68%)
NY金:1,314.4 ドル 2/6(水) ▼4.8(0.36%)
NYプラチナ:813.8 ドル 2/6(水) ▼6.1(0.74%)
ドル円:110.00 円 2/6(水) ▲0.04(0.04%)
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