更新日:2019年3月20日(水)
3月のZEWドイツ景況感指数、現況指数は11.1となって6カ月続落、2014年12月(10.0)以来、4年3カ月ぶり低水準。現況指数は未だ下げ止まらず、ピークアウト後の急低下局面はまだ続いています。
その一方で期待指数は2月の-13.4から3月は-3.6へと大幅上昇。マイナス圏推移は12カ月連続となり、リーマンショック時の2007年8月から2009年3月まで(20カ月連続)以来、10年ぶりの長期マイナス圏推移も続くものの、足下では5カ月連続の上昇。底打ちした可能性も高まり、マイナス圏脱出も見えてきたようです。
過去の推移からは、期待指数がプラス圏を回復すれば現況指数も底打ちへ。春以降、現況指数はマイナス圏入りを回避して反転する可能性もありそうです。
貿易摩擦への警戒感などを織り込み、世界的リスク後退への可能性も示唆し、英国議会が先週、EU離脱延期を要請する案を賛成多数で可決したことを好感する市場ムードも反映する形にもなったようです。
ただし、対米貿易を中心に今後も続く世界貿易摩擦懸念、ドイツにとっての貿易大国でもある中国の景気減速懸念、英EU離脱の不透明感と欧州への影響懸念は引き続き今年のドイツ経済にとっての警戒要因となり続ける状況でもあります。
ドイツ政府の経済諮問委員会もこの日、今年の成長率見通しを昨年11月時点での1.5%から0.8%へと引き下げました。
それでも、警戒感を抱えながらも自動車販売台数の回復傾向に続き、ドイツ企業の景況感も徐々に底打ちの可能性も示し始めてきたようです。
通貨ユーロの押し下げ要因にもなってきたドイツ経済の減速懸念が後退することになれば、ドル高地合いを支えてきたユーロ安も徐々に緩和され、金の上値を押さえる重要な要素の一つとなってきたドル高圧力も弱まり始めることにもなるかもしれません。
19日のNY金相場は+5ドル、0.38%の反発。2日連続で値幅が9ドルにも満たない小動きとなったFOMC前日、それでも地合いは好転方向へ。ゆるやかにユーロ高ドル安の流れとなったことにも支えられ、1300ドルを維持しての堅調推移で欧州時間には一時1週間ぶり高値となる1310ドルまで上昇。1290ドルから1310ドルまでのレンジを維持したまま本日NY引け後のFOMC待ちへ。それほどのサプライズは予想されないものの、早期資産縮小停止や景気見通しと利上げ見通しの引き下げがあまりに軽微にとどまらない限りはハト派的と解釈されて金のサポート要因にも。1310ドルの上限突破となれば今年高値1340ドル台を目指す流れがスタートする可能性。予想外にタカ派的となって1290ドルを割れるようなことがあれば一段安の展開となり、当面の下値目安は1250ドル台まで。
NYプラチナ相場は+18.6ドル、2.23%の大幅高となって3日続伸。3月1日(863.7)以来、半月ぶりの高値水準に。抵抗水準となっていた20日移動平均線(840.2)を時間外に上抜けると加速、NY朝には850ドル台半ばまで15ドル程の急騰。ややフライング気味ながらFOMC前にレンジ上方ブレイクとなり、今年最高値879.9ドル更新トライへと向かう流れがスタートした可能性。
ドル円は5銭弱のドル安円高となって小幅に3日続落。2日連続で値幅30銭強の小動きとなり、東京時間には株安にも連れて111円10銭台まで下押しも足下の下値サポート水準では底堅く、欧州・NY時間にかけては米10年債利回りの上昇にも連れて111円40銭台へと反発。しかし200日移動平均線(111.45)付近では上値も重く、111円前半での保ち合い推移の展開に。今朝の東京市場では祝日前の五十日で買いが集中した模様で111円70銭近辺まで急騰する場面も、目先の抵抗水準に上値を押さえられた状態に。FOMC後にドル安の流れとなって111円10銭台のサポートを割れると110円前後を目安にドル安円高進行も。予想外にドル高方向へ111円70銭台を超えると
113円台を上値目標にドル高円安の流れにも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/19終値とチャート
20日の国内金価格は+13円、0.26%高で3日続伸。3月1日(5029)以来、3週間ぶりの高値水準。1週間前の高値5012円をわずかながらも上抜け、反発の勢いが強まり始めた様子も。FOMC後にNY金が上方向に動き出せば、多少のドル安円高を相殺してもう一段の上昇も見込めそうな状況にも。当面の上値目標は今年高値保ち合い半ばの水準、5050円台まで。
プラチナ価格は+72円、2.24%の大幅高で3日続伸。3月4日(3298)以来、2週間ぶりの高値水準。NYプラチナの予想外の急騰に押し上げられ、抵抗水準となる可能性も高いと見られた3220円台を突き抜け、次の上値目標3300円に早くも急接近。FOMCでも予想外にタカ派的となれば金に連れての大幅巻き戻しへの警戒感も残るものの、地合いは好転。NYプラチナが一段高となれば国内価格は行き過ぎの展開となって今年高値更新トライの可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格3/20とチャート
2019年3月20日(水)時点の相場
国内金:5,016 円 3/20(水) ▲13(0.26%)
国内プラチナ:3,284 円 3/20(水) ▲72(2.24%)
NY金:1,306.5 ドル 3/19(火) ▲5.0(0.38%)
NYプラチナ:852.6 ドル 3/19(火) ▲18.6(2.23%)
ドル円:111.39 円 3/19(火) ▼0.04(0.04%)
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