更新日：2019年4月8日(月)
NYプラチナの急騰に連れて、国内プラチナ価格の急騰も止まりません。
年初から南アのプラチナ鉱山ストや電力不足問題なども影響し、パラジウムの金価格を超えての急騰などにも触発される形でここにきてプラチナETF残高が過去最高へと急増、急騰局面を形成するプラチナ価格。3月の中国製造業PMIが国家統計局、財新ともに節目の50超へと回復の兆しとなったことに加え、米中貿易協議の進展観測なども追い風となり、プラチナ消費需要大国でもある中国のプラチナ需要回復期待などもサポート材料となっているのではないかと思われます。
国内プラチナ価格は2018年11月高値3397円を上回り、2018年後半以降の主要レンジ3000円から3400円を上抜けてきました。そして、昨年8月安値と今年1月安値とで形成するダブルボトムを完成。概ね3000円から3400円までのレンジで形成したダブルボトムのネックラインを超えてきたことで、これがダマシに終わらなければ、中長期的に見れば最大で3800円までの上昇も見込めそうな状況となってきました。この水準は2017年後半以降のレンジ上限にも相当します。
また、2015年1月高値5193円と2018年1月高値3843円を結ぶ長期抵抗線も上抜けています。
国内プラチナ価格は、3400円超の水準を維持し続けることができれば、当面の主要レンジを3400円から3800円へと、1段階上方シフトする可能性もありそうです。
8日のプラチナ価格は+14円、0.41％高となって6日続伸。6日続伸は昨年11月初旬以来、5カ月ぶり。昨年5月14日（3482）以来、11カ月ぶりの高値水準。RSIは75.8と過熱感も高まる状態ながら、1カ月前には80台まで上昇しており異常値とは言えない状態。ただし、90日移動平均上方乖離率は10.2％まで拡大。10％を超えるのは2013年3月12日（10.18％）以来、6年1カ月ぶり。2015年のVWショックで大きく水準を切り下げて以降では最大の買われ過ぎ。近年、しばしば繰り返されてきた急騰後の急反落の展開となれば、今年安値からここまでの高値の23.6％戻しでも3354円。
過熱感を振り切っての上昇が続けば昨年高安の61.8％戻し3487円も視野に。
金との価格差は1506円となり、昨年11月28日（1483）以来4カ月半ぶりの水準、過去最大となった2月15日の1976円からは470円、23.8％の縮小。
NYプラチナは先週末水準905ドルから910ドル超へとさらに水準を切り上げての週明けスタート。
国内金価格は、近年の高値圏での攻防ライン5000円をはさんでの揉み合い状態の様相となっています。2月には長期上値抵抗線を一時上抜けましたが、これを維持できずに反落、長期的な上値抵抗水準として今後、5100円ラインも意識されそうな状況にもなっています。
近年、上昇基調の200日移動平均線を90日移動平均線が上抜けた場合には、数カ月以上の上昇トレンドが続き、5000円超の高値をつける展開が繰り返されてきました。そして、90日移動平均線のピークアウトが高値圏推移の終了サインにもなってきました。
現状は90日線のゴールデンクロスから2カ月余り、90日線自体は上昇基調を維持し、まだピークアウトには至っていません。
5000円をはさんでの揉み合い状態から、再度上値トライへと向かう可能性も残されますが、5000円前後の揉み合いから下放れへと向かうようなら、90日線のピークアウトも警戒されます。
8日の国内金価格はわずかに-1円、0.02％安となって6営業日ぶりの小反落。週明け時間外のNY金は一時1298ドルまで上昇、先週末水準1290ドル台半ばとの間で保ち合いの様相で1300ドルが抵抗水準として意識されそうな状態にも、ドル円は日経平均がプラス圏からマイナス圏へと落ち込んだことにも連れて111円60銭台での保ち合いから111円50銭割れへと軟調スタート。週末の雇用統計後に米10年債利回りが2.5％割れへと急落した状態も維持しており、ドル円の重石にもなっている様子も。
国内金価格は21日移動平均線に引っかかっての横ばい推移となり、5020円までを上限とするレンジが意識される状態。下値は4910円の下限をしばらくは維持できるかもしれないのの、上限突破もそう簡単ではなさそうな状況にも。突破できれば5100円台トライへと向かう可能性も。
※参考：金プラチナ国内価格4/8とチャート
2019年4月8日(月)時点の相場
国内金：4,975 円 4/8(月) ▼1(0.02％)
国内プラチナ：3,469 円 4/8(月) ▲14(0.41％)
NY金：1,295.6 ﾄﾞﾙ 4/5(金) ▲1.3(0.10％)
NYプラチナ：905.4 ﾄﾞﾙ 4/5(金) ▲0.9(0.10％)
ドル円：111.73 円 4/5(金) ▲0.12(0.11％)