更新日:2019年5月22日(水)
日本のコマツ社が開発した建設機械稼働管理システム「KOMTRAX」では、地域別のKOMATSU社製建設機械の稼働時間が管理され、1台当たりの月間平均稼働時間が公表されています。
このデータによれば、4月の平均稼働時間は、日本は51.8、北米では72.8時間。前年同月比で見ると、日本は-0.4%、北米は+2.5%。
季節要因などを考慮してトレンドを見るために3カ月平均での推移を比較すると、日本は4月時点で-6.3%、北米は+2.6%となっています。
北米では、ブレグジット後の低迷期となった2016年7月と9月に-7.6%となって底打ち後、トランプ政権誕生とともにプラス圏を回復。2017年5月から2018年1月にかけては概ね前年比+2、3%での推移、拡大基調が続きました。NYダウの26000ドル超えなど米株の上昇トレンドが続いた時期にも相当します。その後は乱高下を経て2018年11月には-4.7%まで低下して反発しています。米中貿易摩擦や米景気減速懸念なども背景に米株の調整、最高値更新、そして年末の大幅調整局面を示唆するような推移にもなっていました。
しかし、年をまたいで急上昇すると2019年3月には1年2カ月ぶり高水準となる+2.8%。NYダウが4月に年初来高値を更新して過去最高値に迫る26600ドル台まで上昇したのに先行する形にもなっていました。
日本では、2017年1月に前年比3カ月平均で+6.0%となったのが近年のピーク。6月に再度+5.0%まで上昇後は低下傾向が続き、2018年5月以降は12カ月連続で前年割れが続き、今年2月以降は3カ月連続で-6%台での低迷が続きます。
この推移は、内閣府の景気ウォッチャー調査の現状判斷DI、先行き判斷DIにも先行し、その方向性を示唆しているようです。
米国景気は今年、春にかけて力強く回復し、ただし5月に入ってからの米中貿易摩擦懸念拡大による影響も警戒されるところです。
日本では1-3月期GDP速報値が予想以上の好結果とはなりましたが、現場レベルの実働時間では、ブレグジット以来の低迷状態となっています。
経済協力開発機構(OECD)が21日発表した2019年の世界経済成長率見通しを3月時点から0.1ポイント引き下げて3.2%としたなかで、米国の見通しは0.2ポイント引き上げて2.8%としたのに対し、日本の見通しを0.1ポイント引き下げて0.7%としたことを裏付けるような推移にもなっています。
21日のNY金相場は-4.1ドル、0.32%の反落。5月2日(1272.0)以来、20日ぶり安値水準で4月後半以降のサポート水準に到達。米商務省がファーウェイ禁輸措置に関して、既存ネットワーク機器の継続運用や端末装置の保守などの業務については90日間の猶予を与えることを発表したことで、市場の警戒感は徐々に緩和。東京時間午後から欧州・NY時間へと株高円安、ドル高に金利上昇の流れも進行し、NY金は1270ドル後半からジリジリと値を下げる展開に。NY朝には一時的に1270ドルを割れる場面もあったものの、4月後半以降何度もサポートされてきたこの水準では底堅さも。しかし短期トレンドは下向き、目先の主要レンジ1270ドルから1300ドルまでを維持できなくなれば一段安の展開も想定され、12月半ばの押し目水準1240ドル近辺までが次に下値目安に。
NYプラチナは+1.2ドル、0.15%の小幅高で5日ぶりの反発。短期下値目安820ドル台を若干行き過ぎた後、810ドル台半ばでは下げ渋りの様相にも。ただ、時間外での反発局面では820ドルが抵抗水準にもなり、NY朝には一時810ドル割れ、2月19日(804.0)以来3カ月ぶり安値を試す場面も。ただし日足レベルでは大きく水準を切り下げてきたところで十字線を形成し、底打ちへの可能性も示唆する状態にも。その為にはまず水平状態の200日移動平均線(831.0)回復がポイントに。
ドル円は50銭弱のドル高円安となって110円半ば、5月6日(110.72)以来2週間ぶりの高値水準に。東京時間には前日高値を超えられず、110円20銭台でいったん上値を押さえられた後、欧州時間からリスク後退ムードが強まり、株高・円安の流れとなってNY午後には一時110円70銭手前まで上昇。上値の目安ともなっていた90日移動平均線(110.73)付近に到達し、これがいったん抵抗線にもなる形で頭打ち。目先は110円台前半を主要レンジにFOMC議事要旨、月末の各種指標などを材料に方向感見極めの展開にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/21終値とチャート
22日の国内金価格は+17円、0.35%高となって6日ぶりの反発。円安にサポートされて4780円台を目安とした下値トライの流れはいったん巻き戻し。完全に下げ止まれば4905円の直近高値までを上限に持ち合い推移から方向感模索の展開にも。ただし、4843円の直近安値を下回るようだと下値トライ再開へ、4800円の大台ライン近辺が次の下値目安にも。
プラチナ価格は+28円、0.91%の大幅高となり、16営業日ぶりの反発。前回の上昇日は連休前の4月22日、実に1カ月ぶりの反発。歴史的続落局面を終え、NYプラチナも下げ止まりの可能性を示す状況にもあり、それなりの反発局面形成へと向かう可能性も。今年高値となった4月22日の3498円から今回の続落でつけた安値3085円までの23.6%戻し(3182)、200日移動平均線(3180)辺りを回復できるかが当面のポイントにも。3080円を割りこむようなことがあれば、年末年始の保ち合い水準半ば、3040円近辺までが次の下値目安にも。
※参考:金プラチナ国内価格5/22とチャート
2019年5月22日(水)時点の相場
国内金:4,860 円 5/22(水) ▲17(0.35%)
国内プラチナ:3,113 円 5/22(水) ▲28(0.91%)
NY金:1,273.2 ドル 5/21(火) ▼4.1(0.32%)
NYプラチナ:815.4 ドル 5/21(火) ▲1.2(0.15%)
ドル円:110.52 円 5/21(火) ▲0.46(0.42%)
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