更新日:2019年6月15日(土)
米商務省が発表した5月の小売売上高は前月比+0.5%。市場予想の+0.6%はわずかに下回りましたが、4月の-0.2%が+0.3%へと大幅上方修正され、3月も0.1ポイント上方修正されて+1.8%。
昨年12月には前月比-1.6%と落ち込み、2009年9月(-2.4)以来、9年3カ月ぶりの低水準となっていましたが、その後は回復傾向に。3カ月平均では5月に+0.87%となり、2017年11月(1.00)以来、1年半ぶりの高水準。
自動車を除く小売売上高でも5月は+0.5%となり、こちらは市場予想の+0.4%を上回り、4月からは横ばい推移。3カ月平均でも+0.80%の高水準。
なお、自動車関連は前月比+0.7%、電気製品は+1.1%、ネット販売+1.4%などが牽引役となったようです。
サプライズと言えるほどの好結果ではないものの、意外と悪くない、まずまずの好結果となったことが、市場の悲観論後退につながったようです。
この結果を受けて、再び1年9カ月ぶり低水準まで低下していた米10年債利回りは急反発し、ドル高の流れは急加速、2017年以降の最高値圏まで急騰していたNY金は巻き戻しの展開へと押し戻されました。
29%まで上昇していたCMEフェドウォッチでの6月利下げ確率も23%まで低下。早期利下げ観測も後退を余儀なくされた格好に。
やや前のめりになり過ぎていた市場の早期利上げ期待熱を冷ますのには、ちょうど良いきっかけとなったかもしれません。
14日のNY金相場は+0.8ドル、0.06%の小幅高で4日続伸。時間外には昨年最高値となった4月11日(1369.4)以来、1年2カ月ぶり高値となる1362ドルまで上昇。米国とイランとの緊張感の高まりと行き過ぎた早期利下げ観測を背景に東京時間から買い先行の展開となって1350ドル超え、ロンドン時間早朝には10ドル超の急上昇。しかしNY朝には米5月小売売上高の好結果を受けてドル高の流れが強まり、米10年債利回りも一時2.1%台へと急反発。利益確定売りを含めてNY市場では軟調推移となり、引けにかけては1350ドルを割れて1340ドル台前半へと急落、引け後には1340ドル半ばを維持。結果的に1350ドルの節目を超えたことで上値目標となる昨年高値1360ドル台まで一気に到達も、ほぼ前日終値水準にとどまる行って来い。引き続き、1320ドル台から1350ドルまでの保ち合いレンジ内推移でFOMC待ちへ。
週間ベースでは-1.6ドル、0.12%の小幅安となり4週ぶりの反落。
NYプラチナは-4.7ドル、0.58%安となって3日続落。NY金の急騰に引っ張られる形で時間外には810ドル台後半へと水準を切り上げるも、三角保ち合い上限付近では抵抗感も強く、金の急落に連れたNY市場では戻り売り圧力が加わって元の水準を突き抜け、800ドル台前半へ。1週間ぶり安値水準となって、三角保ち合い下限付近に。低下基調が続く20日移動平均線(806.6)をわずかに下回り、反発基調再開に向けては厳しい状況にも。ただし、FOMCの結果発表までは保ち合い継続へ。
週間では-1.4ドル、0.17%の小幅反落。
ドル円は20銭のドル安円高となり、3日ぶりの反発。東京時間夕方には米10年債利回りが2.06%台へと急落したことに連れて円高圧力が強まり、108円10銭台まで下落。しかし、前日安値圏で下げ渋ると、NY朝には米小売売上高の結果を受けて米10年債利回りの急反発とともにドル高の流れが急進、ドル円も108円50銭台まで急反発。結果的に3日連続で108円50銭台で上値を押さえられ、3日連続108円20銭前後では下値を支えられる横ばい推移状態。109円を割り込んできた20日移動平均線(108.98)付近までは上昇の可能性を残し、早期利下げ観測後退のムードが強まるようだと鍋底からの反発局面形成へと向かう展開にも。
週間では+0.37円、0.34%高で4週ぶりの反発。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/14終値とチャート
2019年6月15日(土)時点の相場
国内金:5,006 円 6/14(金) ▲28(0.56%)
国内プラチナ:3,034 円 6/14(金) ▼7(0.23%)
NY金:1,344.5 ドル 6/14(金) ▲0.8(0.06%)
NYプラチナ:804.7 ドル 6/14(金) ▼4.7(0.58%)
ドル円:108.56 円 6/14(金) ▲0.20(0.18%)
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