更新日:2019年7月24日(水)
7月のリッチモンド連銀製造業指数は-12.0。市場予想の5.0を大幅に下回り、6月の2.0からも急低下。2013年1月(-14.0)以来、6年半ぶりの低水準。
前月比では-14.0となり、2017年5月(前月比-16.0)以来、2年2カ月ぶりの急低下。
6カ月移動平均でも低下基調が続いて5.0、2017年1月(2.3)以来、2年半ぶりの低水準。
予想外の急低下となり、NY連銀とフィラデルフィア連銀の製造業景況指数が6月に低調となり、7月には急反発したのとは対称的な結果となりました。
リッチモンド連銀の構成指数では、出荷、新規受注、雇用の3要素全てが低下したため、総合指数を大きく押し下げました。
出荷は6月の5.0から7月は-13.0へと急低下、7カ月ぶり低水準。新規受注は-18.0となり、2013年1月(-18.0)以来、6年半ぶりの低水準。
受注残は-26.0となって2009年4月(-32.0)以来、10年3カ月ぶりの低水準となり、設備稼働率も-24.0と2009年4月(-29.0)以来、10年3カ月ぶりの低水準。
雇用者数は-3.0で2016年9月(-10.0)以来、2年10カ月ぶりの低水準、平均週間労働時間は-9.0で2013年1月(-9.0)以来、6年半ぶりの低水準。
ただし、6カ月先の見通しを示す期待指数は2年11カ月ぶり低水準となった6月の23から7月は32へと上昇し、その他個別の見通しも総じて6月よりも上昇。
悲観的な状態は一時的にとどまり、今後数カ月のうちに状況は改善するだろうとの楽観的な見方が多いようです。
今後数カ月経過しても、楽観見通しどおりとならない場合にはリセッション入りも警戒する状況にもなるかもしれません。
過去のリッチモンド連銀製造業指数とリセッションとの関係は、6カ月移動平均がマイナス圏入りした場合に、リセッション入りとなっていました。
ただし100%ではなく、6カ月移動平均がマイナス圏入りした場合でも、リセッション入りとはならないケースも見られます。
6カ月移動平均のマイナス圏入りは、必要条件となっています。
7月時点では5.0の6カ月移動平均が今後、さらに低下してマイナス圏入りとなるようなら、今回の楽観見通しどおりではないことにもなり、リセッション入りへの警戒感も高まることにもなります。
23日のNY金相場は-5.2ドル、0.36%の反落で1週間ぶりの安値水準。前日に米連邦政府の債務上限停止と予算総額の引き上げに合意していたことを受けて時間外はドル高が進行、ECB理事会を意識したユーロ安もこれをサポートし、軟調推移となったNY金は1410ドル台半ばまで下落。NY市場では7月のリッチモンド連銀製造業指数と6月の中古住宅販売件数が低調となったこともあって流れは反転、一時1430ドルを回復。しかし、米中の通商交渉担当者による対面協議再開に向けてライトハイザー米通商代表部(USTR)代表らが29日に訪中予定、との報道を受けてリスク・オンの流れとなって株価急騰、金利も急上昇、NY金は1420ドル割れへと巻き戻し。15ドル余りのレンジで乱高下の展開となったものの、20日移動平均線(1413.1)にもサポートされて高値保ち合い圏を維持。目先は1430ドルが上限となり、1400ドル台までのレンジで保ち合い推移の展開がFOMCまでは継続しそうな状況にも。
NYプラチナは+8.9ドル、1.04%の大幅高となって10日続伸。10日続伸となるのは2017年12月から2018年1月にかけて以来、1年半ぶり。5月10日(865.6)以来、2カ月半ぶりの高値水準に。株高に連れてNY朝に10ドル程急騰、NY午後には一時860ドル前半まで上昇。RSIでの過熱感はないものの、一方的な流れから90日移動平均線(845.5)などを目処に調整待ちにも。なお、RSIで過熱感が見られないのは米雇用統計の5日に-32.2ドル(3.82%)の大幅下落があったためであり、価格水準が現状のままとなった場合でも2日後にはこの影響が剥落することになり、RSIは90%台へと急騰することに。
ドル円は30銭余りのドル高円安となって3日続伸。7月11日(108.46)以来の高値水準となり、抵抗線となりつつあった20日移動平均線(108.06)も上抜け。この日の米経済指標はやや低調となったものの、米予算問題がこじれず、米中協議の進展期待などがこれを上回る好材料にもなり、米10年債利回り上昇とともにドル高円安の流れが優勢に。目先のユーロ安地合いや、月末FOMCに向けては0.25%利下げは織り込み済みでもあり、追加利下げ観測がそれほど強まらなければある程度のドル高円安が進行する可能性も。短期的には107円前半から108円前半の小幅保ち合いレンジ上限付近に位置し、これを上抜けると109円ラインが次の抵抗水準にも。この水準は6月安値と7月安値とで形成するダブルボトムのネックラインにもなり、これも上抜けた場合には111円台も意識されるような流れとなる可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/23終値とチャート
24日の国内金価格は-7円、0.13%安となって3日続落、7月17日(5229)以来、1週間ぶりの安値水準。9日移動平均線(5275)を下回るのも1週間ぶり。目先、21日移動平均線(5244)付近がサポート候補にもなり、高値圏での保ち合い推移は月末までは継続か。5220円台が重要なサポート水準にもなり、これを割り込んだ場合には高値保ち合い下方ブレイクとなって大幅調整も予想され、5140円近辺までが次の下値目安にも。
プラチナ価格は+38円、1.21%の大幅続伸。5月16日(3193)以来、2カ月ぶりの高値水準となり、到達確率はそれほど高くはないと思われた上値目標3200円にもあと少し。200日移動平均線(3172)を上回るのは5月16日以来、90日移動平均線(3181)を上回るのは5月15日以来、2カ月余りぶりに中期強気相場入りへの可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格7/24とチャート
2019年7月24日(水)時点の相場
国内金:5,270 円 7/24(水) ▼7(0.13%)
国内プラチナ:3,188 円 7/24(水) ▲38(1.21%)
NY金:1,421.7 ドル 7/23(火) ▼5.2(0.36%)
NYプラチナ:861.6 ドル 7/23(火) ▲8.9(1.04%)
ドル円:108.23 円 7/23(火) ▲0.34(0.32%)
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