更新日:2019年9月17日(火)
国内で金やプラチナを購入する際、当然ながら消費税がかかります。売却の際にも消費税はかかります。従って、消費税が8%の時に金またはプラチナを購入し、消費税が10%になった時に売却すれば増税分、2%分お得?という声も聞かれます。基本的には全く間違いではありませんが、実情は随分違います。
本日の金価格は5580円。これは現在保有している純金1グラム当たりの価値であり、実際に本日売却した場合の標準的な税込み売却価格。通称、「買取価格」(※業者側から見た呼び方)です。税抜き価格では5167円。
本日、金を購入する場合の価格、標準的な税込み小売り価格は5665円となります。税抜き価格は5245円。
買取価格(売却時の価格)と小売り価格(購入時の価格)との間には税抜価格で78円のスプレッド(差)が存在します。
※今年ここまでの平均スプレッドは79円。
月末の価格が本日と同じとして、純金1グラムを購入すると5665円。
翌日、10月1日の相場価格がたまたま同じ(税抜き価格で同じ)だった場合、消費税10%での売却価格(買取価格)は、
5580円/1.08*1.10=5683円。
差額は18円。
相場価格が横ばい推移となれば、1グラム当たり18円お得、にはなります。
ただし、今年ここまでの1日当たりの平均騰落価格は絶対値で23円。毎日平均23円上昇するか下落するか、ということになります。
今年ここまでの上昇確率は56.2%、6月以降の価格急騰期に限定すると59.5%。上昇一服状態となっている9月に限定すると45.5%。
上昇確率を50%とした場合でも、2%増税分の差額18円は、50%の確率で翌日にはいったん吹き飛ぶことになります。
なお、プラチナの場合には、税抜き平均スプレッドは119円。
本日の価格3459円で計算すると2%増税に伴う差額は-64円。
プラチナ価格の今年の平均騰落値幅は絶対値で31円。
今年の上昇確率は49.7%。9月に限定すると54.5%。
プラチナの場合、購入後2日続伸となった場合でも差額を解消できない可能性もあります。
短期売買のリスクを理解した上での長期投資が基本、ということになります。
16日のNY金相場は+12ドル、0.8%の反発。サウジアラビアで14日、サウジアラムコの石油施設が複数の無人機(ドローン)による攻撃を受けたことで、地政学リスクへの警戒感が高まる状態での週明け。原油急騰とともに安全資産として金も買われて1500ドルへと水準を切り上げて時間外をスタート、一時1520ドル付近まで上昇も徐々に落ち着きを取り戻す形でNY朝には1510ドル割れ。9月のNY連銀製造業景気指数が4.0の予想に対して2.0と低調な結果となったことなどもあり、1510ドル台へと反発する場面もあったもののこれを維持できずNY引け後には1500ドル台半ばへ。9月FOMCでの据え置き予想が35%まで拡大し、調整局面継続優勢の状況にも。再度1510ドル超へと水準を切り上げるような展開となれば上値目標1530ドル前後を目指す反発局面形成への可能性も、下押し圧力に耐えきれず1490ドル台を維持できなくなれば昨年8月安値から9月高値までの23.6%戻しとなる1470ドル前後までが次の下値目安に。
NYプラチナは-13ドル、1.37%の大幅続落。先週末の950ドル付近から、960ドル付近まで小幅に水準を切り上げての週明けスタートも、ほぼ950ドル台での保ち合い推移の展開となり、NY朝にかけて960ドル台へと上昇したところから戻り売りとなって一時930ドル割れへと急落。NY午後には940ドル付近まで戻して小康状態に。荒い値動きとなりやすい状況のなか930ドル台から950ドル台までの保ち合いを形成。FOMC後に上方向へと抜け出せば980ドル台の高値再トライへも、下方向なら8月安値から9月高値の半値戻しとなる910ドル台が下値目安に。
ドル円はほぼ横ばい推移で108円台を維持。週末のサウジ石油施設攻撃による地政学リスクからの円買いで107円70銭台へと窓開けスタート後、祝日で閑散状態の東京時間朝のうちに107円50銭近辺まで一段安となったところでいったん底打ち。FOMCを前に極端な値動きとはなり難いこと、流れはドル高円安方向にあることなどからゆっくりと買い戻しが進行し、NY時間には108円台を回復して窓埋め完了。地政学リスクとしての警戒感がこのまま後退していくことになれば、原油価格の高止まりからインフレ上昇への影響も想定され、今後の利下げ打ち止め材料に一つにも。目先、108円台前半での様子見状態から、FOMCでタカ派イメージが強まるようなら一段高の展開にも。上値目標108円30銭台を超えてさらに水準を切り上げる展開となれば、4月高値から8月安値までの61.8%戻しとなる109円30銭台辺りまでが次の上値目標にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/16終値とチャート
17日の国内金価格は-13円、0.23%安で3営業日ぶりの反落。5520円から5670円までの広めの保ち合いレンジ半ばでの小幅調整。流れは調整方向という状態が続き、地政学リスクがなければ高値圏での保ち合い下限割れをうかがうような展開にも。FOMC後に5520円を下回るようだと一段安へ、8月安値から9月高値の61.8%戻しとなる5430円近辺までが下値目安に。
プラチナ価格は-49円、1.4%の大幅安で3日ぶりの反落。広めの高値保ち合いレンジ半ばで折り返す形となって下半分に保ち合いレンジを縮小。3420円台から3510円までのレンジ半ばからやや下寄りに位置し、目先、金に追随する展開となれば下限割れとなって調整局面拡大で3360円台辺りまでが下値目安に。予想外の展開で3510円超へと抜け出せば3580円台の高値再トライへの可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格9/17とチャート
2019年9月17日(火)時点の相場
国内金:5,580 円 9/17(火) ▼13(0.23%)
国内プラチナ:3,459 円 9/17(火) ▼49(1.40%)
NY金:1,511.5 ドル 9/16(月) ▲12.0(0.80%)
NYプラチナ:939.2 ドル 9/16(月) ▼13.0(1.37%)
ドル円:108.10 円 9/16(月) ▲0.02(0.02%)
Copyright(C) Let's GOLD