更新日:2019年9月20日(金)
9月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は12.0。8月の16.8を下回り、2カ月連続の低下となりましたが、市場予想の10.5を上回り、2月の-4.1で底打ちしての反発傾向を維持しています。
内訳でも新規受注は1年3カ月ぶり高水準となった8月の25.8から9月は24.8へと小幅低下にとどまり、出荷は4カ月ぶりの高水準、受注残は1年10カ月ぶり高水準。期待指数は4カ月ぶりの低水準となりましたが、雇用見通しは8カ月ぶり高水準。仕入れ価格は現状も見通しも9カ月ぶり高水準、販売価格は現状が6カ月ぶり高水準、見通しが4カ月ぶり高水準など、インフレ加速の兆しも見られる状況にもなっています。
週初に発表されたNY連銀製造業景況指数では、市場予想の4.0に対して2.0。8月の4.8も下回る低調な結果となりましたが、6月の-8.6から反発してプラス圏を維持する状態は続きます。
内訳では、出荷が2年11カ月ぶり低水準、期待指数も半年ぶり低水準。設備投資は3年ぶり低水準、テクノロジー支出指数も3年ぶり低水準など弱さも残りますが、仕入価格が半年ぶり高水準、販売価格は4カ月ぶり高水準、仕入価格見通しは8カ月ぶり高水準など、こちらでもインフレ上昇の気配が見られます。また、雇用は半年ぶり高水準など回復基調を示す数値もあります。
個人消費の好調が続き、最大雇用も維持して住宅市場には上向きの兆候も見られ、インフレ加速の兆しも見え始めている米経済にとって、唯一足を引っ張る状態にもなっていた製造業の景況感。8月にはISM製造業景況指数が3年7カ月ぶりに節目の50割れとなっていましたが、FRBの2会合連続利下げに下支えされ、主要地区連銀の製造業景況指数は底打ちの可能性を示唆する状況にもなってきました。
9月のISM製造業景況指数が節目の50超を回復し、その他の指標もそこそこの状態を維持できれば、年内追加利下げの可能性はさらに後退することになりそうです。
逆に9月に節目の50を回復できないようなら、利下げ不十分として年内3回目の追加利下げ観測が再度高まることにもなりそうです。
19日のNY金相場は-9.6ドル、0.63%安で4日ぶりの反落。FOMC直後に1490ドルまで急落した後の反発局面はNY朝まで継続、米10年債利回りの低下基調とドル安の流れにサポートされて1500ドルの大台を回復し、一時1510ドル台まで上昇。しかし米9月フィラデルフィア連銀製造業景況指数や新規失業保険申請件数、8月中古住宅販売件数などがいずれも予想を上回る好結果となり、株高の流れも強まったことから1500ドル台半ばへと反落。追加利下げ観測後退と中東情勢や米中対立リスクへの警戒感などが交錯し、上値は重いものの売り圧力も限定的という状態に。目先は1500ドル前後から1520ドルまでの小幅レンジでの保ち合い継続か。上方向に抜け出すと1530ドル台まで、下方向には1470ドル近辺までがレンジ拡大の目安に。
NYプラチナは+7.8ドル、0.83%の反発。FOMC直後の小幅急落でつけた920ドル台前半が安値となっての反発基調は金に連動する形となり、NY朝には930ドル台後半へ、NY午後にかけては堅調推移となった株価に連動するように940ドル台へと一段高。前日の下げを取り戻し、保ち合い下放れの兆しからは巻き戻し。ただし、小幅保ち合い継続の形となり、あらためて保ち合いを抜け出せば変動幅拡大の可能性も。上方向に940ドル半ばの抵抗水準を超えると980ドル台の高値再トライへ、下方向には930ドルから20日移動平均線(928.0)のサポートを割れると8月末の急騰前、7月高値水準880ドル台までが下値目安にも。
ドル円は40銭弱のドル安円高となって4日ぶりの反落。タカ派的と解釈したFOMC後につけた高値108円40銭台を超えることができず、108円半ばが当面の抵抗水準となる可能性を残してイベント通過に伴う戻り売り。日銀の金融政策変更なしへの思惑からの円高圧力も加わり、東京時間午前のうちに108円ちょうど付近まで水準を切り下げ、実際に日銀の現状維持を確認すると107円70銭台まで売られる展開に。欧州・NY時間にかけては108円ちょうどをはさんでの小幅揉み合い状態に。今後のFRBの金融政策動向を見極めるように、方向感はいったん中立状態にも。目先、90日移動平均線(107.74)にサポートされ、108円50銭の抵抗水準までのレンジでしばし保ち合いへ。上限突破できれば8月高値109円30銭台までが上値目標に、107円70銭台のサポートを割れると1087円まで上昇してきた20日移動平均線が次のサポート候補。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/19終値とチャート
20日の国内金価格は+8円、0.14%の小反発。NY金の下げ渋りにサポートされ、6月以降の上昇トレンドのサポートラインとなってきた20日移動平均線(5575)割れを回避。ただし上値は5600円の大台ラインに抵抗感もあり、20日線との間での小幅保ち合い形成の様相にも。流れとしては調整方向優勢ながら、上抜けした場合には5700円の大台を試す可能性も。下方向に20日線を割れると上昇トレンドが崩れて調整局面形成へ、8月安値から9月高値までの38.2%戻し(5517)から5520円近辺までが最初の調整目安。
週間ベースでは-5円、0.09%の小幅安で4週ぶりの反落。
プラチナ価格は+27円、0.79%の反発。NYプラチナの下値トライの兆しからの巻き戻しに支えられての反発も、ピークアウトした9日移動平均線(3466)にぶつかって頭打ちの状態。これを上抜けて3480円超へと水準を切り上げることになれば、上値トライ再開の流れとなって上値目標は今年高値3580円台。逆に直近安値3439円をあらためて下回るようだと大幅調整へ、下値目安は3320円近辺まで。
週間ベースでは-42円、1.2%安となって5週ぶりの反落。
※参考:金プラチナ国内価格9/20とチャート
2019年9月20日(金)時点の相場
国内金:5,588 円 9/20(金) ▲8(0.14%)
国内プラチナ:3,466 円 9/20(金) ▲27(0.79%)
NY金:1,506.2 ドル 9/19(木) ▼9.6(0.63%)
NYプラチナ:942.4 ドル 9/19(木) ▲7.8(0.83%)
ドル円:108.03 円 9/19(木) ▼0.39(0.36%)
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