更新日:2019年9月24日(火)
IHSマークイットが発表したドイツ製造業PMIの9月速報値は41.4。8月の43.5からさらに、一段と急低下。9カ月連続の節目50割れとなって2009年6月以来10年3カ月ぶり、世界金融危機からの回復期以来の低水準。
サービス業PMIも52.5で予想を下回って今年最低、9カ月ぶり低水準となったことで、総合PMIも8月の51.7から49.1へと急低下。2013年4月以来、6年5カ月ぶりに節目50を割れて6年11カ月ぶり低水準。指数の低下率はほぼ7年間で最大の急落。
なお、製造業PMIでは2カ月連続節目50超を維持したフランスも9月は予想を下回って50.3と節目割れ警戒水準となり、ユーロ圏製造業PMIも45.6となって8カ月連続の節目50割れ、2012年10月(45.4)以来6年11カ月ぶりの低水準。ユーロ圏総合PMIも50.4となり、6年3カ月ぶり低水準で節目割れ警戒水準に。
ドイツの製造業低迷は止まらず、生産は8カ月連続減少し、2012年7月以来7年2カ月ぶりの急減。サービス部門の成長も勢いを失ったことを示す状態となり、企業は需要減と悲観的な見通しから雇用創出も停滞。
とりわけ弱点とされる自動車部門はあらためてその弱さが強調され、海外需要低迷も重要な要因であり続け、製造業者とサービスプロバイダーの両方で新規輸出注文は顕著に減少。
雇用についてはサービス部門では8カ月ぶり低水準に減速したものの、長期平均を上回るレベルを維持。しかし、メーカーでの人員削減ペースは2010年1月以来、9年8カ月ぶりの水準。
インフレ圧力のさらなる弱体化も示され、サービス部門の価格上昇は2016年8月以来、3年1カ月ぶり低水準にとどまり、製造業ではコスト価格が全体的に急低下。全体的なコスト価格の上昇率では3年5カ月ぶりの低水準。
4-6月期GDPが前期比-0.1%とマイナス成長となったドイツは、7-9月期の低成長も確実視される状況となっています。ドイツ財務省が先週末公表したレポートでは、7-9月期もマイナス成長となってリセッション入りすると見ているようです。
貿易戦争、自動車産業、ブレグジット。3大不確実性要因がドイツ経済の足を引っ張る状態も続きます。
少なくとも10月末期限のブレグジットにおいてはギリギリまで、不透明感が晴れる可能性は極めて低い状況から、3大不確実性要因は10月も引き続き回復見通しが立たない可能性が極めて高い、という状況と言えそうです。
ドイツとユーロ圏の製造業PMI、総合PMIともに10月も急回復は望めず、10-12月期も厳しいスタートとなることが予想されます。
23日のNY金相場は+16.4ドル、1.08%の大幅続伸。今年高値1560.4ドルをつけた9月4日以来、20日ぶりの高値水準。その4日以降横ばいから軟調気味の推移となっていた20日移動平均線上抜けもそれ以来。米中協議進展期待が後退した週末の1520ドル半ばから、1520ドル前半へと小幅に水準を切り下げての週明けスタート後には1520ドルを割れる場面も。欧州時間にはドイツ、ユーロ圏の総合PMIが低調となったことで世界景気減速への思惑からリスク回避の株安・金利低下、ユーロ安ドル高でも円高の流れが強まり、金も1520ドル前半から後半へと水準を切り上げ、NY市場では米9月サービス業PMIが予想を下回ったことで一時1530ドル半ばまで上昇。1510ドルをはさんでの保ち合いを形成していた状態から上方向に抜け出したことによる上値目標1530ドル台にも即到達したことで短期的には上値トライ一服も予想され、20日移動平均線(1523.8)がサポートとなるかどうか。サイクル的には調整局面終盤の様相にもなり、徐々に流れは好転方向へも。
NYプラチナは+11.3ドル、1.2%高となって3日続伸。9月6日(958.5)以来、2週間ぶりの高値水準に。金に連れての堅調推移となった時間外には940ドル半ばから950ドル台後半へと上昇。欧州・NY時間には950ドル台での保ち合い推移の展開となり、NY金が1530ドル台の高値をつけたNY午前には960ドル台へと一段高。右肩上がりの20日移動平均線(937.0)にサポートされる形で940ドル台の節目を上抜けて一段高となったことで、上値トライ再開への流れがスタートした可能性も。1000ドルの高値をつけて急落した5日の翌日、6日以降は960ドル台でことごとく上値を押さえられてきたことと、金の上値トライ一服感がプラチナの上値トライ抑制要因にも。これらを打破できれば終値ベースでの今年高値980ドル台再トライが当面の上値目標に。
ドル円はわずかに5銭程度のドル安円高となって3日続落。米中通商協議への不透明感から急速に値を下げた週末の107円50銭台から、週明け東京朝には107円70銭台へと窓開けスタート。やや売られ過ぎからの巻き戻しも、上値も重くこの107円70銭台がこの日の高値となって祝日の東京時間はほぼ動意なし。欧州時間にはフランスの製造業・非製造業PMIがいずれも予想を下回ったことを受けて10銭超の急落、後続のドイツ、ユーロ圏の製造業・非製造業PMIも全て予想を下振れてリスク回避の流れとなって107円30銭台まで下落して窓埋め。今朝の東京市場では107円60銭台まで反発も、90日移動平均線(107.68)が目先の抵抗線にも。これを超えると108円の節目にも抵抗感。一方、下値は上昇基調を維持する20日移動平均線(107.17)がサポート候補に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/23終値とチャート
24日の国内金価格は+62円、1.11%の大幅続伸。1980年以来、近年最高値5665円をつけた9月5日以来、20日ぶりで近年2番目の高値。流れとしては調整方向優勢の状態が続き、一段安も警戒されていた状態からの急騰となり、NY金と同様に上値トライ一服感も。ただし、5600円手前の保ち合い水準を大きく上抜けたことに伴う上値トライ継続となれば、5700円の大台を試す可能性も否定はできない状況にも。急反落の展開となって5580円のサポートを割り込んだ場合には巻き戻しの流れが急速に進行する可能性もあり、8月初旬の急騰後の安値5460円台までが次の下値目安にも。
プラチナ価格は+78円、2.25%の大幅続伸。1年半ぶり高値3584円をつけた9月5日以来、20日ぶりの高値水準となり、上昇幅でもその日(+110円、3.17%)以来の大幅高。中長期的には重要な節目水準となる3400円超を維持した状態で折り返し、3500円の節目も上抜け。短期的には3400円台半ばの保ち合いを大きく上抜ける形となり、一段高の可能性。目先の上値目標は今年高値3580円台まで。
※参考:金プラチナ国内価格9/24とチャート
2019年9月24日(火)時点の相場
国内金:5,650 円 9/24(火) ▲62(1.11%)
国内プラチナ:3,544 円 9/24(火) ▲78(2.25%)
NY金:1,531.5 ドル 9/23(月) ▲16.4(1.08%)
NYプラチナ:953.9 ドル 9/23(月) ▲11.3(1.20%)
ドル円:107.51 円 9/23(月) ▼0.05(0.05%)
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