更新日:2019年10月17日(木)
米商務省が発表した9月の小売売上高は前月比+0.3%予想に対して-0.3%。8月の+0.6%からも急降下となり、2月(-0.5%)以来7カ月ぶりの前月比マイナス。自動車を除く小売売上高も9月は前月比-0.1%となり、2月(-0.6%)以来7カ月ぶりの前月比マイナス。
自動車関連が前月比-0.9%、建設資材が-1.0%など前月から反動減となり、ガソリンスタンド-0.7%、百貨店-1.4%などは引き続き低調。衣料品は+1.3%と前月の-0.7%からは反動増となったのに対し、ネット販売は+1.2%から-0.3%とやや低調に。
個人消費は8月までの好調にややブレーキがかかったような状態にもなり、この指標発表後にはドル売りの流れとなりました。CMEフェドウォッチでの10月追加利下げの織り込み度合いも73.8%から87.1%へと上昇。
シカゴ連銀エバンズ総裁もこの日、3会合連続利下げに支持する可能性も示唆しています。
この日FRBが公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)でも、米国経済は「わずかから緩やかに」拡大したと認識を下方修正し、多くの企業が向こう半年から1年の成長見通しを引き下げたことを指摘しています。
ただし、前年同月比で見る小売売上高は8月の+4.53%から9月は+3.80%へと小幅に低下。自動車を除く小売売上高も+3.91%から+3.49%へと小幅低下。いずれも3カ月ぶり低水準となり、伸び率としてはやや鈍化。
しかし、昨年末から今年前半にかけて0%台から1%台で低迷した時期からは上昇基調となっています。前年比3カ月平均では9月は+4.42%となり、1993年以降の長期平均4.35%を上回りました。過去平均を下回る低迷期から脱出した状態です。
小売売上高の一時的な下振れにより、個人消費の減速が警戒されて10月追加利下げを後押しする形にはなっていますが、小売売上高のトレンドとしては回復基調にあり、個人消費はまだまだ減速してはいない可能性もあります。
年末に向けてFF金利見通しとしてはまだまだ流動的です。
16日のNY金相場は+10.5ドル、0.71%の反発。時間外は米下院での「香港人権・民主主義法案」可決が米中対立への警戒感を煽る形となって下げ渋り、NY朝には米9月小売売上高が予想外に前月比マイナスへと落ち込んだことをきっかけにドル安の流れとなって1490ドル半ばへと10ドル程の急騰。下値目安1470ドルに向けての流れは前日安値水準1480ドルで支えられて巻き戻し、ただし上値も1500ドルの大台手前で伸び悩み。9月4日につけた今年最高値1566.2ドルからコンスタントに上値を切り下げる下落トレンドは継続中。目先、1480ドルから1500ドルの小幅レンジを上抜けできればこのトレンドにも変調の兆しとなり、1520ドル台までが次の上値目安に。逆に下抜けることになればトレンド継続で5月2日安値1267.3ドルから今年最高値までの38.2%戻し(1452.0)が当面の下値目安に。
NYプラチナは+1.5ドル、0.17%の小幅高で4日ぶりの反発。時間外には890ドル付近から880ドルまで小幅に軟調推移、NY朝には金の上昇に追随する形で895ドルまで15ドルほどの急反発。しかし上値も重く、その後は890ドルをはさんでの小幅揉み合い推移となって十字線を形成。9月5日の今年最高値1000.8ドルを起点に上値が切り下がる下落トレンドが継続中。足下では20日移動平均線(910.2)が上値抵抗線にもなって880ドル半ばがサポート水準となり、5月31日安値789.6ドルから今年最高値までの半値戻し(895.2)をはさんでの揉み合い形成中。抵抗線を超えると38.2%戻し(920.1)となる920ドル台までの反発余地も9月以降の下落トレンドの範囲内。サポート割れなら下落トレンド再加速で850ドル台までが下値目安に。
ドル円は10銭ほどのドル安円高となって小反落。東京朝の「香港人権・民主主義法案」リスクで108円60銭まで下落後は、108円70銭をはさんでの保ち合い推移の展開に。NY時間には米9月小売売上高が前月比増加予想に反して減少となったことを受けて108円80銭付近から50銭台まで30銭弱の急落。ドル安の流れは続いたものの、米10年債利回りが下げ渋ったことにも支えられて円安方向へと持ち直し、今朝の東京時間にかけても108円70銭台での小康状態に。短期上昇トレンドは継続中で上値目標109円台半ばまでもう一段の上昇余地も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/16終値とチャート
17日の国内金価格は+24円、0.43%の反発。近年最高値5674円をつけた10月10日以来、1週間ぶりに近年2番めの高値。高値更新できずに反落となった場合には、ダブルトップ形成を警戒する形となり、ネックライン5643円を割れるとさらに30円程度の下落も見込まれ、5610円近辺が次の浅めの下値目安にも。形状的には9月後半以降の三角保合い崩れとなって大幅調整へ、さらに大きめに見た三角保ち合いの下限となる9月安値5523円までが中期的な下値目安に。逆に高値更新の場合、ほぼ未知の領域で5700円の節目超えから5780円程度までの上昇も見込まれるような展開にも。
プラチナ価格は+3円、0.09%の小幅高で3日ぶりの反発。中期的な節目水準3400円手前で小康状態に。今年安値、6月18日の2970円から今年高値9月5日の3584円までの半値戻し(3277)の少し手前、3288円(10/7)まで下げて反発し、下落トレンドは終息方向へ。節目の3400円を上抜けできれば23.6%戻し(3439)、3440円付近までが上値目標に。
※参考:金プラチナ国内価格10/17とチャート
2019年10月17日(木)時点の相場
国内金:5,670 円 10/17(木) ▲24(0.43%)
国内プラチナ:3,384 円 10/17(木) ▲3(0.09%)
NY金:1,494.0 ドル 10/16(水) ▲10.5(0.71%)
NYプラチナ:890.7 ドル 10/16(水) ▲1.5(0.17%)
ドル円:108.75 円 10/16(水) ▼0.10(0.09%)
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