更新日:2019年10月18日(金)
10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数(フィリー指数)は7.6の市場予想に対して5.6と下振れ。7月の21.8が直近のピークとなり、8月は16.8、9月は12.0と3カ月連続の急降下。プラス圏を維持する好調期を形成しながらも、2017年以降は減速傾向となっています。
なお、週明けに発表されたNY連銀の製造業景況指数では、9月の2.0から10月は4.0へと小幅上昇とはなったものの、直近5カ月はマイナスからプラス1桁台の低迷状態が続き、こちらも2017年後半以降は減速基調が続きます。
フィリー指数の10月の内訳では、出荷が26.4から18.9へと低下したのに対して新規受注は26.2で1年5カ月ぶり高水準となり、受注残もほぼ2年ぶり高水準。
仕入れ価格は33.0から16.8へと急低下し、販売価格も20.8から16.4へと低下、それぞれの期待指数も10月は低下しており、インフレには鈍化材料となりました。
雇用は15.8から32.9へと急騰。調査開始の1968年以降では過去最高となっていた2017年10月の30.2をさらに上回り、2年ぶりに過去最高を更新。34%以上の企業が雇用増となり、2%のみが雇用減となったようです。ただし、雇用の期待指数は30.6から22.4へと急低下しており、10月が一時的な急騰だったことも示唆しています。
また、向こう半年間の見通しを示す、期待指数は9月の20.8から10月は33.8へと急騰。企業の43%以上が向こう半年の活動拡大を予想し、9%が縮小を予想した模様。
フィリー指数の総合指数は減速傾向を示す状態になったにも変わらず、期待指数は下げ渋って上向きとなり、逆行状態となっています。
期待指数どおりに、企業の予想どおりの展開となれば減速傾向の総合指数もいずれ反発へと向かうことにもなりそうですが、そうではない場合、予想外の展開となって総合指数が上向かない状態が続くようだと期待指数も徐々に失速傾向へと引っ張られることにもなりかねません。
そんな、現状と見通しとの間のギャップが、10月の総合指数と期待指数との逆行となって現れた状態です。
この逆行現象は、2007年のリセッション前の時期にも見られました。2000年のリセッション前の時期にも、1990年のリセッション前にも見られました。
17日のNY金相場は+4.3ドル、0.29%の小幅続伸で1週間ぶり高値水準に。英国とEUが離脱条件の修正で合意に達したことでポンドが急騰、リスク選好の流れで株高に長期金利も急騰、円安ドル安、欧州時間のNY金は1490ドル割れへと小幅に急落。しかし、19日に予定される英議会での離脱案採決では、北アイルランドの民主統一党(DUP)が不支持を表明しており可決は困難との見方が有力となっていることから不透明感も払拭し切れず。ポンドは上げ幅帳消し、株価も金利も円安も巻き戻され、NY朝にかけては一連の米経済指標も低調となったことでドル安だけは巻き戻されず、NY金の反発局面では元の水準を超えて一時1500ドルを回復。ただし保ち合い上限となっている1500ドル超えを維持することもできずに小反落。1カ月半続く調整局面は終盤に差し掛かってきた兆しも見え隠れ、目先は1480ドルから1500ドルまでを主要レンジとする保ち合い継続から、上方ブレイクなら1520ドル台まで、下方ブレイクなら。1450ドル台までが上下の目安に。
NYプラチナは+2.3ドル、0.26%の小幅続伸。欧州時間につけた安値は保ち合い下限となる885ドル付近、反発後のNY市場での高値は前日高値近辺となる895ドル付近まで。この日の変動値幅は9.7ドルにとどまり、3カ月ぶりの小動きとなって今年の平均値幅の半分強。ゆるやかに上昇する90日移動平均線(875.1)とゆるやかな下落基調の21日移動平均線(909.3)が水平移動の9日移動平均線(895.1)と価格水準に向けて収束中。月末頃にも拡散へと動き出す準備段階を示唆する様子にも。910ドル超へと動き出すことになれば9月前半の保ち合い水準940ドル台までが次の上値目標に。880ドル台を維持できなくなれば8月末以降の上げ幅帳消しとなる850ドル台が下値目安に。
ドル円は10銭余りのドル安円高となって小幅に続落。欧州時間のブレグジット合意を受けての円安局面では108円70銭台から90銭台まで20銭ほどの急騰も、7月に何度も上値を押さえられた109円の節目が超えられずに失速。英議会での承認への不透明感から元の水準へと戻した後、NY朝には米9月住宅着工件数、10月フィラデルフィア連銀製造業景況指数、9月鉱工業生産と設備稼働率などがことごとく予想を下回る低調な結果となったことから、米10年債利回り低下とドル安の流れで一時108円40銭台まで下落。ただし108円半ばの水準は抵抗線からサポートに切り替わった可能性も維持する格好で反発。短期上昇トレンドはまだ継続中と見て109円半ば辺りまでの上昇余地も継続。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/17終値とチャート
18日の国内金価格は+4円、0.07%の小幅続伸で10月10日の5674円と並び、1週間ぶり2度めの近年最高値。ダブルトップ警戒感を払拭できないまま越週となり、週明けには19日の英下院での採決結果が東京市場に反映されることに。否決で再延期が優勢との見方もあるものの、承認される可能性も低めながらありか、合意なき離脱の可能性は大きく後退した状態にも。承認となれば、3年余りに渡る英国の政治的混乱に終止符を打つことにもなり、いったんはリスク選好の流れが優勢に。この場合、5640円の節目を割れる可能性も高まり、そうなれば大幅調整も予想され、9月安値5520円台までが当面の下値目安に。
週間では+31円、0.55%の反発。
プラチナ価格は+4円、0.12%の小幅続伸。9月末の3440円から10月1日に3337円へと急落して以来、中期的な節目水準3400円を回復できない状態が継続。11日には3395円まで反発して節目に最接近、しかしこの節目付近でも節目を超えられない状態が1週間継続、抵抗線として作用する状態に。ただしサイクル的には調整局面終盤の様相となり、現状水準付近を維持できれば間もなく地合好転で節目トライの展開にも。節目超えとなれば3440円辺りまでが次の上値目標に。
週間では-7円、0.21%の小反落。
※参考:金プラチナ国内価格10/18とチャート
2019年10月18日(金)時点の相場
国内金:5,674 円 10/18(金) ▲4(0.07%)
国内プラチナ:3,388 円 10/18(金) ▲4(0.12%)
NY金:1,498.3 ドル 10/17(木) ▲4.3(0.29%)
NYプラチナ:893.0 ドル 10/17(木) ▲2.3(0.26%)
ドル円:108.63 円 10/17(木) ▼0.12(0.11%)
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