更新日:2019年10月29日(火)
米9月のシカゴ連銀全米活動指数は-0.45となり、8月の0.15から急反落で予想外のマイナス圏。4月(-0.84)以来5カ月ぶりの低水準。
昨年12月以降の10カ月間でプラス圏となったのはわずかに2回だけ。3カ月平均では8カ月連続のマイナス圏、6カ月平均でも同様で過去平均を下回ることを示すマイナス圏での低迷状態が続きます。
構成4指数も全てマイナス。生産・所得指数が8月の0.19から9月は-0.37へと急反落で5カ月ぶり低水準。雇用・労働時間は-0.02の小幅マイナスも5カ月連続のマイナス圏。この指数が5カ月連続マイナスとなるのは2009年12月まで以来、金融危機の時期以来でほぼ10年ぶり。
個人消費・住宅関連は8月の0.00から9月は-0.04へと小幅マイナス。足下の住宅市場の回復基調がまだ反映されていない様子も。売上・受注・在庫指数も-0.02と小幅マイナスも今年2月以降の8カ月間でプラス圏は一度だけ。
シカゴ連銀全米活動指数の3カ月平均は米10年債利回りとの連動性が高く、今年に入ってからは米10年債利回り低下の流れとともに3カ月平均も低下基調となってマイナス圏から抜け出せない状態となっています。
ただ、3け月平均で見れば過去のリセッション入りとなったボーダーライン-0.7に対して、今年4月の-0.5が今回の最低、9月は-0.24。6カ月平均でも同様に危険水準となる-0.5に対して今年7月に-0.33まで下げて9月は-0.27。
リセッション入りを警戒するような状況ではないものの、過去の平均を下回る低迷が続く状況は、程良い景気減速感をもたらし、利下げ催促ムードが高まりやすい状況となっているようにも見えます。
28日のNY金相場は-9.5ドル、0.63%安となって4日ぶりの反落。トランプ大統領が米中通商協議における合意署名に向けて「われわれは予定より早く進んでいる」ことを強調し、来月チリ開催のAPEC首脳会議で署名可能と発言したことでNY時間からリスク選考の流れが加速。米株はS&P500が過去最高値を更新し、ダウも27000ドル台に乗せて過去最高値も視野に、ナスダックも3カ月ぶり高値で過去最高値目前、ドイツDAXは1年4カ月ぶり高値、日経平均も1年ぶり高値へと世界同時株高の様相。先週末に長い上ヒゲを残す「トウバ」に近い足型となったNY金は、これが示唆したとおり上向きかけた流れが巻き戻される形となってNY時間に入って急落。1500ドルを割れて1490ドル台前半へとおよそ15ドル程水準を切り下げて再び20日移動平均線(1499.0)割れとなって保ち合い回帰。1510ドルが目先の抵抗水準となり、あらためて上抜けできれば1550ドル台の高値圏再トライの可能性も残されるものの、1480ドル台を維持できなくなれば1440ドル台を下値目安に大幅調整へも。
NYプラチナは-14.3ドル、1.53%安となって5日ぶりの反落。先週末に上値目標940ドル台に到達したことで短期的にはいったん力尽きた格好で反落した流れが週明けも継続。NY朝には株高の流れにも連れて一時930ドル台後半へと反発する場面もあったものの、NY金の急落に引っ張られる形となって920ドル割れへと急反落。930ドル台が目先の抵抗水準となり、上抜けできれば9月の保ち合い高値圏950ドル台が次の上値目標にも。下値は910ドルから900ドルまでの水準がサポート候補に。
ドル円は30銭程のドル高円安となって続伸。5月30日(109.61)以来、5カ月ぶりの高値水準。この日の変動値幅は38銭程度、年間平均58銭の6割強と依然として低ボラティリティ状態は続くものの、差し引き30銭強水準を切り上げる効率の良さで円安方向へと流れが再び傾斜し始めた様子も。米中協議進展期待からNY時間に108円70銭台から109円前後まで水準を切り上げ、今朝の東京時間でも109円ラインとの攻防中。ちょうど200日移動平均線(109.05)に上値を押さえられる形になっているものの、これを上抜けることができれば4月29日以来半年ぶりとなり、109円台後半へと一段高も。下値は108円半ばから40銭までがサポートとなり、これを割り込むようだと107円台前半を目安に大幅反落の展開にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/28終値とチャート
29日の国内金価格は-30円、0.52%安となって4日ぶりの反落。歴史的高値水準にあって下げ渋る状態が続く現状からは、上値トライへの勢いもやはり限定的に。上値目標5750円近辺に対しては5720円台までで失速、これが当面の高値となる可能性を残して反落。FOMCで追加利下げを決定し、12月に向けてもなお追加利下げの可能性が示されるようなら上値トライ再開の目も。高値更新なら5760円台辺りまでが次の目標水準に。期待はずれ感が漂い始め、5650円の重要な下値サポートを割れると大幅調整へ、9月末安値5560円台が次の下値目安にも。
プラチナ価格は-29円、0.83%安で4日ぶりの反落。やや一方的となっていた流れが巻き戻され、過熱感も若干緩和。右肩上がりの9日移動平均線(3440)から3450円辺りまでが目先のサポート候補にもなり、3515円超へと切り返す展開となった場合には今年高値圏再トライへ。3560円台辺りまでが次の上値目標にも。
※参考:金プラチナ国内価格10/29とチャート
2019年10月29日(火)時点の相場
国内金:5,693 円 10/29(火) ▼30(0.52%)
国内プラチナ:3,486 円 10/29(火) ▼29(0.83%)
NY金:1,495.8 ドル 10/28(月) ▼9.5(0.63%)
NYプラチナ:919.0 ドル 10/28(月) ▼14.3(1.53%)
ドル円:108.97 円 10/28(月) ▲0.31(0.29%)
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