更新日:2019年12月27日(金)
米労働省が26日に発表した週間新規失業保険申請件数は3週ぶりの低水準となり、堅調な労働市場を反映する結果となりました。2週間前に25万件台へと急増したのも感謝祭の祝日が例年よりも遅かったことが影響したとの見方が有力のようです。
ただし、トレンドを示す4週移動平均は22.8万件となり、2月16日までの週(22.95万件)以来、10カ月ぶりの高水準となっています。
4週移動平均では、4月13日までの週に20.15万人となって1969年11月1日までの週(20.05)以来、およそ50年ぶりの低水準となりました。これが突出してボトムを形成する格好にもなり、これ以降は21万件超の水準での推移が続きます。
そして、年間平均を示す52週移動平均との関係性を見ると、4週移動平均が52週移動平均を上回る状態が6週連続となっています。
最後のリセッション以降、失業保険申請件数がピークアウトして以降、この逆転状態が6週以上続いたことは何度かありました。しかし、これまでは52週移動平均線自体は低下基調を維持し、4週移動平均がやや異常な急騰局面を形成した時期にそうなっていました。
現状、52週移動平均線はほぼ水平状態となり、2019年4月以降はほぼ21.8万件台での推移が続いています。4週移動平均の推移もそれほどイレギュラーな急上昇という局面でもありません。また、過去の4週移動平均線の反転局面の前には、4週移動平均線自体が突出してボトムを形成する傾向が多々見られました。
2020年、新規失業保険申請件数の52週移動平均が21.8万件台を下回らずに水平状態が続き、4週移動平均がこれを下回れない状態が続くようなら、要注意です。
26日のNY金相場は+9.6ドル、0.64%高となって3日続伸。10月31日(1514.8)以来、8週間ぶりの高値水準に。クリスマス休暇入り前に保ち合いを上放れ、9月高値から上値を切り下げてきたレジスタンスラインも上抜けたことに伴う堅調な流れが継続。米長期金利低下とドル安優勢の流れにもサポートされ、1500ドルの大台を割れることなくNY朝には1510ドル超え、NY市場では1510ドル台半ばで揉み合う展開となり、高値では一時1517.4ドルまで上昇。短期上値目標1520ドル近辺にもほぼ到達し、20日移動平均+2.5%乖離ラインにも達したことから一服感も。強気相場入りの状態となっているものの、高値更新トライに向けては多少の調整も必要に。1500ドルの大台ラインが当面の下値サポート候補。
NYプラチナは+10.7ドル、1.13%の大幅高で3日続伸。11月1日(954.0)以来、8週間ぶりの高値水準に。金と同様、クリスマス前に節目の940ドルを超えたことに伴う堅調な流れが休場明けに再開。時間外には950ドル付近でいったん揉み合いとなり、これを突破したことでNY市場では960ドル台へと一段高。高値では9月24日(964.0)以来3カ月ぶり高値水準となる963.5ドルまで上昇し、上値目標となっていた9月末高値960ドル台にもしっかり到達。しかし、達成感もあってかNY引け後には950ドル付近まで反落。20日移動平均のボリンジャーバンド+2シグマラインに到達しての反落にもなっており、妥当な動き。目先のサポート候補としては節目の940ドルまで、その下の20日移動平均線(921.2)は比較的重要なサポート水準にも。なおこの日、三菱自動車が日産に続いてディーゼル車の新規エンジン開発中止を発表、世界のディーゼル車販売は今後約10年で4割減との可能性も報じられており、この類の報道はプラチナ相場にとっては中長期的なボディーブローにも。
ドル円は+20銭、0.18%のドル高円安。欧州市場などはまだ休場も、NY市場の再開で少しは動意づいた様子も。東京時間朝には株高とともに109円50銭台へと水準を切り上げ、欧州時間にかけては値動きストップ、NY時間に入って値動き再開。米中協議の第1段階合意署名に向けた進展なども伝えられ、米株も最高値更新継続へと相変わらずのリスクオンにもサポートされて一時109円60銭台まで上昇。しかし、これまで何度も上値を押さえられてきた109円60銭台の抵抗水準上抜けには今回も失敗。今朝の東京市場では日経平均の反落とともに109円40銭台まで下落。109円半ばの小幅保ち合いを下方向へと抜け出すことになれば、108円台半ばまでが下値目安となり、108円40銭台は強めのサポート水準にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/26終値とチャート
27日の国内金価格は+43円、0.75%の反発。短期上値目標5750円近辺到達後の一服も束の間、予想されたNY金の一段高に円安も加わり、2019年を象徴するように年末になっても再び高値更新トライ、過熱感を振り切って近年最高値を大きく更新。RSI(14)の99.1は少なくとも2010年以降の約10年間で最大。通常なら大幅調整必至という状況ながら、年末年始と月末月初を挟むことになり、場合によってはさらに一段高へ、という展開も否定はできす。ISM製造業景況指数等でネガティブ・サプライズなどがあれば年初には5800円の大台突破も。調整局面が加速した場合、5月末安値からここまでの上昇値幅の23.6%戻し(5561)となる5560円台は9月末以降3度つけた安値水準にも相当し、重要なサポート水準。短期間でこの水準まで下げる確率は極めて低いと思われるものの、中期的に見てもこの水準を割り込んだ場合にはさらなる大幅調整も想定され、38.2%戻し(5420)辺りまでが次なる下値目安となる可能性も。
週間ベースでは+120円、2.12%は4ヵ月半ぶりの大幅高で5週続伸。月間では+192円、3.43%の大幅反発。年間では+942円、19.43%の大幅反発。2012年(+20.2%)以来7年ぶりの大幅上昇。
プラチナ価格は+27円、0.75%の反発。2018年2月28日(3641)以来、1年10ヵ月ぶりの高値水準。短期上値目標3650円前後には届かなかったものの、金に追随する形で年末まで高値更新トライを諦めず、複数の重要な節目を超えた状態を維持する健闘ぶり。3400円の中長期重要水準を大きく上回り、2018年以降の底値で形成する逆三尊のネックラインとなる3500円ラインも超え、2015年末以降の4年越しの長期抵抗線を上抜け、今後の節目となり得る3600円も上回っており、年初にかけての一段高も期待されそうな状況にも。短期的には3650円前後までの一段高か、大幅調整も。3500円ラインが当面の重要なサポート水準にもなり、これを割り込んだ場合には3400円近辺までが次に下値目安にも。
週間では+50円、1.4%の反発。月間では+189円、5.52%の反発で5カ月ぶりの大幅高。年間では+560円、18.3%の大幅高で5年ぶりの反発。2012年(+24.1%)以来7年ぶりの大幅上昇。
※参考:金プラチナ国内価格12/27とチャート
2019年12月27日(金)時点の相場
国内金:5,790 円 12/27(金) ▲43(0.75%)
国内プラチナ:3,616 円 12/27(金) ▲27(0.75%)
NY金:1,514.4 ドル 12/26(木) ▲9.6(0.64%)
NYプラチナ:953.5 ドル 12/26(木) ▲10.7(1.13%)
ドル円:109.58 円 12/26(木) ▲0.20(0.18%)
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