更新日:2020年1月15日(水)
米労働省が発表した12月の消費者物価指数(CPI)は前年比+2.3%で市場予想の+2.4%には届かず。少数点以下2桁で見ると前年比+2.29%となり、11月の+2.05%からは急騰、3ヵ月連続上昇で2018年10月(+2.52%)以来、14ヵ月ぶりの高水準。
NY原油価格(月間平均)が2ヵ月続伸で7ヵ月ぶり高水準となる59.81ドルへと急騰したことにサポートされました。
しかし、コアCPIは11月の前年比+2.32%から12月は+2.26%へと低下。10年ぶり高水準となった8月の+2.39%がピークとなり、年後半は鈍化傾向が続き、7月(+2.21%)以来、5カ月ぶりの低水準となっています。
8月の+1.76%から11月の+1.61%まで、同様に鈍化傾向が続くコアPCEを12月に引き上げるのは難しそうです。
主要項目別では、健康保険(ウェイト1.27%)は前年比+20.4%となり、3ヵ月連続20%台の高水準。医療サービス(ウェイト7.14%)も3カ月連続前年比+5.1%の高水準での横ばい推移。これらは従来どおりのレベルを維持してインフレを牽引。
医療用品(ウェイト1.69%)は11月の+0.6%から12月は+2.5%、2018年5月以来1年7ヵ月ぶり高水準へと急騰してインフレ押上げ要因に。
ガソリン(ウェイト3.93%)は+7.9%となって8カ月ぶりのプラス転換、14ヵ月ぶり高水準でCPIを押し上げ。
その一方で中古車(ウェイト2.32%)は-0.7%となって2ヵ月連続の前年割れ、2018年9月以来1年3カ月ぶり低水準となってデフレ。
航空運賃(ウェイト0.7%)は11月の+2.0%から+1.7%へとインフレ鈍化。
携帯電話サービス(ウェイト1.62%)は-0.5%から-0.3%へと上昇も16ヵ月連続の前年割れ、デフレ状態が継続。
自動車保険(ウェイト2.36%)は3ヵ月ぶりにデフレ脱却も0.0%と低迷。
女性用アパレル(ウェイト1.18%)は-3.6%から-2.2%へと上昇も18ヵ月連続の前年割れ、デフレ継続。
主要項目のなかで、上昇傾向にあるのはガソリンを除けば医療用品のみ。これ以外は横ばい傾向か、デフレ水準での推移も目立ちます。
依然として、インフレ加速への道のりは遠そうに見えます。
14日のNY金相場は-6ドル、0.39%の続落。1月2日(1528.1)以来、今年2番めの安値水準で下ヒゲ陰線。前日の軟調な流れはNY引け後に加速、一時1530ドル半ばまで下落して下値目標1530ドル付近に接近。この水準を何度か試して底堅さを確認すると欧州時間にかけては1540ドル台半ばまで反発。NY午後には「中国からの輸入品に対する関税は11月の米大統領選後まで維持される可能性」との報道を受けて一時リスク回避の流れとなって1550ドル手前まで急騰する場面も。15日に予定される第1段階合意署名を目前に控えたタイミングでの報道は今後の不透明感を連想させることにも。11月安値1446.2ドルから今年最高値1613.3ドルまでの50%戻し(1529.8)付近、1530ドル近辺の下値目標までもう一段しっかりと下落する余地も残しながら、この日の安値1536.4ドルででいったん調整を終えたことにしてしまう可能性も。反発方向には1560ドルが当面の抵抗水準、超えると1590ドル程度までの上値再トライも。
NYプラチナは+5.2ドル、0.53%の反発で1月3日(990.3)以来、今年2番めの高値水準に。金とともに軟調推移となった時間外は970ドル台半ばで揉み合って下げ渋り、NY朝には急反発で980ドル台後半へ。NY引け後には目先の抵抗水準990ドルをトライする動きも。960ドルから990ドルまでの保ち合いレンジ上限との攻防でこれを上抜けた場合、1000ドルの大台ラインは年初に3日連続で上値を押さえられた難関、これも突破できれば1010ドル近辺まで上値を伸ばし、主要レンジ上方シフトをかけた攻防へ。
ドル円は5銭程度のドル高円安となって小幅に続伸。昨年5月22日(110.32)以来、約8カ月ぶりの高値水準維持も110円台は維持できず。中東リスク後退や米国による中国の「為替操作国」認定解除などを背景に前日東京朝には110円台へと水準を切り上げ、一時110円20銭台まで上昇したところで失速。110円台では想定以上に売り圧力もまだ強い様子で110円を挟んでの保ち合いの展開となり、NY時間には米12月CPIの結果を受けて伸び悩み、対中関税当面維持の見込み報道を受けて109円80銭台まで急反落。結果的に110円台を維持できずに十字線を形成、今朝の東京市場では110円ラインが抵抗ラインへと切り替わってしまったような状態にも。週後半の米指標などをきっかけに再度上値トライへと向かえば110円半ばまでは上値を伸ばす可能性も残り、109円半ばが当面の下値サポート候補に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/14終値とチャート
15日の国内金価格は+14円、0.24%高で4日ぶりの反発。1月8日(6061)以来、1週間ぶりで今年2番めの高値水準。12月安値5565円から1月高値6061円までの23.6%戻し(5944)にサポートされていったん下げ止まり、小幅に反発して高値保ち合い形成への可能性を示す形にも。意外と長続きしないリスク選好の流れが巻き戻される展開にもサポートされた格好で、こちらのほうが一時的となる可能性も。23.6%戻し(5944)のサポートを割れた場合には5880円台から38.2%戻し(3872)辺りまでが次の下値目安にも。
プラチナ価格は+44円、1.18%高で3日連続1%超の大幅続伸。2018年2月2日(3777)以来、およそ2年ぶりの高値水準。短期上値目標3720円台を突き抜けての一段高となり、水準的には3400円から3600円近辺までの中期レンジを上方向に抜け出し、3600円から3800円の価格帯へと主要レンジ上方シフトを試みようかという状況にも。短期的には調整待ちの状態も、中期的に次の節目として意識されるのは3800円の大台ラインと2018年高値3843円。
※参考:金プラチナ国内価格1/15とチャート
2020年1月15日(水)時点の相場
国内金:5,960 円 1/15(水) ▲14(0.24%)
国内プラチナ:3,766 円 1/15(水) ▲44(1.18%)
NY金:1,544.6 ドル 1/14(火) ▼6.0(0.39%)
NYプラチナ:987.3 ドル 1/14(火) ▲5.2(0.53%)
ドル円:109.99 円 1/14(火) ▲0.06(0.05%)
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