更新日:2020年3月12日(木)
世界保健機関(WHO)は11日、新型コロナウイルス(COVID-19)はパンデミック(世界的大流行)となったことを宣言。WHOの「パンデミック」宣言は2009年の新型インフルエンザ以来、11年ぶり。2週間で中国以外の症例数が13倍に増加したとのことで、猛威を振るうコロナショックの影響は金融市場でも収まらず、この日は英国でもイングランド銀行が緊急利下げを敢行。主要国の株安も止まらず、NYダウのこの日の下げ幅は1464ドル(-5.86%)となり、9日の2013ドル(-7.79%)に続いて過去2番めの大幅下落。10日の1167ドル(+4.89%)上昇を含めて3日連続4桁の上下動。3月に入って4桁の上昇が3日、4桁の下落が2日。1日あたりの上下動を示す変動値幅は3月平均で1112.27ドル。昨年の平均変動値幅225.96ドルの4.92倍。
最後に過去最高値を更新したのが2月12日、終値ベースでも同日が過去最高値で29551.42ドル。この日の終値23553.22ドルまで-5998.20ドル、-20.3%。米株市場では弱気相場の目安とされる直近高値から20%下落、に到達。
なお、ナスダックは過去最高値から9日につけた今年安値までの下落率は-19.01%でぎりぎり持ち堪えている状態。
ちなみに、ドイツDAXは2月19日の過去最高値から1年2カ月ぶり安値となった11日までの騰落率は-24.3%とダウを超える下落となっています。
英FTSEも1月17日の今年高値からこの日11日までの下落率は-23.43%。
なお、日経平均は1月20日の今年高値から11日までの下落率は-19.38%。今朝の東京市場では19000円割れでの推移が続き、このまま19000円台を回復できなければ下落率は-21%超へ。
世界同時弱気相場入りが本格化してきた状態です。
CMEフェドウォッチでは、今朝の時点で3月FOMCで100ベーシスの追加利下げ、FF金利を0.00-0.25%とする確率が92.2%に達しています。
11日のNY金相場は-18.0ドル、1.08%の大幅続落。3月2日(1594.8)以来、1週間ぶりの安値。7年3ヵ月ぶり高値1704.3ドルをつけた9日時間外(※厳密には8日時間外)からの調整局面が継続。前日NY引け後の安値1640ドル付近からは戻りを試す展開となり、時間外には一時1671ドルまで上昇。しかしNY市場では米10年債利回りが反発し、対ユーロなどをメインにドル高も進行したこともあって戻り売り。結果的に株安の流れとともにNY金も軟調推移となって元の水準へと反落、NY引け後には1640ドルを割れて一時1630ドル付近まで下落。昨年11月安値(1446.2)から今年高値までの23.6%戻し(1643.4)付近でいったんは下げ止まった状態のようにも。調整局面が続けば、38.2%戻し(1605.7)付近が次の下値目安にも。
NYプラチナは-1.2ドル、0.14%の小幅反落。時間外には870ドル付近から880ドル台半ばまで反発も、NY市場では860ドル台前半へと軟調推移。金に連動する形で小幅に戻り売りの展開に。3日連続860ドル手前で下げ渋り、2月末以降は860ドル近辺でサポートされる状態が継続。株安の流れも続き、金も調整局面、パラジウムも調整局面が続く状態となり、なかなか反発へのきっかけがつかめない状態にも。やや遠くなってきた900ドルが当面の抵抗水準、堅めのサポートになってきた860ドルを割り込んでしまった場合には一段安の展開へ、820ドル近辺までが下値目安に。
ドル円は70銭余り、0.7%のドル安円高で反落。東京時間は売り優勢、ペンス米副大統領が記者会見で2020年末までの給与税の減免などの経済対策を発表も、記者会見をすると言っていたトランプ大統領が出席しなかったこと、詳細説明が先送りされたことなどから失望売り。株安の流れとともに104円10銭付近まで下落してこの日の安値。欧州時間にはBOEの緊急利下げでポンドやユーロを中心にドル高の流れとなってドル円も上昇、105円30銭台まで反発してこの日の高値。NY時間には経済対策の不透明感などもあり、株安の流れが強まり、WHOのパンデミック宣言なども嫌気されて一時104円20銭台まで下落。今朝の東京時間にはトランプ米大統領の演説への失望感から金利低下とドル安、株安の流れが強まり、103円台へと急落。今年高値から安値までの38.2%戻し(105.41)で上値を押さえられた形にもなっており、23.6%戻し(103.81)近辺がサポートとなるかどうか。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/11終値とチャート
12日の国内金価格は-53円、0.87%の反落。前日上昇分の大半を打ち消し、高値保ち合いの上値を大きく切り下げる形となり、ゆるやかに切り上がる下値を押し込む勢いで下方圧力が高まる状態にも。NY金の調整一服となる可能性と円高圧力もやや緩和された可能性もあり、目先は6030円台でサポートされる可能性も。ここを割り込んだ場合、短期的には6000円割れ、5990円近辺までが下値目安。中期的には大台割れに伴い、もう一段下値を試しやすい状態となることも想定され、いずれ5900円割れ、空白の5800円台を試しに行くような展開にも。
プラチナ価格は-39円、1.21%の反落で前日の上げ幅を全戻し。6ヵ月半ぶり安値となった10日の3172円と並び、再び下値警戒感が強まる状態に。安値更新へと向かうことになれば、下値目安は8月安値保ち合い圏、3120円前後まで。切り返して3210円台の節目を上抜けると3270円前後までが戻りの目安にも。
※参考:金プラチナ国内価格3/12とチャート
2020年3月12日(木)時点の相場
国内金:6,049 円 3/12(木) ▼53(0.87%)
国内プラチナ:3,172 円 3/12(木) ▼39(1.21%)
NY金:1,642.3 ドル 3/11(水) ▼18.0(1.08%)
NYプラチナ:868.2 ドル 3/11(水) ▼1.2(0.14%)
ドル円:104.43 円 3/11(水) ▼0.74(0.70%)
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