更新日:2020年3月19日(木)
2008年9月15日、米投資銀行リーマン・ブラザーズが経営破綻し、その後世界的金融危機となり、米国はリセッション入り、マーケットも大荒れ、という時期がしばらく続きました。
2006年には500ドル台だったNY金価格は上昇基調が続き、2008年3月には一時1000ドル超え。しかしリーマンショックの影響はNY金も例外ではなく、大きく売られました。
リーマンショック後のNY金の最安値は2008年10月24日の681ドル。VIX指数の最高値も2008年10月24日で89.53。同じタイミングで急落したダウはこの日が大底とはならず、もう一段下げて、さらにもう一段下げて、という展開で大底となったのはこの5ヵ月後、リーマン破綻からは半年後、2009年3月6日の6469.95ドル。
コロナショックに見舞われている今年、NY金は3月16日に1450.9ドルの安値をつけ、現状はこれを下回らず、大底の可能性も残す状況。
VIX指数は16日に終値でリーマンショック後の高値を上回って過去最高となる82.69を記録、これ以降これを超えてはいませんが、高値ベースでは16日以降も高値を更新し続けて18日高値では85.47。リーマンショック後の最高値に迫りながらもまだ下回ります。
ダウは過去最大の下落幅となる2997ドルの暴落となった16日を含めて3日連続で安値を更新中。
12年前と同じような展開となるかどうかすら、わかりませんが、とりあえず目先はVIX指数が高値でリーマン後の最高値を更新するかどうか、そしてピークアウトの兆しが見られるかどうか、が気になるところです。
18日のNY金相場は-47.9ドル、3.14%の大幅反落。NY原油が24%超の暴落で20ドル台へ、18年ぶり安値となり、NYダウは前日の1000ドル超の反発を帳消しにする1300ドル超の急反落で2万ドル割れとなって3年1ヵ月ぶり安値。世界同時株安は止まらず、米欧債券も売られて利回りは上昇、米ドルの独歩高の流れも続いてドルインデックスは3年ぶり高水準。金の売り局面もまだ終わらず、時間外の1540ドル台後半から軟調推移の展開、NY朝には1500ドル付近でのもみ合いとなって下げ渋る様子も見られたものの、午後には1480ドル近辺へと一段安。12月12日(1472.3)以来、3ヵ月ぶりの安値となり、2日前の終値1480ドル台を下回ったことで、もう一段の下げ余地拡大へ。12月初旬のもみ合い水準1460ドル台までが短期下値目安に。
NYプラチナは-60.3ドル、9.06%の大幅反落で2003年5月以来、16年10ヵ月ぶり安値水準。時間外に680ドルまで反発して戻り売りの展開。株安・金安の流れとともに水準を切り下げ、NY午後につけた安値は603ドルまで。2日前の安値で大底候補の562ドルには距離を残し、前日安値と大台ラインの600ドルも下回らなかったことでNY引け後には一時640ドル台まで反発。600ドルを維持できるかが当面のポイントにもなり、670ドルが上方向への節目に。これを上抜けることができれば690ドル近辺までが上値目安に。なお、NYプラチナとダウの90日相関係数は0.91135。過去最高水準の株安との連動状態。
金との価格差は前日の860.5ドルから872.9ドルへと拡大。
ドル円は1円60銭超、0.62%のドル高円安で続伸。コロナショックへの各国政府の対応や金融当局の支援策などが次から次へと打ち出されるなかでも、世界同時株安の流れはとまらず、NY市場は何度目かのサーキットブレイカー発動でダウは日々4桁の大変動。原油の暴落も重なって産油国通貨も急落、新興国通貨なども連れ安状態となり、リスク回避のドル高・円高の流れ。ドル円ではドル高の勢いが勝り、NY時間には一時108円60銭台まで上昇、2月末以来3週間ぶり高値。節目の108円を上抜けたこともあり、109円近辺までもう一段上値を伸ばす可能性も。今朝の東京時間にはECBが7500億ユーロの新たな資産購入プログラムの導入を発表しており、これを好感してユーロ高・ドル高の流れが加速、ドル円は109円台へと急騰。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/18終値とチャート
19日の国内金価格は-114円、1.97%の大幅反落。今年の平均騰落値幅は絶対値で56円、率にして0.92%。この倍以上となる1.8%以上の上下動となったのは今年8回あり、1月8日(+130円、2.19%)以外は全て3月に記録しており、この日は今年5番目の急落。年初に5800円台を素通りして上抜け、今回素通りして下抜けた後、今度はこの5800円ラインがいったん上値抵抗水準となってしまった可能性も。NY金の調整局面が続く限りはドル高円安でも相殺し切れない可能性もあり、軟調局面はもう少し続く可能性も。5640円台の節目を下回ると5600円前後までが下値目安に。戻りを試す勢いが強まって5800円を超えた場合には5860円程度までが戻りの目安にも。
週間ベースでは-155円、2.66%安で4週続落。
プラチナ価格は-87円、3.44%の大幅安で3日続落。リーマンショック後の大底となった2008年11月21日(2388)以来、11年4ヵ月ぶりの安値。10年越しの二番底となるかどうか、という状況に。売られ過ぎのNYプラチナにいったん下げ止まりの素振りも見られ、ドル高円安の流れにもサポートされる展開となれば、ある程度戻りを試す展開にも。今年高安の23.6%戻しで2790円。
週間ベースでは-405円、14.23%の暴落状態で4週続落。下げ幅は前週の-421円に続いて2週連続400円超、下落率では2010年5月17日からの週(-964円、18.17%)以来、9年10ヵ月ぶりの急落。
※参考:金プラチナ国内価格3/19とチャート
2020年3月19日(木)時点の相場
国内金:5,682 円 3/19(木) ▼114(1.97%)
国内プラチナ:2,441 円 3/19(木) ▼87(3.44%)
NY金:1,477.9 ドル 3/18(水) ▼47.9(3.14%)
NYプラチナ:605.0 ドル 3/18(水) ▼60.3(9.06%)
ドル円:108.13 円 3/18(水) ▲0.67(0.62%)
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