更新日:2020年5月23日(土)
週足チャートで見るNY金は3月の急落局面を除くと、昨年末からの上昇チャネルが5ヵ月余り続いています。そのなかでは、比較的上昇チャネルの下半分での推移時間が長く、時折上限ライン付近まで吹け上がるような展開が見られました。2月後半から4月にかけてはチャネル上限から下限までのレンジをフルに上下動しながら水準を切り上てきましたが、5月に入ってからはボラティリティが低下し始め、再びチャネル下半分がメインとなりつつある状況にも。
NY金は今週、週足では陰線を形成しましたが、チャネル下限となる1720ドル付近で反発して終えています。
この上昇チャネルに沿ったトレンドがもう少し続くと仮定した場合、次週以降も1720ドル以上での推移が予想され、1700ドル台半ばから後半へ、1800ドル方向へ吹け上がるような展開もあるかもしれません。
5ヵ月余りかけて、このNY金の上昇チャネルの下限ラインは1450ドルから1720ドル付近まで、270ドルほど水準を切り上げてきました。1ヵ月当たり54ドルづつ水準を切り上げてきたことになります。
上昇チャネルの下限ラインは6月には1700ドル台後半へ、7月には1800ドル台前半へと水準を切り上げます。
22日のNY金相場は+13.6ドル、0.79%の反発。前日NY朝につけた安値1715.3ドルで短期下値目安1710ドル前後に最接近、目標水準にほぼ到達とみなして自律反発が一定程度進行。欧州時間に1720ドル台後半から1730ドル台へと水準を切り上げると、NY市場にかけては1730ドル半ばを中心に揉み合い推移。この日の変動値幅は19.5ドル、20日の13.6ドルに次いで2月後半以降の3ヵ月で2番めの小動き。今年の平均36.9ドルから5月平均は29.2ドルへと縮小してきたなかでボラティリティはさらに縮小。なお、昨年の年間平均は16.0ドル。目先は水平状態の20日移動平均線(1720.7)が下値サポートとなり、1750ドル台までのレンジで保ち合い形成の様相に。引き続き米中対立の行方や欧米の経済活動再開状況、ワクチン開発動向などに一喜一憂する展開にも。レンジを上抜けるようだと高値更新へ、1780ドル台までが上値目標、レンジ下限割れの場合には1700ドルの大台近辺までが下値目安に。
週間ベースでは-20.8ドル、1.18%安で3週ぶりの反落。
NYプラチナは+19.8ドル、2.29%の大幅反発。それでも前日の下げ幅の3分の1にも満たず。時間外には一時前日安値を下回り、850ドル割れを試したところでようやく反発へ。欧州時間からNY朝にかけて加速すると900ドルの大台ラインまで、50ドル超の急騰。しかし、大台ラインが抵抗水準となって880ドル台まで押し戻された状態に。90日移動平均線(845.5)にサポートされて再び200日移動平均線(884.9)超え。目先は200日線維持と900ドルの大台トライの攻防にも。下方向に90日線を割れると4月高値圏840ドル近辺までが下値目安に。
週間では+69.2ドル、8.47%の大幅高で4週続伸。上昇幅は3月23日からの週(+119.1ドル、19.13%)以来、2カ月ぶりの大幅高、4週続伸となるのは昨年4月以来、1年1ヵ月ぶり。
ドル円は前日からほぼ変わらず、107円60銭付近でほぼ横ばい推移。変動値幅は前日の32銭からこの日は44銭と若干拡大も、今年の平均値幅90銭の半分。なお、5月の平均値幅は56銭、昨年平均55銭と同水準まで縮小。東京朝には前日高値付近、107円70銭台まで上昇後、午後にかけては前日安値を少し下回り、2日前の安値付近107円30銭台まで下押し。中国で開催中の全人代で香港での国家安全の改善を図る方針が示され、トランプ米大統領は「強力な対応を取る」と中国をけん制、米中対立激化懸念も円高要因に。前日の上ヒゲ十字線に続いてこの日は下ヒゲ十字線を形成し、方向感喪失を示す状態にも。引き続き下値は20日移動平均線(107.06)と107円ラインが強めのサポートとなっている感もあり、上値は108円台半ばまでは上昇余地を残しながらも107円台後半が徐々に重くなってきた様子も。
週間では+59銭、0.55%の続伸。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/22終値とチャート
2020年5月23日(土)時点の相場
国内金:6,506 円 5/22(金) ▼74(1.12%)
国内プラチナ:3,143 円 5/22(金) ▼84(2.60%)
NY金:1,735.5 ドル 5/22(金) ▲13.6(0.79%)
NYプラチナ:886.3 ドル 5/22(金) ▲19.8(2.29%)
ドル円:107.63 円 5/22(金) ▲0.02(0.02%)
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